キーンランドCは今年で7回目。
札幌競馬場で行われる重賞ということで、
他の競馬場とは異なる適性(洋芝への適性)が求められるが、
スプリント戦なので加味する程度の材料にとどめていいだろう。
今回は出走各馬にチャンスがあり、人気が分散することを考慮すれば、
有力馬同士の決着であったとしても
思わぬ好配当に巡り合うことが出来るかもしれない。
当日まであらゆる可能性を模索しながら、
馬券購入することをおすすめする事になる難解なレースと言えるだろう。
注目はそろそろビッグタイトルの欲しいダッシャーゴーゴーが良いだろう。
スプリント重賞は3勝。
前走のCBC賞では休養明けでトップハンデ59キロと厳しい条件であったが
勝ち馬との差は0.2秒の3着に入って地力の高さを見せつけた。
馬場が渋ったのもこの馬にとってはマイナスに作用してしまった向きもあるが、
ダート戦での好績もあることから、初の洋芝もそこまで気にすることも無いだろう。
次に注目なのはパドトロワ。
直線で行われるアイビスSDを安藤騎手の見事な判断で圧勝した。
今後はスプリンターズSを目指す模様で、
アイビスSD(G3)より格上のセントウルS(G2)ではなく、
今週のキーンランドCを使ってきたあたり、必勝態勢と言えるだろう。
パドトロワが勝ったそのアイビスSDで1番人気を背負いながら、
10着と惨敗したビウイッチアスも雪辱戦になる。
直線競馬で人気になりながら惨敗。
そしてその次のレースで人気落ちしながらも、きっちり巻き返した例と言えば、
2010年の北九州記念馬・メリッサを思い出すが、ビウイッチアスも同じような経路をたどりそうだ。
スピードには定評があるし、クイーンSを快勝したアイムユアーズにも肉薄している。
斤量の51キロは今回も恵まれた状態。
力は出せる状況にある。
また前走の函館スプリントSで
ロードカナロアを破ったドリームバレンチノも要注意だろう。
好枠を利して、ロードカナロアを封じ込めたあたり、松山騎手の好判断であったが、
今回は三浦騎手で想定されているようだ。
テン乗りということで、割引が必要か。
ただ、三浦騎手は北海道シリーズで絶好調。
そろそろ重賞タイトルも欲しい所だけに今回は力が入る1戦だ。
それに重賞タイトルが欲しいのはテイエムオオタカも同様だろう。
何度か対戦経験もあるスギノエンデバーが北九州記念を制覇した。
ファルコンSではヘニーハウンド・スギノエンデバーと接戦を演じた1頭。
洋芝とは相性も良く、「北海道男・藤田」騎手が乗るのも心強い。
おそらく穴党に最も支持される存在なのは間違いないし、
競りかけてくるのもパドトロワくらいだろう。
昨年はカレンチャンが前目からしぶとく残って優勝した同レース。
ここを勝って「打倒!カレンチャン」の狼煙を上げたい馬が多いが
その中でも最も注目したい馬が存在する。
おそらく上記の数頭が人気を集めるので、
これからピックアップする馬には注目してみてほしい。
そのヒントは、夏競馬にある。
夏競馬と言えば、誰しも聞いた事があるフレーズだろうし、
競馬スピリッツでも毎週のように記者の方が取り上げている
「夏は牝馬」「格よりも調子」という2つの格言だ。
まず夏は牝馬ということで注目するのがグランプリエンゼルだ。
過去6回行われたレースで牝馬が連対しなかったのは08年と09年だけで、
その中でも牡馬が馬券圏内を独占したのは08年だけ。
他の年は全て牝馬が馬券圏内に入っており、
09年にはグランプリエンゼル自身も3歳馬ながら3着に入着している。
先行して押し切る力は無いが、時計のかかる馬場で後方からの競馬になれば、
チャンスが出てくる。
それにスプリングサンダーとて、侮れない1頭だろう。
1200から1400の短距離がベスト。
洋芝が初めてなのは課題だが、CBC賞で最後弾丸のように飛んできた。
そのCBC賞の時、私自身も競馬スピリッツ内のレース回顧で
スプリングサンダーは「決してそう遠くない将来、
重賞馬としてその名を連ねる事はほぼ確実だろう。」と書いている。
自分の言葉を信じるなら今回は重い印を打たざるを得ないだろう。
それに私が一番注目しているのは、シュプリームギフトだ。
芝・ダート・長距離とあらゆる分野でライバル種牡馬を圧倒してきた
日本が誇る偉大な種牡馬・サンデーサイレンスであるが、
彼自身が「1強」を誇れなかった分野があるとすればスプリント戦線ではないだろうか。
日本の今の馬産において
「サンデー越え」が期待出来るのはディープインパクトだけだろう。
無類のスピード・スタミナを誇った彼自身は
「ステイヤー」という評価が最も多かったが実際に、
初年度産駒でいきなりマイルG1馬を出した。
サンデーサイレンスでも成しえなかったスプリント戦線での覇権確立に向けて、期待がかかる。
シュプリームギフトはその足掛かりとなるだろう。
前走のUHB賞では51キロと恵まれたハンデが利いたが、7月から既に3戦。
キーンランドCで4戦目となるが、
函館や札幌に滞在しての競馬ならそう問題はないだろう。
それにクレバーな須貝調教師が無策で使ってくるはずがない。
抑えるべき1頭だ。
このキーンランドCは牝馬優勢。
その事を念頭に入れて、馬券を考察していくのが的中への近道だ。