弥生賞といえば、私の中でディープインパクトが勝つには勝ったが、
「最も苦戦したレース」というイメージが非常に強い。
05年3月6日。
まだ2戦しかしておらず、その評価もまだ定まっていないディープインパクトが
内で粘るブエナビスタの兄・アドマイヤジャパンと、
2歳チャンピオンのマイネルレコルトとの叩き合いを制し、
クビ差で競り落としたあの弥生賞。
国内でディープインパクトがあれほど接戦したレースは
05年の有馬記念でハーツクライに負けた以外に他はなく、
馬体を合わせるともろい弱点を初めて露呈したあのレースと、
私の中で勝手に思っています。
今回カミノタサハラが4コーナーからスパートし、
最後、内で粘る有力馬をクビ差で競り落とすその姿は、
ディープインパクトの面影を見る事が出来ました。
この世代でのディープインパクト産駒は重賞初V。
待ちに待った恰好で一気にクラシック候補へ。
カミノタサハラは大金星で名乗りを上げることができました。
カミノタサハラは金子馬で馬名の意味は
「カリフォルニアにある通りの名」だそうです。
決してカミノクレッセと同一馬主と言う事ではありません。
カミノクレッセは92年の春のG1で3戦連続2着という成績がありますが、
カミノタサハラはどうなるか、本番でも非常に楽しみです。
しかし、本当にいいレースでした。
金子真人オーナーの勝負服がクビ差で接戦を競りとおす姿は、
ディープインパクトの弥生賞を彷彿とさせる内容でしたし、
内田騎手の気迫も感じ取ることができました。
馬のタイプ的に中山ではなく、府中の方が面白そうなので、
「ダービーでは買える馬」だと私は思っていましたが、
その前にこの馬自身、ダービーを目指すには賞金が足りない可能性があったわけです。
クラシックへの「本気度」という意味では
エピファネイアやコディーノよりも上だったのかもしれません。
エピファネイアやコディーノは重賞も勝っているので、
無理に弥生賞を使う理由は無いのですが、
カミノタサハラにしても、5着だったキズナにしても、
ここで出走権を獲得できなければ、クラシック挑戦自体、夢物語です。
最後の「ひと伸び」が、この2頭のものが際立っていたのは
そう言うことかもしれません。
さて、今日のレース、私用の為、本馬場入場からしか見えませんでしたが、
人気のコディーノは暴れており、エピファネイアは悠然と入場・・・
そんな風なイメージを持ちましたが、
エピファネイアから馬券を持っていた私は
彼の異常なまでの発汗に嫌な予感・・・。
エピファネイアに懸念されていた不安材料が
ここからどんどん出てくる恰好になります。
大外枠で前に壁が作れず、引っかかったエピファネイア。
中山を乗り慣れていないビュイック騎手のやむを得ない早仕掛け・・・。
不運が重なり後方からくる馬達にゴール前で交わされてしまいます。
課題が浮き彫りになるとともに、大幅な修正点がはっきりした
エピファネイアは本番の巻き返しに期待です。
また、コディーノもステップレースとしては3着は上々の結果と見るべきでしょう。
皐月賞で人気になる事は間違いないでしょうが、
今最も、クラシックのタイトル奪取に向けて、順調なのがコディーノでしょう。
彼にとって皐月賞と言う舞台は最も可能性のあるタイトル。
管理する藤沢厩舎にとっても、悲願の牡馬クラシック制覇に向けて、
いい手ごたえを感じ取っているのではないでしょうか。
想定とはだいぶ異なる波乱の弥生賞でしたが、
今考えられている勢力図に大きな変化はなかったと見るべきでしょう。
しかし、その勢力図も皐月賞まで・・・
ダービーまでにはその勢力図も大きく変化する可能性がありそうです。
そうキーワードはやはり「ディープインパクト」かもしれません。
江戸川乱舞 今後の注目馬
・エピファネイア
先行勢総崩れの中、0.1秒差4着に健闘。
次走は福永騎手に戻るなど、好材料しかない。
・ダービーフィズ
ダービートライアルで一変の可能性あり。
青葉賞・プリンシパルSあたりで出てくれば・・・。