有馬記念の予想については
週初めのレース考察を御覧いただいてもわかるように、
迷っていた、相当迷っていた。
なにせ「最強」と思っていた3歳世代の駿馬達が
この秋続々と古馬を相手に敗れ去っていったからだ。
(低レベルなスプリント路線は別で、
阪神カップではシュウジで一儲け出来たけど…)
さすがにサトダイさん信者の馬友連中は、
有馬記念勝利を疑っていなかったが、
「3歳世代最強論」が揺らぎ始めた江戸川さんとしては、
そんなサトノダイヤモンドとて疑わざるをえない。
他にもゴールドアクターの復活やら、
驚異的な回復を見せたいっくん(福永騎手)が
めちゃくちゃ自信を見せているシュヴァルグランなど、
気になる馬が続々と出てきたせいもあるけど、
予想欄でも記した通り、
ギリギリまで迷って本命はキタサンブラックにした。
一番後悔が無いと思ったからだ。
しかし、その「後悔が無いキタサンブラック」から
「確信のあるキタサンブラック」に変貌を遂げたのは
レース前日の土曜深夜。
競馬スピリッツで予想が公開された後の話だった。
明石家サンタとゴッドタンをザッピングしつつ、
数年ぶりに発売された桃鉄をやりながら
youtubeに落ちていた「有馬記念抽選会」を見ていた時の事だ。
(我ながら器用な事をやっているな…)
21日に都内のホテルで行われた枠順公開抽選会。
(映像で抽選の様子を見るのはその時が初めて)
抽選会の映像を見て頂ければわかるけど、
キタサンブラックが1枠1番の枠を引いた時、
会場からは歓声が起こったのはご存知だろうか。
(細江さんがキャーって言ってたのは笑った)
武さんも思わず「まだ枠順抽選ですから」と
ツッコミを入れるくらいの歓声で、
北島三郎オーナーも思わず
「ありがとうございます」って言ってしまうレベル。
その北島オーナーの後ろ側に、
サトノダイヤモンドのルメールさんが映っているのだが、
枠順が決まった瞬間には存在していたはずの彼の笑顔が、
次に映ったときには消えていた。
おそらく冷静になったのだろう「マズイ」と。
あれだけ会場が盛り上がっているのに、
笑顔の消えたルメールさんに違和感を覚えたのだけど、
その違和感が解消されたのは、
抽選会最後のルメールさんの言葉によってだった。
神妙な表情で
「今年はスーパーホースがいます。
サトノダイヤモンドも強いですが、キタサンブラックも強いです」
と、語っていた。
まさにこの言葉を聞いた瞬間が、
「後悔が無いキタサンブラック」から
「確信のあるキタサンブラック」に変わった瞬間だった。
ぶっちゃけホープフルSの方が自信があったから、
有馬記念は申し訳程度を買ってお茶を濁そうと思ったのに、
このルメールさんの言動を見て、
キタサンブラックに分があると確信。
キタサンブラックで大勝負することを決意した。
おそらく彼は一緒に走ったレースを通じて感じていたのだろう、
キタサンブラックが物凄い成長を見せている事を。
なんせ武さんも
「皆さんが思っている以上にキタサンブラックは強いですよ」と、
言っているくらいだ。
ルメールさんが肌でその成長を感じていないわけがない。
そのキタサンブラックが絶好の1枠1番に入ったのだ。
彼としてはピンチだと感じざるを得ないはず。
そんな経緯があったものだから、
江戸川さんはキタサンブラックで大勝負することを決意。
しかも競馬スピリッツに出していたホープフルSで、
伏兵筆頭と睨んでいた
マイネルスフェーンが2着に頑張ってくれたおかげで、
想定以上に儲かってしまったから、
その利益分もキタサンブラックに投資するハメに。
当初厚く買うつもりのなかった有馬記念で
大枚勝負してしまった。
それだけにスタートしてすぐに
マルターズアポジーが予想通りハナを主張してくれて、
キタサンブラックが外から被されないように、
ゴールドアクターの進路を早々に塞ぎ、
番手を確保したときには
感動のあまり「おおっ」と声が漏れた。
「武さんが勝つ」
そう思って周回を見守っていたら、
向こう正面で徐々にサトノダイヤモンドが順位を上げてくる。
「お・・・早いな・・・」
正直、サトノダイヤモンドは
今回6着だったシュヴァルグランのような位置取りから
外を回しそうな気がしていたから、
このタイミングで出てきたときは少々悪寒が走った。
それでも4コーナーを向いてキタサンブラックが先頭。
後続の突き放しにかかった。
ゴールドアクターも勝ちパターンだったように見えたけど、
それでもキタサンブラックは譲らない。
サトノダイヤモンドは思ったより伸びない。
「勝った・・・」
と、思った刹那、
坂を登り終えたサトノダイヤモンドが一気に
ゴールドアクターとキタサンブラックを呑み込んだ。
この切れ味こそディープインパクト産駒の真価。
ブラックタイドやスクリーンヒーロー産駒にはない
日本近代競馬の結晶とも言われた本物の瞬発力。
サトノダイヤモンドは
「最強3歳世代」の実力を改めて証明した形だ。
勝ったルメールさんも、
「敵はキタサンブラックしかいない」と腹をくくった騎乗で、
勝利ジョッキーインタビューでは喜びを爆発させていた。
江戸川さんの見立て通りサトノダイヤモンドが
キタサンブラックに勝てるかどうか半信半疑だったのだろう。
あんなに嬉しそうなルメールさんのインタビューは珍しい。
(サトノダイヤモンドは坂が苦手なんだろう、それはわかった)
思えば・・・
これほどまでに自信と確信を持って本命馬に、
(結果的に)大枚を投じたのは2005年以来だろうか。
当時、大学生だった江戸川さんは
ディープインパクトの勝利を疑わず、大勝負。
結果的にルメールさんが跨っていたハーツクライに
生涯初の黒星をつけられるのだが、あれから11年。
今回もルメールさん→武さんで決着した。
大学生だったあの日は財布の中が空っぽになったけど、
今回はなんとか幾人かの野口英世さんが、
財布の中に残ってくれた。
少なからずお金を残せるようになったのは成長の証か。
11年でこの程度のお金しか残せないのは、
我ながら先が思いやられるが(笑)
この野口さんたちを
何とか福沢諭吉さんたちに昇華できないか奮闘しながら、
2016年の有馬記念のレース回顧の〆にしたいと思います。
今年も一年、駄文にお付き合い頂き誠にありがとうございました。
来年は中山金杯からお会いしましょう。
それでは皆様、良いお年を。
本日のメインレースを振り返ります。
レース回顧
2016-12-25 実は前日夜に確信していたレース-有馬記念-
このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
走らない馬から決めていく独自の的中方法“逆走競馬予想”であたり馬を引き当てる、競馬スピリッツ専属の予想家「江戸川乱舞」。
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11月16日(土) 東京11R
【五十嵐】獲得金:23,000円
【大五郎】獲得金:9,900円
合計:32,900円
11月23日(土)は京都11R 京都2歳S(G3)
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