本日のメインレースを振り返ります。 レース回顧

2012-08-26 夏の短距離チャンピオンへ王手!−キーンランドC−

キーンランドCは混戦の様相を呈していた。
有力馬はどの馬にも不安材料があり、
不人気の馬こそ逆転の材料が多数備わっていた。

実力はG1級のダッシャーゴーゴーでさえ、洋芝は初。
適性に疑問符が持たれていたし、
2番人気に推されたドリームバレンチノも
乗りなれた松山騎手では無くテン乗りの三浦騎手。
パドトロワもサマースプリントチャンピオンがかかるレースで、
マークがきつくなるという懸念は拭いきれなかった。

また逆転の材料を兼備していた馬も多く、
出走メンバーで持ちタイムが優秀なダイメイザクラやレオンビスティー、
アポロフェニックスを始め、
テンのスピードは重賞級と評価の高いビウイッチアスなど、
出走馬全てに優勝の可能性があった。

後方待機の馬が多い為、
スプリント戦としては比較的スローペースで
レースは進むものと考えられていた。
しかし・・・。

ゲートが開いた瞬間、
大外から異常なスピードでハナを奪ったのはビウイッチアス
アイビスサマーダッシュでこのスタートが決められていたら・・・
と思うようなスタートだった。
それを見ながら押して押して先頭を奪ったのはテイエムオオタカ

この想定外の展開に驚いた方も多いのではないだろうか。
さらに付け加えるとレースの行方を方向づけたのが
この先行争いと言ってもいいかもしれない。

ハナを奪う相手が藤田騎手では若手にとっては相手が悪い。
ビウイッチアスの宮崎騎手は簡単に下げてしまう。
あのままペースを引っ張っていれば後方から行く馬にも
チャンスがあったかもしれない。

そのくらいレース結果を左右するポイントになってしまったように思う。
しかもスプリント戦だけに、小さな判断の誤りが命取りになってしまう。

外側の先頭争いを尻目に、スッと好位置につけたのが今回優勝したパドトロワ
内目の枠に強力な先行馬が居なかったのも要因の一つだが、
内からハナを奪いに来たのが安藤勝騎手では
藤田騎手もハナを譲らざるをえなかったのか、無理に競り合わなかった。

そしてコーナーワークを利してパドトロワがレースを引っ張る展開に・・・
そして個人的に驚いたのがダッシャーゴーゴーの位置どりだった。

日曜に3勝と固め打ちを決め、
波に乗る横山典弘騎手は一気に前目につけて勝負を決するつもりのようだった。
最終レースでは電池が切れたようにお得意の後方待機策を取っていたが、
これはご愛嬌。
やはり天才・武豊のライバルと呼ばれただけのことはあり、
最初から積極的にレースを進めていた。

これほどまでに実力・実績上位馬に勝負をかけられては、
自身の持つ必勝策も挑戦する立場の馬には効果がない。

特に前走・ロードカナロアを打ち破ったドリームバレンチノ
存在感を見せることもなく後方待機策のまま7着でゴールしている。
それに先行策を身上とするレオンビスティー
最後までこのペースについていけなかった。

ビウイッチアスも飛ばし過ぎたのか馬群に沈んでしまった。
重賞ではもう一つ力が足りないか。

パドトロワは先手を取ったまま最終コーナー抜ける。
その鮮やかな仕掛けのタイミングは職人技。
ロスなくコーナーを曲がり、直線の進路を決め、イン突きを防ぎ、
そして外から来る馬にはコーナーで必要以上に外に出して
追い出さなければならない位置取りをするあたりは
さすがベテランの妙技と言わざるを得ない。
その「コンマ何秒」の差が最後の着差に表れているように思う。

直線追いだされてからのパドトロワは最も気分良く走れたのが大きいか、
最後まで粘りを見せていた。

最後はダッシャーゴーゴーにかわされたかと思ったが、
夏の短距離王制覇へ王手をかける勝利を僅差で手にした。

負けてしまったがダッシャーゴーゴーは健闘した方ではないだろうか。
もちろん負けられない1戦であったことは確かだが、
初の洋芝克服や積極的なレース展開など、収穫も多かったのではないだろうか
「悲願のG1制覇へ」その夢は着実に近づいているように感じる。

また、テイエムオオタカはローカル重賞なら今後も好勝負を繰り返すだろう。
「派手さ」がないというのがテイエムオオタカの武器である。
タイミング一つで重賞には手が届く位置にいる。
好配当も期待していいだろう。

それに最も注目すべきは個人的に本命視していたシュプリームギフトだ。
3キロの斤量増が不安視されていたが、
このメンバー相手で初重賞を考慮すれば上出来と言えるレベルだろう。
まだまだ強くなりそうな気配を見せており、
ディープインパクト産駒がスプリントでも通用するスピードがあることの
証明をしてくれる馬になるはずだ

それにCBC賞で
「決してそう遠くない将来、重賞馬としてその名を連ねる事はほぼ確実だろう。」
と評価していたスプリングサンダーも最後はよく詰めていた。
今回は展開が向かなかったが、直線の長いコースは瞬発力を活かせそうだ。
そこまで悲観する内容ではなかったと思う。
キーンランドCは後方待機の馬には出番が無いままレースが終了してしまった感がある。
巻き返しに期待だ。

つまり、後方に沈んでしまった馬の中に
次回の穴馬が潜んでいると見た方がいい。

特に次回人気を落とすだろう
ドリームバレンチノグランプリエンゼルは巻き返しに期待だ。

パドトロワはサマースプリントで首位を、
安藤勝己騎手はサマージョッキーズシリーズで現在2位。
人馬ともに「夏の王者」になれる位置にいる。
夏競馬はコースの外でも闘いが繰り広げられている事を念頭に置いて
今週のレース分析の「締め」としたい。

江戸川乱舞 今後の注目馬

シュプリームギフト
初重賞でこの着差は立派。
次走OP戦を使ってくるようなら勝機アリと見る。

ダイメイザクラ
自己条件に戻ってくれば面白い存在。
着順ほど負けていない。


このコラムを書いた予想家

江戸川乱舞
走らない馬から決めていく独自の的中方法“逆走競馬予想”であたり馬を引き当てる、競馬スピリッツ専属の予想家「江戸川乱舞」。
過去の傾向なども加味した総合的な見解と、いち競馬ファンとしての純粋な視点も忘れないロマン派予想家。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など

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11月16日(土) 東京11R
【五十嵐】獲得金:23,000円
【大五郎】獲得金:9,900円

合計:32,900円

11月30日(土)は中山11R ステイヤーズS(G2)
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