2025-01-16 ​馬券を買う側と馬に携わる人々のアップデート

​ 昨年末、2024年の
JRA全日程が終了した段階で、
年間売上が発表された。

発売金は3兆3337億8489万900円。

前年比101.2%の数字を達成した格好になった。

しかも単年度の数字ではなく、
13年連続で売上増をマークしている。

少子高齢化で競馬に限らず、
各業界で市場規模の減少が
懸念されている中、
高齢層と若年層がファンとして
上手く世代交代している業界は
非常に少ないのではないだろうか。

実際「若者のお金離れ」
と言われて久しいが、
競馬場に行くと若い人ばかり。

新聞丸めて、赤ペンを耳に差して、
酒やタバコを嗜むオジサンは本当に見なくなった。

酒もタバコもやらない
江戸川さん自身としては、
大きな変化はないものの、
酔っ払ったまま歓声を送る人が
減ったのは何となく寂しい限り。

しかし、これも時代の要請だろう。

馬券がハズレても、
ジョッキーに
罵声を飛ばす人は減ったし、
「良いレースだった」
とスポーツの試合を見に来たような感覚の人も増えた。

90年代以降のJRAが目指してきた
「レジャーとしての競馬」
がすっかり定着してきたように思う。

実際、
JRAの売上が年々上がっているのに対し、
ギャンブル性の高い三連単の
売上比率が下がっているデータが有る。

今や三連単よりも
三連複の方が売上が大きいし、
(拮抗している…
 という表現が正しいか)

1レース1000円で遊ぶには
三連単よりも三連複の方が、
ライト層にとって遊びやすいのはあるかもしれない。

江戸川さんも
長年そのあたりに気を使って、
三連複で予想を出しているのだが、
三連複や馬連ワイドの比率は
今後も伸びてくると思う。

特に最近はAIを使って
馬券を買っている人も
増えてきていると言うし、
ファン層の変化に伴い
馬券の買い方にも変化が起きているのは間違いない。

ただ馬券を買う側は様々なことを
アップデートすることが出来るが、
馬と直接向き合っている
競馬サークルの人々はそうはいかない。

先日も園田で調教中の事故があり、
松本幸祐騎手が亡くなったばかり。

昨年は競馬場の内外で
ジョッキーに関する
様々なニュースを聞いたが、
今年も新年から
悲しい報道が耳に入ってきてしまった。

調教の技術は日進月歩、
様々な形で進化をしているが、
「人の安全」に関する分野は
そこまで発展していないように思える。

今回の事故も調教後に
厩舎に戻ろうとした馬が
制御不能となり、
馬場に戻って他の2頭にぶつかった。

馬との意思疎通が
完全に取れない事は仕方ないが、
こういう事故があると
「安全面にももっと配慮を」
という気持ちになる。

もちろんヘルメットや
プロテクターは着けていたようだし、
意思疎通の出来ない
生き物を相手にする以上、
出来る得る安全確保にも
限界はあるだろうけど、
命の危険と隣り合わせの
競馬サークルの人々への
究極の安全対策は講じて欲しい。

馬券を買う側の
アップデートばかり注目されるが、
馬に携わる人々が居るからこそ、
競馬が成り立っている面もある。

人も馬も安全な競馬でなければならない。

亡くなった松本騎手への
ご冥福をお祈り申し上げ、
当欄の結びとしたいと思う。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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