「ダービーはこの馬だけど、乗り役が・・・」
そう思った去年の菊花賞から1年。
その菊花賞の日に1頭の良血馬がデビューしました。
その良血馬のデビューは「鮮烈」の一言。
34.5秒で上がってくる新馬の中で、
1頭だけ規格外の33.5秒の衝撃の末脚を披露。
「これほんとにシンボリクリスエス産駒?」
「強い。こんなに切れるなんて・・・。」
「来年のダービー馬はこの馬か・・・(でも、騎手が・・・)」
エピファネイアの実力はこの時から完全にG1級。
黄菊賞でキズナが勝っても、
コディーノが重賞で2勝しても、
ロゴタイプが朝日杯を制しても・・・
「ダービーを勝つのはエピファネイア。」
そう信じて、馬券を買い続けました。
昨年末、出世レースとして名高い
ラジオNIKKEI杯で重賞を初めて勝った時は、
「やっぱり世代ナンバーワンだ!」
そう思って年を越していたいただけに、
弥生賞でビュイックが乗って
複勝圏内を外した時はほんとに悔しかったわけですが、
「やっぱり福永が乗ってこそのエピファネイア」
という思いを新たにして、迎えた皐月賞では若さを出して2着。
ロゴタイプにわずかに及びませんでした。
しかし 「ダービーを勝つために生まれてくる馬がいる。それはエピファネイア。」
と、初志貫徹を貫いて、
ロゴタイプ・コディーノは完全無視して、
エピファネイア‐キズナの1点で勝負したダービーでは
残念ながらキズナに勲章を譲る結果になってしまいました。
「今度こそ・・・」「ここしかない」
「エピファネイアはあのシーザリオの仔」
そんなデビューから1年間の軌跡を振り返り、
「ようやくG1を勝てる」
万感の思いで菊花賞のファンファーレを聞いていました。
レース序盤。
好スタートを利して、先手を取ったエピファネイアは
行きたがるそぶりを見せながらも、好位置をキープ。
実は、スピリッツに出していた予想は
この段階でハズレを確信していました。
(すいません)
ネコタイショウ、ナリタパイレーツは思ったほど行かないし、
エピファネイアが王道のポジショニング。
能力段違いの馬が、
ストレスフリーで競馬ができるわけですから、
エピファネイアが勝って当たり前の雰囲気だったわけです。
誰も競りかけにいかないし、
なんかゆったりレースは進んでるし・・・。
エピファネイアが勝ったことはうれしいのですが、
騎手同士の駆け引きや
思わぬ展開があるのが長距離レースの楽しみなのに、
ずっと逃げてたバンデが3着に残ってしまうとか、面白くない。
こういうこと言うとまた誤解する人がいるかもしれませんが、
「慶事の多いユーイチを勝たせようみたいな空気でもあったの?」
と、問い詰めたくなるような展開。
いろんなライバルたちの妨害や想定外の展開を跳ね除けて
「やっぱりエピファネイアが強い」ではなく、
「そりゃこんだけ走りやすけりゃ勝って当たり前」
みたいな感想しか出ないレースになってしまいました。
いや、それでも勝ったことは嬉しいんですけど、
今一つ、江戸川には物足りない感じの初のG1勝ち。
とにかくダービーには勝てなかったけれど、
「菊花賞馬・エピファネイア」として、
古馬との戦いに挑んでほしいと素直に思っております。
有馬記念でオルフェーヴルやキズナと対戦し、
来年は海外を目指してほしいと思います。
今年のダービーの馬スピ特報で
「このダービーは福永祐一とシーザリオの夢物語の最終章。
競馬はロマンだと改めて確認したい。 」
と、書いていましたが、
その夢物語の第2章が
この菊花賞制覇で幕を開けたといっていいでしょう。
ディープインパクト・オルフェーヴルといった
歴史的名馬にはかなわないかもしれない。
それでもいい。
「Japanese superstar Cesario!!」
と、アメリカの競馬ファンを熱狂させた母・シーザリオに
いろんな想いを馳せた夢の続きが見れるなら。
だらだらした前残りの菊花賞のことで
野暮なことを言うのはやめようと思う、江戸川なのでした。
・ナリタパイレーツ
もう少し成長が必要。
長距離戦線では面白い1頭に成長するはず。
・フルーキー
位置取りが後ろ過ぎた印象。
距離短縮で改めて。