今年で第12回を迎えるアイビスサマーダッシュ。
夏の新潟競馬名物というよりも代名詞として
すっかり定着した感のある新潟直線1000m。
人気通りに決まる事はなかなか考えづらく、
「スタートの上手さ」「直線競馬への適性」
「騎手の直線競馬への対応力」など、
なかなか素人目には分かりづらい部分が
予想の大半を占める事になる点において、
的中への難易度は相当高いと読み取らなければならない。
私自身も現地で観戦していたが、
先週の新潟開催で行われた直線レースは2レース。
土曜日は18頭立てで14番(7枠と)と5番(3枠)が
日曜日は同じ18頭立てで6番(3枠)と11番(6枠)が連対している。
次週は新潟開催2週目。
「極端に内枠が有利・外枠が有利」という思考は
捨ててもいいのではないかと考えられる。
素直に人馬の「直線競馬への適性」を追求するのが
的中への上策と言うような気がしてならない。
狙っていた馬が軒並み、
除外対象となっているのが悩みの種だが
何頭か気になる馬をピックアップしていきたい。
まず人気になるであろう昨年の覇者・エーシンヴァーゴウ。
直線競馬への適性は高く、スプリンターズSでも
カレンチャンの3着になっている程なのでスピードもある。
ドバイのアルクオーツスプリントは
残念ながら12着となってしまったものの、
今年のアイビスサマーダッシュは昨年と比べても
出走メンバーのレベルはそんなに変わらないと見ていいだろう。
ドバイ遠征後、しっかり休養も取れているので、連覇への期待値は高い。
また、前走で古馬を一蹴した
ビウイッチアスは今回も注目だろう。
斤量は前走よりも1キロ増えるが他の有力馬と比べても、
軽い斤量で走れるのは魅力。
エーシンヴァーゴウとは斤量差は4キロ。
単純計算で4馬身の差はスプリント戦としては圧倒的に有利だろう。
「夏は牝馬」「格より調子」の格言を当てはめれば
レース当日の1番人気はビウイッチアスかもしれない。
同じ「夏は牝馬」「格より調子」の格言を当てはめるなら
オウケンサクラも忘れてはいけないだろう。
2010年の桜花賞2着以来低迷していたが、
近走は短距離に路線変更して復調気配。
勝ちきれないがスタートは下手では無いので、
ハマれば圧勝まであると見ていいだろう。
直線競馬の上手い北村宏司騎手と言うのも心強い。
再びオープンに返り咲いた夏女・ジュエルオブナイルも
小倉2歳S以来の重賞勝ちを狙う。
前走のテレビユー福島賞はいい内容で勝ち切ることが出来た。
平坦小回りは
ジュエルオブナイルの得意とするところだが、今回は小回りがない。
この馬にとって一番大きな注文がつくとすれば
「直線競馬への適性」だけだろう。
有力馬で直線競馬への適性で疑問符がつくのが数頭いる。
そんな中でも特にエーシンダックマンが気になる。
確かにスピードや根性比べとなれば
この馬が全出走馬の中でも「ピカイチ」だろう。
デビューして以降、一度も「ハナを譲っていない」という
抜群のスプリントセンスは今回のアイビスサマーダッシュでも見ものだ。
しかし難点があるとすれば「コーナーが無い」と言う事実を
馬がどう受け止めるかということだ。
彼が今まで走ってきた競馬は
全てスタートしてからすぐにコーナーがやってくる。
「コーナーを走りきる頃にスパートすればいい、
それが競馬」と思っていたとすれば、
直線競馬はエーシンダックマンにとって
戸惑いの方が大きいのではないかと思う。
競馬に集中出来るかどうかが
今回のレースの最大のポイントとなるだろう。
絶好調な蛯名騎手がどう乗るかが注目だ。
パドトロワも直線競馬への適性が問われることだろう。
直線競馬も走った事がない。
テンの速さには定評があるが、
直線競馬の経験の有無が勝敗を大きく左右するだけに
今回は割引材料がある事を念頭に入れておく必要があると思う。
「直線競馬への適性」
「夏は格より調子に当てはまる馬」がいる。
私の注目馬は・・・
「適性」「騎手」「調子」の三拍子揃った
アフォードを狙ってみたい。
新潟の直線レースは全て馬券圏内。
直線競馬の適性も上位。
仕掛けてからの瞬発力もあり、
今回の1番人気はエーシンヴァーゴウや
ビウイッチアスに譲るであろうが、
当初からこのアイビスサマーダッシュを目標にしてきただけに
ここは馬券的に捨てられない。
切れない1頭である事に違いは無い。
また村田騎手は直線競馬の代名詞と言ってもいいくらいの上手さ。
村田騎手は2007年以来の、アフォードは初の重賞制覇がかかる。
また、スプラッシュエンドも面白い存在だろう。
2月以来の出走となるが、直線競馬は1度走って3着。
前に行きたがる馬が多い中、
末脚確実な存在は馬券的妙味があり、予想を面白くするはず。
後ろから行くであろう馬を狙ってもいい。
ナイアードも面白い存在だ。直線競馬は3戦1勝。
前走は約半年ぶりの出走で逃げバテて11着と大敗したが、
今回は上積みが見込める分、面白い存在である事は間違いない。
それに直線競馬の実績と言えば、
シャウトラインも忘れてはいけない存在。
もともと夏場には強いタイプで、昨年は4着。
マークがより薄い今年こそ穴をあけるチャンスかもしれない。
また初の直線競馬になるが、
ハクサンムーンは面白い存在だろう。
血統的にも短い距離は向いているし、
何よりも斤量53キロは魅力。
前走が54キロを背負っての強い内容。
今回は相手強化となるが、気性的にも直線競馬は向いていそうだし、
人気を吸ってくれると、配当的な楽しみも増える。
注目しておいた方がいい存在だろう。
また出走には厳しい位置にいるが
ラルティスタ(現在、除外対象)が出てくれば面白い。
直線競馬で2勝を上げているし、末脚も確実なので、
前が早くなりそうな今回は出番があると思ったが、
出られなければ意味がない。
直線競馬は適性が一番重要。
適性があり、狙っていた馬が軒並み除外対象というのは
「ツキがない」と諦めるしかないが、
今年は「怪しい人気馬」が多いのが、アイビスサマーダッシュの特徴だ。
それを念頭において、
馬券を狙うのが今年の楽しみ方だろう。