11/5、今年の交流重賞の祭典・JBCが川崎競馬場で行われます。
しかし、その出走馬の顔触れは例年ほとんど変わることはありません。
セイクリムズン、トランセンド6歳、シビルウォー7歳、ダイショウジェット9歳。
明日は出走しませんがここにエスポワールシチーの7歳も加えた場合も考えると、
いかにダート戦線を引っ張っている馬達に高齢化が進んでいるかが分かります。
しかし、この交流重賞における
出走馬の変わり映えの無さは「選考基準に問題」があるので、
これは致し方ありませんし、ここでは大きく触れません。
その高齢化の進むダート戦線に一筋の光が差したのが今日のみやこS。
「ダート路線の新星はどっちだ?」として銘打った週初めのレース分析。
そこで行われた分析通りのレースとなりました。
単勝1.4倍の圧倒的1番人気ローマンレジェンド。
対するは現3歳ダートチャンピオン・ハタノヴァンクール。
完全1強状態のオッズ。
王者・エスポワールシチーを競り落とした馬ですから当然の評価かもしれません。
しかも内枠先行有利なコース。
負けを疑う方が危険なのではと思ってしまいます。
レースのスタート。
好スタートを切ったのは5番人気ながら
ローマンレジェンドと張り合う評価を競馬スピリッツで見せていたホッコータルマエ。
最初のコーナーを2番手で通過し、好位置をキープしたままレースを展開します。
フサイチセブンなど斤量が軽めの馬も好位を追走しますが、
この段階ではローマンレジェンドも内側でじっとしています。
ハタノヴァンクールは後方からの競馬になり、少々苦しい位置どり。
しかし、向正面から3コーナーに向かうあたりで、急激にペースが早くなります。
やはり前に行かないと勝負にならない形状のコースですし、
ローマンレジェンドよりも前にいないと勝負になりません。
激流に近い流れとなったレースは最後の直線へ。
ホッコータルマエは絶好位置から最内を突き、
トップハンデのニホンピロアワーズも馬群から抜け出しを図ります。
すでにハタノヴァンクールは位置的に入着すら厳しい状況で、
ローマンレジェンドも内に閉じ込められたまま出口を見いだせない状況のようでした。
内枠先行馬有利と言うことで、
2枠の2頭タガノロックオン・グラッツィアも奮戦しますが、伸び切れず。
58キロをもろともせず、グレープブランデーも見せ場を作りますが、直線半ばまで。
抜け出したホッコータルマエとニホンピロアワーズの一騎打ちになるかと思われた瞬間。
叩き合う2頭の間を一気にローマンレジェンドがこじ開けます。
その脚はまさに「ウオッカ級」。
このレースに関して言えば
トップジョッキーの岩田騎手のファインプレーというよりは
完全にローマンレジェンドの力技だったと言えるでしょう。
ホッコータルマエを一気に呑み込み、
しぶとく粘るニホンピロアワーズも力差でねじ伏せます。
ゴールした後のニホンピロアワーズ・酒井騎手の悔しそうな表情が印象的でした。
ローマンレジェンドが勝負気配だったのに対し、余力を残した仕上げだった分、
最後は粘り切れなかったのかもしれません。
58キロの斤量と対戦相手を考慮しても、ニホンピロアワーズ自身も円熟期を迎え、
最高の状態にあるのかも知れません。
今なら大きい舞台に出ても、十分戦えるでしょう。
ホッコータルマエも素晴らしいレース運びで、ローマンレジェンドを苦しめました。
今回は明らかに本来のデキにはありませんでしたから、
調子を上げてきた次回こそ勝負です。
そして何よりも、
この厳しいレースを力技でねじ伏せたローマンレジェンドは、
堂々と「世代交代の旗手」といえるまでの存在感が出てきました。
JCダート・東京大賞典・川崎記念と今後あらゆる舞台で、
「古い勢力」との闘いが待っています。
6月に帝王賞を制したゴルトブリッツが果たすはずだった世代交代という宿命を
同じスペシャルウィーク産駒のローマンレジェンドが果たすことになるのは
「奇縁」としか言いようがありませんが、
4歳の成長著しいローマンレジェンドと将来性抜群の3歳勢の勢いは
長らく君臨してきた王者を一気に呑み込んでしまいそうな勢いがあります。
日本では芝のレースが重要視されていますが、
是非、ダート戦線にも目を向けてみて下さい。
きっと想像以上にハイレベルな戦いが繰り広げられているはずです。
ダート路線の新星・ローマンレジェンドにご注目ください。
江戸川乱舞 今後の注目馬
・ハタノヴァンクール
今日のレースは内枠有利なレースで参考外。全く流れが向いていなかった。
見限るには早すぎる。
・ナイスミーチュー
小牧太騎手から急遽乗り替わりになってしまった経緯があり、
100%の態勢でレースに臨めなかった可能性あり。
コース替わりで一変の可能性あり。