2015-12-20 母仔の因縁を感じたレース－朝日杯FS－

「お願い！！武さん！！！」

朝日杯FSの最終コーナー。

馬群の外を回して、
余裕を持って追い出す武さんのエアスピネル。
（ちょっと余裕すぎじゃない？）

レースを走っている武さんの視点で
最後方からせり上がってくるリオンディーズが
どんな風に見えたかは決してわからないけど、

とにかく道中不気味な気配を醸し出していたのは
リオンディーズの方。

新馬戦で見せた勝ち気な走りとは一変して、
なんだかんだ乗り役の指示に従っているように見える。
（ジョッキーは引っかかったと言っているけど）

道中後方にリオンディーズは位置していたけれど、
前走から一変したレースぶりに
テレビの前で江戸川さんは恐れおののいていた。

もちろん武さんのエアスピネルは絶好位置だったし、
ペース的に見ても、勝ちパターンだったのは明らか。

そもそも3着のシャドウアプローチに
4馬身も差をつけているのだから、
文句のつけようがない走りではある。

ただそれ以上に2000mから1600mに距離が短縮され、
ペースが流れている今回、
割と折り合えているリオンディーズが
一枚上だったという事か。

もっともエアスピネルが勝てなかった段階で、
馬券はしょぼいワイドしか当たってないから、
もはやそこはどうしようもないのだけど
（10番人気▲ユウチェンジはクビ差4着と惜しかった）


今回のレースは2005年のオークスを思い出してしまった。


リオンディーズの母・シーザリオが
エアスピネルの母・エアメサイアを
ゴール前で差し切ったあのレースだ。

それこそ10年前のあのオークス日からの
因縁の2頭の仔同士の叩き合い。

当時大学生だった江戸川さんは
とてつもない興奮を味わうことができた。
それは馬券を外したから訪れた感情ではない。

あの時のオークスと同じ構図のレースを
10年後の今日見ることが出来た。
その感動が江戸川さんの心を揺るがした。

武さんのエアスピネルを豪快に差し切る
リオンディーズの姿を見て思わず

「シーザリオだ！！！」

そう叫んでしまった。
トビの大きな走りなんてそっくりだ。

日本競馬で唯一、
日米オークスを制した歴史的名牝・シーザリオは
個人的にも思い入れのある1頭。

エピファネイアの時も心を動かされたが、
リオンディーズの走りも感動モノ。

来週のホープフルSの方が
メンバーレベルは濃いだろうが、
来年のクラシック戦線に向けて
楽しみな1頭であることに間違いはない。

武さんは大記録達成とはいかなかったが、
今の馬質なら来年以降もチャンスはあるはず。

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