2023-11-23 ​これからの競馬の話をしよう

​ 遅ればせながら、
「これからの競馬の話をしよう」を読んだ。

藪から棒に何だ？と
思われるかもしれないが、
1年ほど前に発売された藤沢和雄調教師の本の話だ。

(引退されているから「元」調教師か…)

読もう読もうと思っていたら、
いつの間にかこんなに時間が経過してしまっていた。

新作本ではないから、
そこまで心配しなくていいが、
ネタバレになりすぎないように感想を述べたい。

まず、この本は、
タイトルからもわかるように、
競馬業界にありがちな馬券指南本ではない。

しかしながら、
これから競馬の予想を
本気でやってみようと思う人は
絶対に読むべき本だと思う。

競馬の歴史は非常に長いが、
現代の競馬は
サンデーサイレンス以前と以後に分かれる。

藤沢和雄調教師は
競馬界の第一線で長年活躍され、
その両方を知る人物である。

その人が競馬界の
「これから」を書いている訳だけど、
ビギナーにはビギナーにとって、
玄人さんには玄人さんにとって興味深い事が書かれている。

もちろん玄人さんにとっては、
当たり前の話や
知っている話も出てくるが、
調教師だからこそ
わかる馬の仕草に関する話も出てくる。

馬券予想をする上で、
パドックを非常に重要視する人がいて
そういう人にとっては
異を唱えたりしたくなるような
話も出てくるし、
調教師の側から見た競馬ファンの話も出てくる。

かつて、馬券指南本は
真面目に取り組んだモノから
明らかな眉唾物まで
毎年多く刊行されていたが、
情報が多角化されたこともあり、
年々その市場規模は減っている。

もちろん定点観測をしていると、
「ほう、こんなに真面目に取り組んだ本が1500円ほどで…」
なんてシロモノもチラホラある。

今回の藤沢和雄調教師の本は、
そういったモノとも
一線を画すモノだが、
これから競馬の予想を
本気でやってみよう
と思う人にとっては、
競馬界の全体像を捉えるのに最適な本だと思う。

また、この本の中では
競馬メディアに対して、
「予想では無く情報提供を」と訴えている。

メディアと調教師の関係は
持ちつ持たれつの面があって、
紙面に書けることや書けないことが出てくる。

いわゆる「報道をしない自由」だけど
これに関しては
トップトレーナーらしく
堂々とした主張がなされている。

この本を読めば読むほど、
競馬というのは単純なモノではないのがよくわかる。

そこらへんの調教師が言っているのではない。

レジェンドトレーナーが、
ざっくばらんに語っているだけに読む価値がある。

特にこれから
「競馬予想を毎週の楽しみにしよう」
と思っている方は、
一読しておいたほうが良い。

訳の分からない眉唾物を読んで、
騙される事が無くなるだろうから(笑)

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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