2012-07-08 天候に振り回された七夕賞

土曜日は春の中山開催を思い出すような馬場状態。
どの馬も内側を避け、２〜３頭分外を選んで走っていた。

土曜日のメインレースの松島特別は福島記念と同条件で行われた。
勝ったのは外から伸びてきた柴田大知騎手の
10番人気のマイネルギブソン号（美・萱野）、
更に２着にはバウシングライトが入り、馬連で３万円オーバー、
三連単で４０万円オーバーの大波乱の決着となった。

このレースの結果から馬場のいいところを通れる内枠の先行馬と、
外を回しても差せる脚のある馬が有利と言う推論が成り立った。

して、今日の福島メインレース・七夕賞。

ＷＩＮ５で１億1000万円超の配当をもたらしたのは
単勝14番人気のアスカクリチャンだった。
2000ｍを走るのは、今回が２回目。
未勝利戦の頃に走って５着。
それ以来のレースとなる。

稍重発表であったが、良馬場に見えなくもない馬場状態。
実際に現地からのレポートでも
「良馬場に限りなく近いのではないか？」という報告もあり
大方の雨予想は裏切られた格好となった。

この天候に一番大きく左右された馬、それは２着になったトーセンラーではないだろうか。
きさらぎ賞を制し、クラシック戦線の主役になり、
昨年秋にはオルフェーヴルの３着に入った菊花賞を筆頭に実績はここでも上位だった。

しかし、陣営も気にするほどの重馬場は苦手。
不良馬場のダービーで11着、重馬場の日経賞は10着。
格下相手の新潟大賞典も稍重で11着。
重馬場は本当に苦手だ。
週初めからの「重い馬場は避けたい」という陣営の重いが七夕の夜に実を結び、
福島の空を晴れさせたのかもしれない。

馬場が悪く外を回らざるを得なかったのもあるが普通に回ってくれば、
十分完勝と言える内容だった事は間違いない。
このくらいのレベルならいつでも勝てる力を持っているだろう。
その証拠にトップハンデながら、上がりは最速の３５．５秒。
次に同じレベルのメンバー構成なら突き抜けそうだ。

勝ったアスカクリチャンは、
先週の栗山氏のコラムでも取り上げられていた七夕賞の血統分析で
「七夕賞の過去６年間の連対馬１２頭のうち１１頭もの馬がNijinskyを持つ」
というジンクスに当てはまる１頭。
たしかに良く見れば２年前に勝ったドモナラズと同じ父系に加えて
母方にはマルゼンスキーという血統。
何か七夕賞に縁のある血統に見えなくもない。
（父スターリングローズ×母父ダイナレター）というダートに強そうな配合から
荒れた芝の重賞を勝つ馬が出る。
やはり競馬は奥が深い。

３着に来たミキノバンジョー、４着ケイアイドウソジン、
５着ニシノメイゲツはタイム差なしの着順。

ミキノバンジョーは福島巧者と見ていいだろう。
過去の戦績を見ても、小回りの競馬場の方が合いそうな走り。
距離は延びるよりも1600ｍ〜2000あたりが良さそう。
夏競馬でまだ走るようなら、出番はあると見る。
それに太宰騎手とは相性が良さそうなので、このコンビは注目していきたい。
極端な距離短縮などが無ければ、次も狙っていい１頭であると思う。

４着ケイアイドウソジンは正直なところ
なかなか買い時が難しい存在ではあるが、
着実にレベルアップしていると感じる。
勝つか負けるかの差が激しく本命党の方には難しい馬だとは思うが、
常に抑えて買わなければならない厄介さはあるが、それは逆に言うと、
好配当を呼んでくれる証拠でもある。
むしろ今日のレース展開ならばよく粘った。

５着ニシノメイゲツは、面白い存在だと思う。
古豪のニシノ・セイウン軍団の中で
久々に重賞戦線の常連になれる存在ではないだろうか。
母・ニシノムーンライトは準ＯＰ勝ちの実績があり、重賞でも活躍した馬。
次走はどこになるかわからないが、
早いラップを刻んでも戦える点はローカル開催地を中心に面白い存在になりそうだ。

逆に期待を裏切る形になってしまったのが、
エクスペディションとタッチミーノットだろうか。

エクスペディションに関しては休み明けでここはたたき台。
入着すればＯＫていどの感覚だったのだろうか。
もう一つ、二つほど足りない内容だった。
重賞では力が足りない可能性も否定できないが、
次走の走りが重賞での「いる」か「いらないか」の分水嶺になるだろう。

タッチミーノットも、「？」がつくような内容。
惨敗との表現が妥当だろう。
もしかすると少しでも馬場が渋るとダメなのかもしれない。
重賞では力が足りないと評価を下すのは早計。
だが、軸で買うには不安が多い馬ではないか。
次走はメンバー次第では「消し」の対象になる可能性もあるし、
今回程度のメンバーなら馬場状態がキーポイントだろう。

シンゲンは背負わされたのもあるが、14着と惨敗。
年齢的にももう復活は厳しいのかもしれない。
とにかく無事に走ってくれて良かったという言葉がファンの間から聞こえてきそうだ。

とにかく来年の七夕賞は

｢Nijinskyを持つ馬」と
｢わかりやすい天候になって」くれるよう短冊に願いを込める。

江戸川乱舞　今後の注目馬
・ケイアイドウソジン
買い時が難しいが、人気薄で馬券に絡むので、常に注意が必要。
走りを見てもレベルアップしているように感じるので、
「ダイヤモンドＳ」のような一撃があるので、それを想定した馬券選びが必要。
（一応、出世レースのメトロポリタンＳを買っている事も注釈しておく）

・トップカミング
道中手ごたえの割には、頑張っていた。
斤量の差もあるだろうが、次は斤量次第では狙ってみても面白い存在。
この馬も「Nijinskyを持つ馬」なので来年の七夕賞は・・・？