2023-07-06 ​アイファーソング？

​ 本格的な夏競馬がスタートして2週目。

3歳未勝利戦線は、
後が無い馬がどんどん出てきて、
2桁着順の馬や故障を発生し、
中央で見込みのない馬から
どんどん登録が抹消されている。

まさに生き残りをかけた
サバイバルレースが
毎週展開されているけれど、
先週日曜の福島4レースでちょっと驚くことがあった。

勝ったのは2番人気、
藤田菜七子騎手が騎乗していた
アイファースキャン。

2番人気だから、
まぁ、妥当な成績だろうけど、
驚いたのは血統表。

アイファースキャンの父は
アイファーソング、
母父はスズカマンボという超地味な血統。

そもそも
アイファーソングって誰？って話だ。

江戸川さんも
全く記憶に残っておらず、
思わず調べ直してしまった。

アイファーソングは
冠名「アイファー」
からもわかるように
中島稔さんの所有馬で、
現3勝クラスのレースを2勝、
キャリアハイは
2012年のアンタレスS 2着がある。

当時の勝ち馬
ゴルトブリッツの事は覚えているけど
さすがに2着のアイファーソングの事は失念していた。

まだまだ勉強不足である。

ちなみにアイファーソングの父は
菊花賞馬ソングオブウインドで、
凱旋門賞2着のエルコンドルパサーにつながる。

エルコンドルパサーは、
日本競馬の全盛期とも言える
98年クラシック世代の1頭で、
未だにファンの多い馬でもある。

「母父エルコンドルパサー」
としては、クリソライトや
クリソベリルの存在があるが、
種牡馬としては、
ソングオブウインドの他に
ヴァーミリアンも出している。

しかしヴァーミリアンは
リュウノユキナやノブワイルドなどの
重賞勝ち馬を出してはいるものの
6年ほど前に種牡馬を引退。

ソングオブウインドも
地方重賞勝ち馬が精一杯で、
こちらも数年前に用途変更されている。

一流の競走成績を残した馬でも、
種牡馬として生き残るには、
全く違うフィールドでの
戦いにも勝ち残らないといけない。

正直、
ファンの多い馬ではあるけれど、
エルコンドルパサーの系統を
諦めている人も多い中で、
アイファーソングは希望の光という事になる。

現3歳世代には先週勝った
アイファースキャンだけでなく、
既に2勝を上げ
ユニコーンSにも出走した
アイファーテイオーもいる。

個人馬主所有の種牡馬なので、
生産頭数が激増する事は考えづらいが
アスカクリチャンのように
少ない産駒の中から、
交流重賞・浦和記念を勝った
クリノドラゴンが出た例もある。

ダート路線の大改革が間近に迫って、
これまで日の目を見なかった
種牡馬にも注目が集まっている。

江戸川さんは忘れてしまっていたが、
エルコンドルパサー
を愛した人々にとって、
アイファーソングは最後の希望。

今後は忘れることのないように
注目していきたいと思う。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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