レース発走の約1時間前に稍重から重馬場へ馬場状態の変更がなされた。
3月開催時には非常に時計のかかる競馬場だったが、
土曜日にはなんと史上最多の7レースでレコードタイムが記録される
「超」高速馬場へと変貌を遂げた。
そんな中で開催されたCBC賞。
1着は阪急杯に続いての重賞制覇となったマジンプロスパー。
馬主は元プロ野球選手の大魔神こと佐々木主浩氏。
桜花賞・オークス2着のヴィルシ―ナも所有しており、どちらが先にG1を勝つか、
オーナーの佐々木氏もかなり楽しみになった今日のレースだったのではないか。
先週のレース分析でも申し上げた
「(マジンプロスパーは)ダッシャーゴーゴーとは1.5キロ差の斤量。
好勝負にならないわけがない。」
と書かせてもらったが、
勝ったマジンプロスパーと3着のダッシャ―ゴーゴーとの差は1.5馬身。
1キロのハンデ差が1馬身と言われる世界なので、
まさにハンデ差が明暗を分けたと言ってもいい内容だった。
乗り役の浜中騎手も抜群のタイミングで仕掛け、
猛追するスプリングサンダーをねじ伏せた。
マジンプロスパーとスプリングサンダーの斤量差は3.5キロ。
仕掛けのタイミングを誤れば逆転を許しても仕方の無いレースだっただけに、
浜中騎手の好騎乗も光った。
また2着のスプリングサンダーも上がり33.8秒の最速を記録。
出遅れてしまったことが悔やまれる1戦ではあるが、収穫はあったのではないだろうか。
まだ重賞レースの制覇は無いが、決してそう遠くない将来、
重賞馬としてその名を連ねる事はほぼ確実だろう。
それにしても、「よく頑張った」と労いたいのが、ダッシャーゴーゴー。
59キロは実際に重かっただろうし、最後は少し苦しそうだったが、
3着に残ったのは彼自身のプライドもあるだろう。
G1戦線では2度に渡る降着と苦杯をなめ続けているが、
ハンデ差と着差を考えればマジンプロスパーと差の無い競馬をしたと見ていい。
彼の場合は突き詰めればハンデ59キロに泣いたという印象。
秋のG1・スプリンターズSでの巻き返しに期待したい。
4着のオウケンサクラはアパパネの桜花賞2着以来、目立った所が無いが、
今回の4着はハンデ戦とは言え、十分に評価していい内容。
気性的にも短いところが合うようだし、今後も短距離戦線で活躍が期待出来る内容。
次に短距離戦に出た時は、状況次第ではあるが、軸馬に添えても楽しめるかもしれない。
オウケンサクラ陣営にとってはハンデ差を抜きにしても
収穫のあったレースではないだろうか。
今回は馬券を獲れたから良かったが、
ここまでの高速馬場は土曜日のレースを見るまでは全くの想定外だった。
しかし、
私の予想とは逆に「全てが想定の範囲内」といえる人間達が存在するとしたら、
それはJRAが抱えるハンデキャッパーたちではないだろうか。
ダッシャーゴーゴー(59)とマジンプロスパー(57.5)の斤量差1.5キロは、
そのまま着差1.5馬身に反映された。
ハンデキャッパーたちの相馬眼は
並みの馬券予想家よりも優れているのかもしれない。
(ご法度であると思うが)ハンデキャパ―達の馬券予想が見てみたいものだ。
江戸川乱舞 今後の注目馬
・リーチザクラウン
短距離転向2戦目。
スタートがあまり良くないのが致命的ではあるが、
馬体の状態やスプリント戦への対応力は明らかに上昇している。
過去の実績がハンデを重くしているのかもしれないが、
まだまだ見捨てるには早そうな状況だ。
・オールブランニュー
3戦連続で上がり最速を記録しているが、
今回は一気の相手強化の中でも上がりはスプリングサンダーに次いで2番目。
ハンデ差もあるにせよこの上がりは立派だろう。
展開の助けを必要としがちな脚質ではあるものの、
自己条件に戻れば、(人気になるだろうが)買える1頭である。