2013-03-31 王道、その先には・・・。-産経大阪杯-

オルフェーヴル、強し。
もはやその言葉しか思い浮かばなかったレース後。

明らかに完調とは言い難い出来でしたが、
持てる力は十分に発揮されたのではないでしょうか。

レース前からオルフェーヴルのいつも以上の落ち着きぶりは
かなり評価されていましたが、
本馬場に入っても、溢れるような闘争心は内に秘め、
出走馬の頭領のような風格を漂わせていました。

レース前の輪乗りの段階でも、冷静に振舞っていましたし、
ゲートが開いてからもスッと後方に控えて、
２コーナーあたりで先頭集団に進出していく為の進路を確保。

王道はすでに覇道に変わり、
オルフェーヴルを遮る者は誰もいない展開になります。

レース後のインタビューでも、
池添騎手は語っていましたが、
ショウナンマイティはオルフェーヴルを徹底マーク。

今回の浜中騎手は勝ちを捨て、
着を拾うレースに徹しているように見えました。

すでに昨年の宝塚記念で勝負が済んでいるショウナンマイティは
今後のレース選択の為にも、賞金加算が必須ですから
着を拾う戦法は間違っていないでしょうし、
オルフェーヴルの前にいない段階でその勝負は捨てていると見るべきでしょう。
巻き返しには要注意です。

エイシンフラッシュのＣ・デムーロ騎手も、
オルフェーヴルを意識し過ぎてか、
結果的に早めに動いてしまったように思います。
しかし、オルフェーヴルさえいなければ勝っていた可能性は
十分に高く、Ｍ・デムーロ騎手に乗り変わる香港では
今回以上の善戦が期待できそうです。

そして今回レースで株を上げたのは
４着に踏ん張ったトウカイパラダイス。
前半はスローペースで流れた印象ですが、
レースが動いてからも、しっかり粘れていました。

斤量差はありませんでしたが、
格上と思われていたダークシャドウを凌いだのは成長の証でしょう。

大舞台ではまだ厳しいかもしれませんが、
サマー2000シリーズや、ローカルであれば、
重賞制覇も時間の問題でしょう。

しかしそのトウカイパラダイスが
必死にエイシンフラッシュ、ダークシャドウの猛追を防いでいるところに、
並びかける金色の芸術品・オルフェーヴル。

坂を登りきったところで、
一気に後続を突き放す強い勝ち方。

いえ、並みの馬であれば強い勝ち方でいいのかもしれませんが、
オルフェーヴルは日本競馬史上でも屈指の名馬。
次元が違うと言わんばかりのレースでした。

またレース中、常時、オルフェーヴルの後ろを走っていた
ショウナンマイティは残り100ｍでようやく先頭集団に追いつき、
オルフェーヴルにはおよそ半馬身及びませんでしたが、
この馬にとって２着という着順は今回のレースで、
もっとも、獲りたかった着順でしょう。

昨年はペルーサ出走の余波を受けて、
安田記念の出走が叶わなかった悪夢もありましたが、
忙しいかもしれませんが、安田記念を使った後、
再度、宝塚記念でオルフェーヴルにリベンジしてもらいたいと思います。

さて、江戸川の本命だったヴィルシーナ。
掲示板に乗らなかったのは想像以上に残念でしたが、
懸念していた不安が全て露呈してしまった感じ。

気になるのはレースぶりも、以前のような迫力は感じず、
どことなくいい感じでまとまっている印象です。
よくも悪くも「トライアル仕様」ということでしょうか。

いずれにせよ、勝ったオルフェーヴルは強かったですね。

実は今回のレースで７割くらいのデキでとどめて、
負ければ池添騎手のせいにして、オルフェーヴルの主戦から外す。
本番の「凱旋門賞はスミヨン」というシナリオでも
あるのかと思っていましたが、
ここでイイ勝ち方をしたことで池添騎手にも、
まだチャンスは残っていると感じました。

しかし、心配なのはオルフェーヴルの雰囲気。
こちらも明確に「トライアル仕様」ですが、
なんとなく大人しすぎるような気もしてしまいます。
「大人になった」と言えば聞こえはいいかもしれませんが、
もしこれが、「老化」であったなら・・・と思うと、
少々、不安を感じてしまいます。

杞憂に終わればいいのですが・・・。

江戸川乱舞　今後の注目馬

・ダークシャドウ
昨夏、脚質転換して先行策を採用しているが
後ろから行く方がやはりいいタイプでは？

・ヒットザターゲット
坂のあるコースでは不要のローカル馬。