「春にも中距離G1を創設せよ!」
そんな声の高鳴りも競馬ファンからちらほら聞こえてくる昨今。
たしかに無理もないかもしれません。
有馬記念が終わってからは半年後の宝塚記念まで
1800m-2400mの古馬G1はJRAの番組表では皆無ですし、
春の天皇賞を目指せない中距離馬達は、
ドバイ、香港、シンガポールなどの中距離G1を目指して遠征します。
日経賞、阪神大賞典、産経大阪杯などは
G2としては伝統も格もあり、レーティング的にもG1として
恥じるべきものはないのではないかという思いさえ私の中にあります。
それゆえにフェブラリーSと高松宮記念の間に
2000m前後の中距離G1を創設して春の中距離王を決めるという
主旨のレースはあっても面白そうです。
それに今年の出走メンバーを見れば当然、
そういった声もよけいに高鳴りそうな勢いです。
まずは何と言っても、凱旋門賞2着馬。
日本競馬史上屈指の名馬となったオルフェーヴル。
昨年のジャパンカップでは牝馬三冠のジェンティルドンナに
足をすくわれる格好になってしまいましたが、
末脚の爆発力、スケールなどを考慮しても、
圧倒的な人気を集めることに間違いはなさそうですし、
池添騎手自身も凱旋門賞に乗りたいと考えるなら、
その内容も問われることになるので、最大限の努力をしてくるでしょう。
また、
そのオルフェーヴルに勝ったジェンティルドンナを物差しにすると、
無視できないのがヴィルシーナでしょう。
昨年の牝馬三冠レースやローズSの内容を考えても、
ジェンティルドンナに詰め寄った勢いを考えれば、
ここでも好走は必至と考えるべきでしょう。
今回背負うオルフェーヴル(58キロ)とヴィルシーナ(54キロ)の
斤量差はジャパンカップの時と同じ斤量差。
ヴィルシーナはこの後、ヴィクトリアマイルへ向かうと思われますが、
そのステップレースに牡馬との対戦を選んだのは陣営の自信の現れでしょう。
「牝馬」が理由で人気を落とすようなら、
これはオイシイ馬になりそうな予感。
オッズの推移は要注意です。
また、個人的にはオルフェーヴルの存在で影が薄くなった
「10年クラシック世代」には最度注目し直したいところです。
オルフェーヴルの出現でその存在感も薄れましたが、
ヴィクトワールピサ、ダノンシャンティ、ルーラーシップらを擁し、
今回もエイシンフラッシュ・ダークシャドウ・ローズキングダムと、
豪華なメンバーが揃いました。
中でも、エイシンフラッシュは10年のダービー馬で、
昨年も天皇賞秋に劇的な勝利を上げ、
乗り役のM・デムーロ騎手が観覧にいらっしゃった天皇陛下に
最敬礼を行った事も、競馬史上に残る名場面として記憶された方も多い筈。
エイシンフラッシュをパドックで見る度に思わず本命にしてしまい、
何度も痛い目を見た方も多いとは思いますが、
有馬記念でも三浦騎手が跨って4着。
今回はM・デムーロ騎手の弟でC・デムーロ騎手ですが、
エイシンフラッシュの乗り方を伝授されていると仮定するならば、
一番侮れない存在でしょう。
それ以上に私が注目しているのは、
話題のトップジョッキーが跨る
ダークシャドウです。
昨年は古馬三冠に全て違う騎手で挑んで4着・4着・6着。
実力はトップクラスを維持していますし、
戸崎騎手を確保した堀調教師の思惑を考えても、
ここは好勝負必至でしょう。
距離適性や右回りがどうかなど・・・懸念はありましたが、
ジャパンカップや有馬記念はM・デムーロ騎手とムーア騎手の剛腕で
むりやり突っ込んできたと考えても、脚質に幅がでてきたこと、
古馬になっていい意味でズブさが出てきた事などを考えても、
現状なら右回りの2000mも問題ないと考えます。
実力はトップクラスを維持していますし、
2年前にはレコードとなったタイムで
ヒルノダムールをハナ差まで追い込んでいます。
外国人騎手の次に徴用している戸崎騎手を確保した
堀調教師の思惑を考えても、ここは好勝負必至でしょう。
逆に不安なのはショウナンマイティです。
昨年、宝塚記念は超一流どころを相手に3着と健闘していますが、
長期休養明けとはいえ、レース中に引っかかり
京都記念でトーセンラー・ベールドインパクトらに食い下がったとはいえ、
明らかに不満足な結果です。
今回はその部分を立てなおせているかが心配です。
過信は禁物だと思います。
今回のレースは実質5頭立て。
私のブログでは穴馬としてトウカイパラダイスを考えましたが、
取り捨てでなやむのはこの1頭だけかなと思います。
G1にも負けない屈指の名勝負を期待したいものです。