※江戸川氏急病のため、今週は大迫氏が回顧します。
今年は戦国クラシック。
やはり1番人気馬は勝てなかった。
今年の桜花賞、
各馬まずますのスタートを決めた形ですが、
ティズトレメンダスや、人気のトーセンソレイユが立ち遅れる不利。
1〜2馬身ぐらい離される形で、後方からの競馬を余儀なくされます。
内の方ではサマリーズやクラウンロゼ、
ウインプリメーラやローブティサージュ、
さらにはサウンドリアーナの戸崎騎手も積極的に前に進路をとり、
スタートして200mをすぎた辺りからペースが一気に速くなる。
そのタイミングで外からジワッジワッとあがっていった
クロフネサプライズはこの時点で少し脚を使ってしまった形。
位置取りの優位性を確保するための動きですので、致し方ない部分でしょう。
600mを過ぎた辺りでは、馬群が前方でひと固まりになり、
後方に4頭がポツンポツンと追走する、明らかに異様な光景。
ソレを分かっているかのようにレッドオーヴァルのM.デムーロ騎手は、
ひと固まりの馬群から離れた位置取りで虎視眈々と追走。
焦る様子はまったく伺えず、むしろ余裕さえ感じさせる位置取りでした。
ペースが落ちることなく3〜4コーナーの中間地点へ差し掛かりますが、
早くもクロフネサプライズが先頭へ並びかけ、
4コーナーを回る手前から堂々と先頭に立ちます。
直線に向いても武豊騎手の手綱は動かず、抜群の手応え。
『コレはいよいよ怪物かもしれない・・』
と、一瞬思いましたが、やはり前半で無理をした分でしょうか、
思ったほど伸び脚はよくありません。
アユサンのC.デムーロ騎手は
クロフネサプライズを見ながら競馬をしていたのでしょう。
直線でクロフネサプライズの外へ進路を取ると、
持ち前の瞬発力を一気に爆発させクロフネサプライズを捕らえます。
さらに外からはM.デムーロ騎手のレッドオーヴァル。
追い込んでくる脚色が1頭だけ抜けていました。
レッドオーヴァルがアユサンを差しきったかと思われましたが、
内からアユサンが差し返す勝負根性をみせ、
直線は2頭の激しい叩き合いに。
残り150m地点辺りから続いた2頭の激しいマッチレースはゴールまで続きます。
結果、軍配はアユサン。そしてC.デムーロ騎手に。
見応え十分のレースでした!
レース前は『G1で武兄弟の久しぶりの対決、ワンツーまであるか!?』
なんて盛り上がっていたわけですが、終わってみれば
『デムーロ兄弟のワンツー決着!』
そして、『今年の3歳世代はディープインパクト産駒が不作』
なんて言われていたわけですが、終わってみれば
『出走中2頭しかいないディープインパクト産駒のワンツー決着!』
『結局デムーロ。』
『結局ディープ。』
そんな会話が至る所から聞こえてきそうですね・・
デムーロ丼。
ディープ丼。
・・・。
馬を無視してしまったら怒られてしまいますね。。
勝ったアユサン。
惜敗のレッドオーヴァル。
この2頭が後続につけた着差は“2馬身半”!
これは現時点では圧倒的な数字です。
素直にこの2頭がこの世代の頂点。
さらに距離の伸びるオークスでの再戦を楽しみに待ちましょう!
大迫富士夫 今後の注目馬
・クロフネサプライズ
1番人気馬の競馬、
横綱相撲を強いられてしまった事を考えれば、
最後はよく頑張っており、やはり能力は相当に高い。
今年のクラシックの特徴通り、人気を落とす次走が狙い目か!?
・トーセンソレイユ
スタートでの立ち遅れが全て。
キャリアの浅さを露呈してしまった形ですが、
それでも終いは伸びてきており、力は示した。
馬体の成長に課題を残すも、先々は有望な素質馬。