本日のメインレースを振り返ります。レース回顧

2012-09-30 スプリント界の新星誕生！−スプリンターズＳ−

台風17号の影響で阪神開催が中止。
ＷＩＮ５の発売中止やＩＰＡＴによる地方競馬の発売が延期されるなど
秋のＧ１戦線開幕としては非常に物々しいスタートとなりました。

しかし、台風の影響を受けていない中山競馬場では
風は強いものの快晴の中でレースは行われました。

スタート直後逃げ戦法に出ると思われていた
パドトロワ・マジンプロスパーは想定通りのスタート。

しかし、外から物凄い勢いで押して押して並びかけたのは
安田隆行厩舎のダッシャーゴーゴーでした。

控えると思われていたダッシャーゴーゴーのまさかの逃げ。
非常に不可解な逃げ戦法に出ます。

今思えば、同厩のカレンチャンは
スプリントＧ１初の３連覇がかかる重要なレース。
また、ロードカナロアにしてもクラブ馬で非サンデーサイレンスの血統。

つまり種牡馬的な価値のある馬なので
Ｇ１タイトルはいい繁殖牝馬を集める為に必要な条件。

となれば、ダッシャーゴーゴーは本来ＪＲＡで禁止されている
「ラビット（＝ペースメーカー）」に限りなく近い役割を
背負わされていたのではないでしょうか。

ダッシャーゴーゴーの馬主は個人馬主ですし、
カレンチャンは社台グループの生産馬で勢いのある馬主。
さらにロードカナロアは日高の牧場出身ですがオーナーは一口馬主クラブ。
「どの馬主が一番大切なお客様なのかを
一番はっきりさせなければならないレースだった」という風に見れば、
ダッシャーゴーゴーの役割は自ずと決まってくる・・・
そう邪推されても仕方がないほどの不可解な逃げ戦法でした。

ダッシャーゴーゴーの作り出した超ハイペースで焦ったのはマジンプロスパーの福永騎手でしょう。
パドトロワの安藤勝己騎手は早めにダッシャーゴーゴーの意図を読み取り、
無理はさせなかったように見えますし、
最内枠ということも影響して結果的に福永騎手のマジンプロスパーはハイペースのなか、
ハナに立たされてしまった格好になってしまいます。

逆にこの展開の中、冷静さを保っていたのは松山騎手騎乗のドリームバレンチノ。
決していいスタートとは言えませんでしたが、
異様なまでのハイペースの中で最後３着を確保する事ができました。

レースぶりも目を見張るものがありました。
馬群の中を縫って追い上げ、
息のあったコンビネーションを見せていることからも
松山騎手が慌てずレースを進めた事が
非常に大きいと評価できると思います。

しかし、そんな若い松山騎手の頑張りも、
安田厩舎３頭出しの前には無力だったと言わざるを得ないのかもしれません。

レコード決着するほどのハイペースで流れたスプリンターズＳは
芝の内側が有利というメインレースでの展開を一変させました。

内側でハイペースを守っていた先行勢は総崩れ。
かわりに本来不利と思われていた外枠の人気馬には絶好の形となりました。

好位置からカレンチャンが抜け出し、先頭に躍り出ようとします。
３連覇なるかと思われた瞬間、更に外からロードカナロアが鋭い伸び脚をみせ、
あっという間にカレンチャンを抜き去ります。
ダッシャーゴーゴーの果たした限りなくラビットに近い役割が奏功した瞬間です。

さらにこのレース展開はロードカナロアと同じく
外枠不利とみられていたエピセアロームや、
出遅れたラッキーナインの猛追をもアシストします。

ラッキーナインも最後の伸び脚をみると出遅れさえなければ・・・
と思えるような展開でした。
内側にいた先行馬が軒並み後退していく中、大外を回る不利さえなければ、
もっといい勝負が出来ていたに違いありません。

ロードカナロアはまだ４歳。
来年は海外でもその雄姿を見たくなるような鮮やかな勝ちっぷりでした。
しばらくの間、ロードカナロアは
スプリント王の座に君臨し続ける事は間違いないでしょう。

国内に対抗できる馬が見当たらない。
そんな風に感じざるを得ないレースでした。

江戸川乱舞　今後の注目馬

・エピセアローム
今回は展開と斤量がハマっただけで過信は禁物。
相手関係を見ながら馬券購入を。