2013-02-17 秋山騎手の言い訳を聞く前に、私の言い訳を言わせて下さい-フェブラリーS-

良くも悪くもカレンブラックヒルに振り回された１週間でした。

もうこの馬に関しては「◎」か「無印」しかないわけで、
競馬スピリッツの馬スピ特報でも４人の予想陣がいて、
ついていた印は「◎」一人のみ。他の記者は無印。
これがこのカレンブラックヒルの正当な評価かと思う。

この回顧を読んで下さる方の中にも
カレンブラックヒルに「◎」を付けた方も多いと思う。
結果的には残念でしたが
プロセスを考えれば仕方がないことだったようにも思います。

外目の枠に入ったら、そのまま芝のスピードに乗って
行き切ってしまう事も、想定されていた訳ですし、
普段は寡黙な秋山騎手がスポーツ紙で
「ダート行ったら、メチャメチャ走るんちゃいますか」とアツく語っていたり、
「とんでもないことになる」と、ウキウキしていたり・・・
それは普段から秋山騎手が寡黙を貫いているからこその信ぴょう性。

私も一瞬、素直に「◎」をつけようと考えた瞬間もありました。
が、しかし、
思いとどまったのには理由があります。

（ここからが私の言い訳ですが）
今回、「逃げ宣言」とまでは言わないものの、
明らかに「前へ行く」と断言していた陣営が多かった事が
私の中で引っかかりました。

タイセイレジェンドは勿論のこと、ヤマニンキングリーも砂を被りたくないから前へ。
当然、エスポワールシチー、ナムラタイタンも粘り込みを狙っています。
そうなると、初ダートのカレンブラックヒルにとっては厳しい展開になることは明白。

それなら印を打つ必要はないだろうと、判断し、
体調のイイ馬と実績のある馬の順番に印を打っていった次第です。

◎グレープブランデー（３番人気）
○ワンダーアキュート（７番人気）

中団から行く馬が中心の構え。ワイド１点を厚めに２頭軸で勝負。
（ここでエスポワールシチーを先行馬だからと、
消してしまった事が私の全ての間違いだったようです。）

アンカツさんが解説するとのことで、
フジテレビで競馬中継を見ていましたが、発走前の輪乗りで、
カレンブラックヒルに騎乗の秋山騎手は余裕の表情。

私なんかはニヤニヤしているように見えました。
まさに週中で言っていた「とんでもないことになる」と今にも言いだしそうな表情です。
（まぁ、本当にとんでもないことになるのですが）

発走直前、
イジゲンがゲート内で暴れており、想定通りの出遅れ。

Ｇ３級のメンバーならどうにかなったでしょうが、
さすがにエンパイアメーカー産駒が得意とする東京ダートマイルとはいえ、
Ｇ１での出遅れは命取り。この段階で馬券を諦めた方も多い筈です。

想定通り、ハナをきったタイセイレジェンド。
詰め寄るエスポワールシチーらを受けて、その後ろにカレンブラックヒル。

ラスト1000ｍ付近から秋山騎手の手が動き始めます。

レース前に余裕の表情を浮かべていた秋山騎手の
あの不敵な表情がどんどん青白く変わった事は見て取れましたし、
騎乗っぷりも秋山騎手にしては珍しいチグハグな感じ。
直線の坂を駆けあがる頃には力もつき、沈没。
その姿は、３歳マイルチャンピオンとは思えぬ凋落ぶりです。

７歳勢が必死に覇を競う中、
古豪・エスポワールシチーも負けじと踏ん張ります。

外からワンダーアキュートも差してきましたが、
華麗に先頭に立ったのは初代ジョワドヴィーヴル（04年抹消）の弟・グレープブランデー。
エスポワールシチーを抜き、そのまま押し切ったのは浜中騎手。
昨年はリーディングを獲得しながらもＧ１は未勝利。
本人にも忸怩たる思いがあったでしょう。

しかし、今回スリーロールス以来の２度目のＧ１勝ち。
クラシックにもいい馬が揃っているようですから、
今後も浜中騎手の活躍に期待です。

個人的にはワイドを厚めに張っていて正解でしたが、
エスポワールシチーを買い目の中に残せなかったのは反省です。

カレンブラックヒルが逃げると考えてのエスポワールシチー外しでしたが、
想像以上に行き脚がなく、
他の馬もそれに合わせてペースが緩んでしまった事が
エスポワールシチーが最後まで頑張れた要因でしょう。

さて、私の回顧（言い訳）はこれくらいで十分でしょう。

馬券的にもＯＫ。考察も絶好調。
来週からついに春の中山開催となります。
私もいい形で迎えられたと思っているので、
しっかり気を引き締めて行きたいと思います。

今回の出走馬の中で一番の被害者はカレンブラックヒル。
ゲームみたいな負け方をしてしまった以上、馬の精神的負担も大きいはず。

「とんでもないことになる」そう言っていた秋山騎手の言い訳も
しっかり聞きながら、馬自身の立て直しが必要かもしれません。

江戸川乱舞　今後の注目馬

・ガルボ
厳しい条件の中、カレンブラックヒル以上の走り。
力をつけており、ビッグタイトルのレースでも出番がありそう。

・イジゲン
武蔵野Ｓでの勝利はムーア騎手の剛腕の賜物。
追える騎手なら一変もありそうだが、頭で買うのは危険な１頭。