英国のエリザベス女王の即位60周年の記念として、
「ダイヤモンドジュビリー」という名称まで
特別使用許可を頂いた本当に特別なレースとなった今年のエリザベス女王杯。
天皇賞ではイタリアの騎士・デムーロが大活躍。
今度は英国王室からわざわざ親書まで賜っております。
日本の侍の奮起にも期待したいと思います。
まず人気を集めるのは、ジェンティルドンナに泣かされ続けたヴィルシーナでしょう。
ご存じのように牝馬三冠は全てジェンティルドンナの2着。
ジェンティルがいなければ牝馬三冠は彼女のモノでしたから、
例年のエリザベス女王杯と比べて即位60年の「格」がついた今回は
手に入れなければならないタイトルでしょう。
内田騎手もダービーを制した相棒のエイシンフラッシュを、
デムーロ騎手に復活させられて思うところがあったはず。
牝馬三冠を戦い抜いたヴィルシーナでタイトルも欲しい筈です。
それにヴィルシーナの父:ディープインパクトの曽祖母であるハイクレアは
エリザベス女王の所有馬でフランスオークスを勝った名牝。
現代競馬最大の擁護者でオーナーブリーダーであるエリザベス女王の
即位60年の年に「ダイヤモンドジュビリー」を下賜した極東のG1で
愛馬の血を引く馬の勝った報告を聞く満足そうな女王陛下の姿が目に浮かびます。
そしてこちらも同じく「王室」ゆかりの血統のピクシープリンセス
にも注目したいところです。
まだ準OPクラスの馬ですが、
こちらも「今年のエリ女」には相応しい馬だと思います。
英国王室ゆかりの血統・ディープインパクトの血を引く同馬ですが、
もう一つの注目は馬主が「アラブの王室」のシェイク・モハメド殿下という点です。
モハメド殿下も世界中で馬を走らせる巨大オーナーブリーダーですが、
日本でG1勝ちの栄誉はまだありません。
格のついた「今年のエリ女」で勝てばかなりドラマチックです。
来年からストリートセンスの併用を決めたことからも、
アラブの殿下は日本競馬制圧に本腰を入れ始めたと見るべきでしょう。
まだ4歳牝馬ですが、まだ8戦しか経験しておらず、
京都の芝2400mの前走で、リベルタスやエーシングングンなどの
個性的な実力馬に4馬身差で勝っているところも見逃せません。
高配当を狙うには是非とも抑えておきたい馬です。
しかし、エリザベス女王杯に最も「縁」があるのは
ホエールキャプチャでしょう。
曾祖母はエリザベス女王杯勝ちのタレンティドガール。
あのマックスビューティの牝馬三冠を阻止した馬で、
彼女のボトムラインは日本の名門血統であるビューチフルドリーマー系。
ビューチフルドリーマーはイギリス産の繁殖牝馬で、
1908年に日本の小岩井農場が輸入した基礎輸入繁殖牝馬。
100年かけて日本に根付いた名門牝系出身の彼女が勝つなら、
日本競馬の面目を保ったと言えます。
そしてこちらも小岩井農場基礎繁殖牝馬プロポンチスの血を抱える
マイネイサベルもマイルCSではなく、エリザベス女王杯に出走します。
おそらくコスモセンサーがいるので、こちらに振り分けられたのでしょう。
完全なサウスポーなので、右回りの京都では出番がないかも知れませんが、
距離が持てば、能力が高いので恐い1頭です。
それに京都の適性で言えば、大逃げで大波乱が起こりうる外回り2200m。
09年エリザベス女王杯で逃げ切ったクィーンスプマンテのような
大波乱を起こしうる存在の馬として要注目なのが・・・
先手を打つスマートシルエットでしょう。
持ち前の先行力で逃げを打ち、そのまま行ってしまう可能性があります。
しかし、今年は自在性の高い先行馬も多く、
簡単に岩田騎手の楽逃げを許す展開にはならないでしょう。
逃げ切るにはトップジョッキーでは無く、
地味なジョッキーの方が逃げ切りを決めやすいモノです。
だからこそ、本当に注目したいのは最強古馬牝馬フミノイマージン。
ようやく太宰騎手とのコンビをG1で見ることが出来ます。
本当なら春にヴィクトリアマイルを勝って、
最優秀古馬牝馬になっていてもおかしくない存在の彼女。
前走の京都大賞典もオウケンブルースリが斜行気味に走っていて、
接触する懸念があったので最後までしっかり追えなかったのも大きいので、
このメンバーばら心配する必要はありません。
安心して買う事が出来ます。
ヴィルシーナが人気になるなら尚更、オイシイ存在です。
また、単純に穴ならレインボーダリアが面白いです。
タフなレースは得意にしているタイプですし、
早くからここを目標にしているので、恐い1頭です。
末脚もいいモノを持っていますから、
スイープトウショウのような追い込み脚が見えるかも知れません。
またエリンコートも馬の名前の意味からは要注意かも知れません。
「アイルランドの宮廷」を意味するエリンコートですが、
アイルランドは立憲共和制国家で、厳密に言うと、「王」はいませんが、
「エリン」は立憲君主制だった古いアイルランドを差す言葉で
その頃に戴いていたのは「イギリス王室」。
もしかすると・・・。
ただ、一般的には反英感情の強い地域でもあるので、
要注意な馬名でもありますが、
イギリス競馬を陰で支えるアイルランドに敬意を表すなら、
母系に「エリン」が入ったオークス馬・エリンコートの復活はある意味、
大きなロマンがあるかもしれません。
いずれにせよ、英国のエリザベス女王の即位60周年の記念。
「ダイヤモンドジュビリー」という名称までついたことで、
より一層、国際色の強くなったエリザベス女王杯。
エリザベス女王杯が国際レースだったことを思い出させてくれた
英国からの「女007」スノーフェアリーの参戦は今年はありませんが、
どんな馬が勝っても、最高の式典競走になりそうです。