単勝1.5倍。
その評価は嘘ではありませんでした。
メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネに続く
史上4頭目の牝馬三冠へ向けて死角は無くなりました。
ジェンティルドンナ+12キロ、ヴィルシーナ+18キロ。
2強と目されていた2頭のプラス体重。
さらに穴党の期待を一身に背負うラスヴェンチュラスは−10キロ。
多くの競馬ファンが「波乱」を予感しましたが、
その予感は杞憂に終わってしまいます。
好スタートを切ったのは、サンマルクイーン。
同型もおらず自身のペースに持ち込みます。
そして意外だったのが、この後すぐにジェンティルドンナがいたこと。
レースを振り返ってみても、岩田騎手は行かせているようには見えません。
この2番手の位置取りは「格が違う」と言わんばかりのポジションで
おそらく他の騎手もこの展開は意外だったのではないでしょうか。
控えると思われていたジェンティルドンナが
2〜3番手の位置を確保したことで、
他の騎手の動きにも影響が出てしまったように見えます。
多くの騎手はジェンティルドンナ・ヴィルシーナを見ながら行く競馬で、
それぞれが末脚のキレ具合には自信がある馬ばかり。
そう、「早く動いたら負ける」という意識が
騎手の間に流れていたかもしれません。
1000mの通過タイム1分01秒4。
お世辞にも早いペースとは言えない中、
ジェンティルドンナが好位置につけたまま長い阪神の直線に入ります。
ここまで逃げを打っていた
サンマルクイーンも頑張りましたが、ここまで。
一気にジェンティルドンナが抜き去ります。
それを見てヴィルシーナもスパート。
この2頭はこちら側の想像以上に意識しあっていたのかもしれません。
これまでの臨戦過程・位置取りなど、
ヴィルシーナ自身もG1を勝つためには
ジェンティルドンナを越えなければならず、
ジェンティルドンナ自身も負けるとすれば、
ヴィルシーナだけと言わんばかりの2頭のマッチレースとなります。
先程も述べたように、
他の騎手は「動いたら負け」の意識が強く、
結果的にこの2頭のマッチレースの傍観者になってしまったのかもしれません。
ハナズゴールが出走を取り消してしまったことも
大きく影響している事でしょう。
直線抜け出したジェンティルドンナは
危なげなくゴール板をかけぬけます。
ヴィルシーナも追いあげますが、全く差が縮まりません。
JRAが発表した推定上がり3Fは2頭とも同じ33.2秒。
結果的に道中の位置取りの差が
そのままの着順になってしまったように思います。
ヴィルシーナが本番で逆転を果たす為には
ジェンティルドンナよりも前の位置で
レースをするしかなさそうです。
注目は上位3頭までに与えられる秋華賞の優先出走権。
このレースの3着争いは熾烈を極めました。
0.1秒差の着差の中に3頭がひしめき合う大接戦。
逃げたキャトルフィーユに猛追する
ラスヴェンチュラスとトーセンベニザクラ。
ひたすら好位置を保っていたキャトルフィーユを
直線で前が塞がったラスヴェンチュラスがかわして3着。
馬スピ特報内でも
「このレースは秋華賞への最終便。
どうしても権利が欲しいからこそ関西遠征し、
関西のトップジョッキーを配した。堂々と勝負してくるはず。」
と書いたように川田騎手は
最後までラスヴェンチュラスを追っていました。
そして執念の出走権獲得。
夢の続きが見れそうです。
それは武豊騎手騎乗のトーセンベニザクラも同様で、
直線で前が詰まりながらも最後は上がり最速でゴールイン。
叩き一戦目だけに上積みが本番までに見込めそうです。
おそらく秋華賞はジェンティルドンナと
ヴィルシーナのマッチレースになるでしょう。
今のところ、そういう見解を示さざるを得ません。
この2頭と他の馬の差は一夏越しても縮まりませんでした。
穴党の皆さんには、試練の秋華賞となりそうです。
江戸川乱舞 今後の注目馬
・トーセンベニザクラ
最後の直線で前が塞がったが、2着は確保できたはずの末脚。
秋華賞に咲くの波乱の華は「紅桜」か。
・サンマルクイーン
阪神1800mは少し長い印象。
コーナー4つの1800mなら面白そう。