2012-08-12 なでしこ、バレー、卓球・・・オリンピックの勢いここに。　関屋記念

４年に１度の夏季オリンピックが閉幕する。
連日のメダルラッシュに沸き上がった日本列島。
04年のアテネオリンピックと並び史上最多の獲得数。（12日夕方現在）

中でも女性アスリートの活躍が目立ったオリンピック。

サッカー、バレー、卓球などなど
「史上初」や「何十年ぶり」という快挙が目立った。
時差の関係で深夜〜明け方にかけて熱戦が繰り広げられたが、
国民の多くが声援を送った。
日本中が熱くなったオリンピックだったのではないだろうか。

閉会式も行われる今日、
夏競馬の名物レース関屋記念が新潟競馬場で開催された。

「夏は牝馬」という格言は有名だが、
このレースだけは「特別」で牝馬は毎年劣勢に立たされていた。

過去10年で牝馬の勝ち馬は１頭。
連対率は実に５％という惨憺たる数字で、いくら有力馬に牝馬が並んだとは言え、
絶対的な信頼感には足りない印象だった方も多いのではないか。

有力だったトライアンフマーチやミッキードリームの回避で、
ドナウブルーが押し出される形の１番人気となった。
２番人気や３番人気にはエアラフォンやシルクアーネストなどの牡馬が並んだ。
有力馬の回避がなければ今年も牡馬が優勢のまま迎えていた関屋記念だったはずだ。

しかし勝ったのはドナウブルー。
強い競馬だった。

しかも2001年にマグナーテンがマークしたタイムを上回るレコード勝ち。
安田記念では有力牡馬に敵わなかったが、
このクラスの重賞戦線でようやく立ち回れる程度の牡馬には
負けなかったということだろう。

それに２着になったのもエーシンリターンズで牝馬。
最後までドナウブルーを苦しめたことは間違いない。
最後にようやくドナウブルーが差し切ったが、エーシンリターンズは終始、
ドナウブルーを見ながらの競馬。
勝ちに等しい内容ではないかと思う。

また、３着に滑り込んだのは８番人気のスピリタス。
週初めの段階ではマイネイサベルやエアラフォンよりも低い出走順位。
最後の出走枠に滑り込んだ勢いそのままに３着を確保。
こちらも最後までよく喰らいついたと思う。

そして４着に惜しくも賞金加算とはならなかったマイネイサベル。
松岡騎手が好調だっただけに残念な結果になってしまった。

データ上は牡馬が圧倒的に有利な関屋記念だが、
３着にようやく「ワケあり」牡馬（スピリタスはセン馬）が入着で、
下馬評通りの牝馬優勢は着順にも顕著に現れた格好となった。

しかし５着ゴールスキー・６着スマイルジャックは着順ほど負けていない印象がある。
前が止まりにくい馬場であったし、後ろから行く馬には厳しい内容だったが、
それでいて最後までしっかりと伸びていた。

素質馬と見られていたゴールスキーは一時期低迷していたが完全に復調してきた。
この夏から秋にかけてようやく念願の重賞に手が届きそうな気配。
次は本格的に狙っていい。

それにスマイルジャックも７歳という年齢を感じさせない走り。
Ｇ１では足りない、ハンデ重賞では斤量が重くなりがち、
別定戦は斤量を背負わざるを得ないという三重苦ではあるが、
このくらいのレベルなら恥しい競馬は出来ないと言う事だろう。

近走は思うような成績が残せずに苦しんでいる
ゴールスキー・スマイルジャックの両馬だがこのくらいのメンバーの中に入れば
仕掛けのタイミング一つで勝ちまであることは
両馬の上がり３Ｆ32.4秒が物語っている。

しかしながら、２番人気のエアラフォンは
レース途中から完全に存在感が無くなったと思っていたら、最下位入線。

表面上見える「上がり３Ｆ33.8秒」は優秀だが、最後の直線はズルズル後退。
他の馬が軒並み３Ｆを33秒前半から32秒台で上がる競馬となっは厳しいか。
位置どりや仕掛けのタイミングも悪くないように思えたが不可解な敗戦となってしまった。
このような負け方をするような馬ではないと思うのだが・・・。

しかし「夏は牝馬」とよく言ったもので、
今年の関屋記念は過去に例を見ないほど、女性陣の活躍が目立った。

マイネイサベルは次走・どこを使ってくるかにもよるが、
次は着実に賞金加算を狙ってくるはず。
「勝ちに来た」今回の上積みは期待できないが、
下手なオープンクラスの馬になら負けるはずがない。
次も期待出来る。

ドナウブルーは秋に向けて収穫の多いレースとなったのは間違いないだろう。
遅咲きの素質が完全開花した。

妹・ジェンティルドンナは秋、史上４頭目の牝馬三冠を狙う。
秋以降の牝馬路線で活躍が期待される大本命だ。
それに対して、ようやく姉のドナウブルーも混戦の牝馬路線の中で存在感を示し始めた。
優秀な姉妹にとって楽しみな秋になる。

ドナウブルーが最優秀４歳以上牝馬、
ジェンティルドンナが最優秀３歳牝馬を獲得すれば、
姉妹揃っての史上初のＪＲＡ賞受賞となることは間違いない。

不滅の大記録へ、ドナウブルーの挑戦が始まる。

江戸川乱舞　今後の注目馬

・ゴールスキー
着差ほどの負けでは無い。
次は着実に勝ちに来るはず。
見限るには早い。

・ネオサクセス
上がり３Ｆは32.5秒と優秀。
展開向けば一発ある。
要注意で。