2015-11-08 新興勢力が勃興したレース－アルゼンチン共和国杯－

朝から滴り落ちる雨粒。

覚悟はしていたけれど、
時間が経過するごとに府中の馬場は
良馬場から稍重へ稍重から重馬場へ変貌を遂げていった。

終始、外を回った馬が強く、
午後になってから内枠の馬は全く元気が無い。

◎を打ったレコンダイトは3枠6番。
これはマイナス材料になるなぁと思っていたが、
嫌な予感は当たるもの。

確かに終始、経済コースを走れていたし、
ある意味、理想通りの競馬だったかもしれない。
良馬場ならば。

しかしここまで馬場が悪くなってしまってはお話にならない。
一転して、ゴールドアクターは外目の絶好位置を追走。

「あー、これは勝ってしまうな」

道中である種の確信を抱いてしまった。

週初めのレース考察であれだけ
「ゴールドアクターを中心視して馬券を組み立てる」
と言っていたくせに、打った印は△。

金曜日7枠15番に入ってしまったことで、
一気に評価を下げてしまった。

「初の古馬重賞で56キロを背負って、外枠発走は荷が重かろう」

と思っていたが杞憂だったようだ。

いや、杞憂という言葉では言い表せない。
馬券を外してしまっているのだから。

最初の1000mの通過は1.03.4とスロー。
後方10番手あたりを追走しているレコンダイトには
このペースではもうチャンスがない模様。

最後の直線でもインを突いて一瞬見せ場は作ったものの、
馬場のせいか、全く伸び切れず終了。

展開がどうのこうのというより、
もう少し馬場が良かったら
違った結果になっていたかもしれない。


外目をするする上がっていったゴールドアクターは
先頭をひた走るメイショウカドマツに襲いかかる。

斤量で言えばゴールドアクターよりも1キロ軽いが、
実績で言えばメイショウカドマツの方が上。
デビュー時から重賞戦線で戦い続け、
好走した実績もある。

ゴール前届くかどうかやきもきしたが
ラスト50mあたりでゴールドアクターは
一気に差しきってみせた。

週初めのレース考察でも書いたが、
ゴールドアクターは来年春の天皇賞・候補。

「重賞くらいは取るだろう」と前々から思っていたものの、
江戸川が想定している以上の成長曲線を描いているようだ。

今後は父・スクリーンヒーローと同じく
ジャパンカップを目指すのかもしれないが、
今の勢いや今年の日本馬のレベルを考えれば、
いい勝負になるだろう。

もしかすると、暮れの有馬記念まで
一気に駆け抜けてしまうかもしれない。

そんな気がした今年のアルゼンチン共和国杯だった。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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