2016-05-10 都合よく考えたいレース-ヴィクトリアマイル-

「今週はメジャーエンブレムが勝って、
来週はミッキークイーンが勝つ」

江戸川さんの馬友の中で
こんな事を言っている人間がいる。

実際、先週のNHKマイルカップは
メジャーエンブレムが勝って、
この馬友は馬券もゲット。

非常に上機嫌だった。

で、今週も彼の言葉を信じれば、
ミッキークイーンがヴィクトリアマイルを勝つことになる。

うーん。

別に馬友に対して
アンチテーゼを提示しているわけではないけれど、
ミッキークイーンにはマイルは少し短いんでは無いだろうか。

もちろん地力の高さは認めるし、
去年の秋華賞の内容を見ていたら、
馬券を買いたくなる衝動に襲われる。

しかし、ミッキークイーンに不安要素が無いわけではない。

これまでの追い込みスタイルから一転して、
逃げるスタイルに変貌を遂げたスマートレイアーが今回の目標。
しかも乗り役は逃がしたら怖い武さん。

いかにミッキークイーンの能力が高くても、
怪我から復帰したばかりの浜中騎手が
抜群のタイミングで馬群を捌いてこなければならない。

そのあたりの勝負勘も戻ってきていなければ、
ミッキークイーンにとってマイナス材料と言わざるを得ない。

下手したら、先週のロードクエストの
二の舞いにならないとも限らない。

僅かに差し届かないというパターンだ。

しかもこれまでヴィクトリアマイルを勝った馬で、
最も軽かったのはブエナビスタの448キロ。

アパパネやウオッカへの490キロ台をはじめとして、
最低でも450キロの馬格は欲しいところだ。

ミッキークイーンはこれまでの最高体重は444キロ。
前走の阪神牝馬Sが432キロだから、少々心許ない。

牝馬限定とはいえ、G1はG1。
ある程度馬格がなければ、
消耗の激しさに耐えられず、
厳しい競馬を強いられるのではないだろうか。

少々、割り引いてミッキークイーンの事を考えたい。

逆に頼りになりそうなのが、
ショウナンパンドラ。

こちらも1600の実績は乏しいが、
この春惜しい競馬が続いている池添騎手が騎乗。

「ユタカさんのそばに居れば間違いないやろ」的な
ポジショニング(?)で
カレンミロティックで穴を開けたのは記憶に新しい(笑)

もし仮にスマートレイアーが絶妙なペースで逃げて、
それに追随するのが池添騎手だったら、
それこそ天皇賞・春の再現もありそうだ。

実際、今年は末脚に賭けるタイプが多く、
スマートレイアーは確かに展開に恵まれる可能性が高く、
G1を制覇するにはまたと無いチャンスかもしれない。

じゃあ、また武さんが勝つのか・・・

そこまで簡単な話でもないと思うけれど、
人気のある馬以外で狙いたい馬がいるとすれば、
それは関東馬マジックタイム。

ボウマンさんが乗るサンデーRのお馬さんだ。

すっかり日本の競馬に馴染んでしまって、
武さんの楽逃げを許してしまいそうな
デムーロ&ルメール騎手よりも

1円でも多く稼いで帰りたい短期免許の外国人では、
与えられたチャンスに応えたいという気持ちが違うはず。

楽に逃げる武さんを池添騎手と共に追走して、
ゴール前でスマートレイアーを交わし、
ゴール前ギリギリのところでミッキークイーンを凌ぐ…。

なかなか難しい要求をしているようにも思えるが、
ダービー卿チャレンジトロフィーで
ハンデがあったとはいえ、
牡馬を一蹴した内容は評価したい。

成長力のあるハーツクライ産駒という要素に加えて、
東京コースも<2.3.0.4>と実績もある。

先週のボウマンさんは土日12鞍騎乗して3勝。

G1では全くイイトコなしだったけれど、
穴馬もキッチリ勝たせているし、
数を乗り、いくらかの経験を積めば
タイトル奪取も無理な話ではなさそうだ。

スマートレイアーの逃げに期待しつつ、
ミッキークイーンの追撃を交わしてもらって、

あわよくば、
マジックタイム・ショウナンパンドラあたりで
決着してくれると非常に都合がいいと
今のところ考えております。