2012-07-29 プラス体重も問題なし。秋の女王へ飛躍の夏。　クイーンＳ

クイーンＳは競馬スピリッツの取材で
ありがたいことに現地から観戦することが出来た。

場内にクイーンＳの出走馬馬体重が発表された瞬間、どよめきが起こった。
ハイレベルな春のクラシックで世代上位評価のアイムユアーズの馬体重が
プラス24キロと発表されたからだ。
ミッドサマーフェアも万全な動きでは無さそうだったのもあり、
アイムユアーズへの期待は大きかった。

しかし勝ったのはアイムユアーズ。
秋の女王へ向け一歩前進した。

まずこのレースの分析をするにあたって、
確認しておかなければならないことがある。

結果論と言われてしまえばそれまでだが、三歳勢が１着と３着。
五歳が２着。
今回のクイーンＳの馬券的中が叶わなかった方の敗因は
割とはっきりしていると思う。

それは「過大すぎた三歳勢の評価と過小すぎた古馬勢の評価」ではないだろうか？

アイムユアーズは春のクラシックで大活躍した。
オークスの走りを見ても1800ｍは適距離。
ファルブラヴ産駒だから洋芝も合うはず…
という評価も納得するに足りる要素があるし、
ミッドサマーフェアに関しても、フローラＳの勝ち方は強かったし、
負担重量が51キロなら圧勝するかも…という期待を込めたのもわかる。

これが過大に評価され過ぎてしまい、
「三歳勢と人気のある古馬で決まる」という考えになった方も多いだろう。

だが逆に、フミノイマージンは57キロの負担重量だから、消し。
コスモネモシンは1800ｍ強いけど、柴田大知が札幌初めてだから消し。
と、古馬勢を消去法で削除していき、ここくらいまでは良かったが
ラブフールに関しては消している人が多かったのでは無いだろうか。
オールザットジャズ２番人気を見て正直な話、私はそう感じてしまった。

要注意すべき存在であるが、本当に信頼が置けるのか最も怪しい馬だったのではないか。
春は充実した結果を見せてはいたものの、勝った飛鳥Ｓは全出走馬中、最軽量。
中山牝馬Ｓはハンデ差を活かしての２着。
勝った福島牝馬Ｓは上手く乗ったが、
決して高いレベルのレースとは言いづらいのは明白だし、
「重賞ではちょっと足んない」丹内騎手で２着に来たコスモネモシンには
かなりいい脚で詰め寄られていた。
ヴィクトリアマイルでは２番人気になりながらも大敗を喫しているし、
今回の札幌は初の洋芝。
注意すべき存在であることは間違いないが、２番人気は過剰すぎなように思えた。

逆にオールザットジャズ以上に買えた古馬は実際に多く存在する。

レインボーダリアは結局３番人気で落ち着いたが、
勢いと洋芝適性は認められても重賞制覇が無いだけで評価を下げてしまった感じもある。
次はどこを使うか現段階では不明だが、
もう一戦北海道滞在中で戦えるレースがあるのかが気になるところだ。
想像以上に洋芝適性は高いと見た。
問題は丹頂Ｓくらいしか使えそうなレースが無いことだろうか。

しかし、２着になったラブフールは
夏の北海道シリーズで勝ち鞍もあるし、末脚は確実。
重賞でも力のあるところを見せてきていたのに、なぜか評価が低かった。
その理由は前走の影響だろう。
２番人気ながら直線では不可解な失速で８着。
しかもそのレースの勝ち馬が今回も出走しているとなれば、
評価が低くならざるを得ないのは仕方ない部分もあるだろう。

見るべきポイントを見誤ってしまい、
今回残念ながら不的中になってしまった方も多いのではないだろうか。
よくよく見れば不可解な１０番人気であったが為に、
「買えなかった」という人も多そうだが、
買えた人は「大外が気になる」くらいしか評価を下げるポイントが見つからなかった方も多そうな馬。
競馬が上手くなりたいと思う人にはいいレースだったかもしれない。

いずれにしても、
アイムユアーズは「打倒！ジェンティルドンナ」
の旗頭になったことは明白で、秋華賞の有力候補だろう。
2000ｍは長くはないはずだ。
秋華賞のみならずエリザベス女王杯までもが視野に入ったのではないか。
楽しみである。

逆に心配なのがミッドサマーフェア。
今回使った影響が気になる。
秋まで休んで、ローズＳか紫苑Ｓあたりかと思っていたが、今回使ってきた。
５１キロでこれだけの走りをしたのだから、
秋にはよほど体調が良くならない限りは秋華賞では軽視していい存在だろう。

ラブフールは今回、最も強い競馬をした馬。
大きい舞台よりは小回りの方が適性が高そうだし、
エリザベス女王杯でも面白い存在だと思う。
ただ、個人的には思い切ってオールカマーでも見てみたい存在。
同厩にはショウナンマイティもいるが、ぶつけてみても面白いかもしれない。

江戸川乱舞　今後の注目馬

・ラブフール
昨年のフミノイマージンやイタリアンレッドのような存在になるだろう。
ようやく本格化してきたと見ていい。

・エリンコート
復調の兆しが見える。引退前までに一度大穴をあけそうな勢い。
要注意な存在だと思う。