2015-08-09 秋への楽しみが生まれたレース－小倉記念－

「マ、マローブルーが1番人気だと・・・」

江戸川風情でも気づくような馬だから、
世間の競馬ファンが気づかないわけがない。

夏の牝馬・軽ハンデ・ディープインパクト産駒と
人気になる要素は十分だったけど、
まさか1番人気とは・・・。

正直、目算が狂ってしまった。
それでも最終オッズ3.5倍というのは、
そこまで競馬ファンから信頼されているとも言い切れない。

馬券の売れ方を見ても
「押し出されての1番人気」という方がしっくりくるレベルだ。

巷の競馬ファンは江戸川が思った以上に
このレースに悩まされていたのかもしれない。

好スタートを切ったマローブルー。
初の古馬重賞級が相手ということもあってか、
慎重なレース運びを選択。

上手くスペースを見つけながらの競馬で
馬へ余計な力みを与えない走りをしている。
さすが川田騎手だ。

穴を狙って○を打ったクランモンタナは
少々後ろを走っているけど、まぁまぁこれはこれでOK。

1000mの通過が57.9秒と明らかに速いのだから。

「あー、このペースだから
メイショウナルトは控えたのか。
さすが秋山やな」

と、思わず感心してしまったけれど、
逃げるノボリディアーナをせっつくバッドボーイ。

このあたりの馬達の位置関係が
ペースを速いものにしてしまったのだろう。

ペースが流れていたのは分かったから、
自然と後ろから行く馬に声援を送りたくなるのは人情。

「差せ！差せ！モンタナ！」

内がゴチャついていたぶん、
大きく外を回らざるを得ない様子。
正直、ロスが大きい。

転じて本命のマローブルーも
うまく馬群を捌けたものの、
道中の速いペースについていった分、
脚を使わされている。

そのせいかもう一つ伸び切れない。

内側で本命候補だったウインプリメーラも
頑張っているけれど、
最後は桃色帽子のアズマシャトルが強襲。

さすがにこのペースになれば、
重賞好走実績のあるこの馬が大威張り。

松若騎手も待望の重賞初制覇を飾った。
デビュー2年目、11回目の挑戦でのタイトル獲得。
インタビューも若々しく、非常に好感が持てた。

関西では既に「頼りになる若手」のイメージが定着している。
この勝利を糧に全国区で飛躍をして欲しい。

勝ったアズマシャトルも賞金を加算できたことで、
今後のレース選択に幅が出てくる。

次は新潟記念あたりを使って、
サマー2000シリーズに色気を出してくるかもしれない。

それに2着になったベルーフも
身体が大きく成長して逞しくなった上に、
しっかりと結果を出した。

早い時計にも対応できたことで、
秋に向けて大きく前進できたことは疑いようがない。

社台グループが力を入れる
ハービンジャー産駒の出世頭で
近親にはステイゴールドがいる良血馬。

本格化はこれからで、
まだまだ楽しみが広がるレース内容。

馬券は(いつも通り)外してしまったけれど、
秋への楽しみが生まれた1戦だった。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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