今日は、ある方の御招待で東京競馬場の馬主席から、
レースを観戦させて頂きました。
秋晴れの彼方に見える新雪の富士山の姿は鮮やかで、
眼下に広がる府中の杜の紅葉の木々は深まる秋を
競馬場全体で表現しているようでした。
今週のレース回顧は誰もが「荒れる」と踏んでいたマイルCS。
春の安田記念ほどでは無いにしろ、混戦が予想されていました。
その倍率を見ても、何が勝っても不思議ではない状況。
回りの席に座っている馬主さんの会話を聞いていても、
みな、それぞれの見解がある模様。
それぞれに付き合いなんかもあるようで、
馬主さんで馬券の上手い人はなかなかいないように感じました。
話は少しそれましたが、
荒れると踏んでいたマイルCSの前に行われた福島記念で、
案外、あっさりと1番人気のダイワファルコンが勝ったもので、
興奮していたこちらもやや拍子抜け。
この嫌な流れは引きずりそうだと、覚悟しながら迎えた
マイルCSのスタート。
しかし、スタートしてからの展開は私の想定通りでした。
シルポートが逃げ、コスモセンサーとガルボがそれを追跡する。
まさに想定通りの展開になったので、思わず、
「そのままぁぁーーーー!!!!」と叫んでしまいましたが、
ゴールまで残り1300mほど。
そこまで競馬は都合良くいきません。
その集団に昨年覇者のエイシンアポロンが取りつき、
虎視眈々と、武豊のサダムパテックが控え、
剛腕ムーア騎手のリアルインパクトがタイミングを伺います。
集団は坂を下って、塊へ。
良い形で、先頭を守りきったシルポートは絶好の形。
その間隙をぬって、コスモセンサーとガルボも仕掛けます。
まさに「そのままぁぁーーーー!!!!」な状態な訳ですが、
ここでコスモセンサーの伸びがピタッと止まります。
あれ・・・?と、思った瞬間、
あれれ・・・?と、ガルボも失速。
外から伸びてくるサンデーRの勝負服に
「外は買ってない」と、後悔したのも束の間。
先頭を見ると、白い帽子にピンク色の勝負服。
「ユタカだぁーーーーーっ!!!!!」
絶叫も虚しく、馬券は宙を舞いましたが、
2年ぶりに見た武豊騎手がG1を制覇するシーン。
数年前は毎週嫌になるくらい見ていた時期もありました。
本当に華があって・・・
「武豊って、なんてスーパースターなんだろう」と、
何度思ったかわかりませんが、
近年、G1に乗っても存在感の無い馬に乗っていたり、
G1に乗らなくて、裏開催のメインレースですら乗らない時も
あったような気がするほど、存在感がありませんでしたが、
今日のマイルCSでは、久々に「らしい」騎乗を見ることが出来ました。
が、しかし、淀の電光掲示板には、審議のランプが点灯。
対象馬はサダムパテックと武豊。
パトロールビデオを見ても、
淀だけでなく府中の会場でも「あぁ・・・ダメかも・・・」という
雰囲気が会場を包みます。
もう「武豊でいいじゃないか」と、私も思っていましたが、
正直、ダメかもとも思っていました。
そして、長い審議の後のアナウンス。
レースは到達順位の通り、確定。
その放送が流れると、
府中の会場では「おおっ」とともに、割れんばかりの拍手が起こりました。
やっぱり、「みんな武豊が勝つとこ見たかったんじゃん」と
私も嬉しい気持ちになりました。
去年の年末の東京大賞典。
スマートファルコンでワンダーアキュートとの接戦を制した時にも、
G1を勝つ姿を見ましたが、やっぱり中央競馬で勝ってこその武豊です。
9月9日のエピセアロームの勝ったセントウルSのレース回顧で、
「この秋はまた、数年前のように
どんなレースも勝ちまくる武豊をまたみたいものだ。」
と、語った事が現実になりそう。
先週の柴田善臣騎手に続いて、今週の武豊騎手の勝利。
ここ数年、地方出身騎手や外国人騎手に蹂躙されてきた
競馬学校生え抜きの騎手たちが、徐々に勢いを盛り返してきているようです。
JRA生え抜きの騎手の中心はやっぱり武豊。
彼じゃないとダメなのかもしれません。
最終レース終了後、
馬主席にいた年配のご婦人がお仲間の方にこう仰っていました。
「今日はユタカ君がG1を勝って嬉しい。幸せな一日でした。」と。
やっぱり競馬ファンはこの1勝を待っていたんだ、と、
しみじみ感じた日曜の夕暮れのオケラ街道でした。
江戸川乱舞 今後の注目馬
・ダノンシャーク
レース前から落ち着かない様子だった事に加え、
不利もあったが、踏ん張った印象。次走以降、注目。
・ガルボ
直線で不利を直接受け、戦意喪失。
順当なら好走可能。