2023-12-14 ​全快を願う。

​ 10月29日、装鞍所で負傷して以来、
騎乗の無い武さん。

この原稿が世に出る頃には、
今週末から年末年始にかけての
武さんの予定が決まっていると思うが
当初の復帰予定から
2ヶ月近く遅れているというのは、
個人的にも非常に気がかりになっている。

SNSでも武さんが怪我を負った
瞬間の映像が出回っていたが、
確かに馬に蹴られて痛そうだった。
(当たり前か…)

だからこそ
ジャパンカップの前週に
復帰できるかも…
という話を聞いたときは嬉しかったし
同じくらい「焦ってはいないか」という心配もした。

やっぱり江戸川さんのように、
競馬歴が長くなってくると、
2010年の落馬事故の事が頭を過る。

あのとき、無理に復帰したから、
勝ち星を
一気に落とすような形になったし、
「もう終わり」という声も聞こえ始めた。

だからこそ、2013年に
キズナでダービーを勝ったのは
涙が溢れるくらい嬉しかったのだが…。

確かに今の武さんは、
かつてのように
有力馬が集まりづらくなったし、
勝鞍もピークと比べると減っている。

それでも知名度は抜群だし、
競馬場に行ってもやっぱり人気はある。

2010年の件を知っているだけに
「とにかく全快になったら戻ってきて欲しい」
というのは競馬ファンの総意だろう。

有馬記念で
騎乗する姿を見たい想いもあるけど、
とにかく焦らず、じっくり治して欲しい。

若々しく見えるが
武さんも今年54歳。

現役の、しかも、トップジョッキーで
居続けていることはもはや奇跡に近い。

年齢的にも怪我の治りが
遅くなるのも仕方ないが、
いつまでもジョッキーで居て欲しいと思う。

ちなみに同期の蛯名さんは
すでに調教師になっているし、
長年関東の競馬界を支えてきた
田中勝春ジョッキーも
今度調教師になる。

何なら武さんの弟と
同期の秋山ジョッキーも調教師に…。

デビュー当初から
江戸川さんも見てきただけに、
「もうそんな年か…」
と思わざるを得ないが、
江戸川さんが「堂々と」馬券を買える
年齢になった時に生まれた子達が
今、ジョッキーをやってるんだから、
時の流れの速さに驚く。

そして、いよいよ中央競馬に女性調教師が誕生する。

世界では普通に存在していたし、
地方競馬では
既に何人も現役でいるが、JRAでは史上初。

日本の馬が海外G1を勝つ、
白毛のG1馬が出る、
女性ジョッキーが当たり前になる、
そしていよいよ女性調教師が登場する…。

ゲームの中でしか
有り得なかったことが、
続々現実になっている。

「ゲーム現実化」
の中で達成していない事は
「武さんが乗った日本馬が凱旋門賞を勝つ」
というくらいしか残ってないような気もする。

武さんが
凱旋門賞を日本馬で勝たないと、
日本人の「凱旋門賞コンプレックス」は克服できない。

原稿執筆段階では、
今週以降の騎乗予定はまだ明確ではないが、
とにかく全快になって戻ってきて欲しいと思う。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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