宝塚記念は、有馬記念と並ぶ半期に一度、
スターホースが集まるドリームレース。
「あなたの、そして私の夢が走っています」という
杉本清アナウンサーの名実況は非常に有名ですが、
私の夢(=ルーラーシップ)は、惜しくも2着。
勝ち馬には及びませんでした。
このレースの勝ち馬の名はオルフェーヴル。
兄、ドリームジャーニーに続いての兄弟制覇となった。
記憶が正しければ兄弟制覇は宝塚記念史上初。
当然、有馬記念、宝塚記念の両グランプリを兄弟制覇したのも史上初。
ご存じのようにオルフェーヴルの前評判は、
三冠を制しハイレベルな現五歳世代を抑え込んだ
年度代表馬とは思えない状態だった。
阪神大賞典での伝説の大逸走から、
再審査を受けての天皇賞11着の惨敗。
昨年末に取り沙汰された海外遠征は一気にトーンダウンした。
更にデキは「7割」。
調教師が口にしたのは負けた時の言い訳かと疑ってしまうほどの言葉。
ファンの間でも、
各媒体から伝わってくるオルフェーヴルの姿に
「迫力がない」「目に力がない」など否定的な意見が多かった。
私自身も、そう見えた。
しかし、単勝人気は3.2倍。
多くのファンがオルフェーヴルの勝利を信じた。
前年の三冠馬の雄姿を見たいと言う「期待」ではなく、
「願望」に近い感情がファンの間にもあったのかもしれない。
出負けしたものの、
推して押してネコパンチが宣言通りレースを引っ張る展開。
(この馬もファンの期待に応えた馬だ)
速いペースで、ネコパンチが逃げる。
各馬思い思いの位置で、抜け出すタイミングを計っているように見えたが、
速いペースでネコパンチが逃げる。
例年通りの乱ペースだがそれに惑わされることなく、
勝負どころまで我慢を貫いていたのが、
オルフェーヴルとショウナンマイティに見えた。
結果的に、最終コーナーで全体が外目に流れていく中、
オルフェーヴルとショウナンマイティは内目をついた。
この池添・浜中両ジョッキーの判断は非常に素晴らしかった。
開催4週目、もっと外が伸びていても良いはずだが、
掲示板を独占したのはコースロスを抑え、インをついた馬ばかりだ。
この騎手の判断は勝敗や着順に大きく左右したように思う。
明らかに2200mにしては厳しい流れ。グランプリ独特の雰囲気。
それを証明するかのような、
各ジョッキーが談話で語った「思ったより伸びなかった」という声。
この乱ペースを我慢し、勝負どころでインをつき、
鮮やかに直線抜け出したオルフェーヴル。
「勝つべくして勝った」と言うに相応しい内容。
チャンピオンホースとして臥薪嘗胆した3ヶ月。
悔しい想いが報われたレース内容だった。
江戸川乱舞 今後の注目馬
・ショウナンマイティ
上がり3Fはオルフェーヴルに次いで2位。
気性も落ち着いてきて、ひと夏越えてのG1戦線では活躍必至。
・マウントシャスタ
斤量が5キロ差があったとはいえ、乱ペースを走りぬいての5着は非常に優秀。
秋のクラシック戦線も楽しみ。