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2012-07-18 ​オルフェーヴルの遠征に感動はあるか?

​ <p>先週日曜日の夜、私は新潟から東京へ戻る車中で、驚くべきニュースを目にした。</p> <p>フランスの競馬メディア関係者が<span class="big-s">「スミヨン騎手は凱旋門賞で日本のオルフェーヴルに乗る」</span>とツイッターで発言した事が話題になっていた。</p> <p>凱旋門賞でオルフェーヴルに乗るのはスミヨン騎手・・・ということは<span class="b red">池添騎手の乗り替わり</span>を意味している。</p> <p>事の真偽は不明だったがその数時間後、日本のメディアが池江調教師の談話とともに報道。翌朝にはスミヨン騎手のコメント付きで報道した。</p> <p><span class="b u">「前哨戦に本番と同じコースのフォワ賞を使って、凱旋門賞へ。騎手は2戦ともスミヨンで。」</span></p> <p>スミヨン騎手は凱旋門賞を2度制覇しており、ロンシャンの舞台を知りつくしている。<br /> 勝つためには最善の選択をしたとオルフェーヴル陣営は強調した。</p> <p><span class="b red">ファンの反応は様々だ。</span><br /> 池添騎手の乗り替わりに批判的な声、スミヨン騎乗に歓喜する声、凱旋門賞に勝てば騎手は誰でもいい・・・などなど。<br /> ファンの間でも、統一的な見解は今現在も無いように思う。<br /> つまり批判も肯定も存在するが一枚岩と呼べるレベルには無く、良い悪いは別問題で受け入れている状態だろう。</p> <p>ただこの「乗り手を変える」と言う選択の結果は当然まだ出ない。<br /> ただどんな結果になってとしても、今後、事あるごとに話題になる事は間違いないと思う。</p> <p><span class="b">凱旋門賞</span>といえば世界中のホースマンが憧れるレース。ヨーロッパの年間チャンピオンを決めるレースで、今まで「非欧州馬」は1勝もしていない。</p> <p>欧州馬以外の最高着順はエルコンドルパサー、ナカヤマフェスタやバルメリーノ(ニュージーランド)の<span class="red">2着が最高</span>。<br /> 日本でも比較的若い競馬ファン世代にはゲームの影響からか非常に認知度の高いレースである。(ディープインパクト出走時には、競馬界のワールドカップと言う表現が目立った)</p> <p>その凱旋門賞は日本のホースマンにとっても最上級の憧れである事に間違いは無く、幾多の名馬が参戦してきたがことごとく欧州の壁に跳ね返されてきた歴史がある。</p> <p>日本勢にとって4度目の挑戦(69年スピードシンボリ着外・72年メジロムサシ18着・86年シリウスシンボリ14着)となったエルコンドルパサー(米国産)は<span class="big-s">「勝ちに等しい・2頭チャンピオンが存在した」</span>という評価を現地でも受けた2着。<br /> ちょうど日本競馬の売り上げは過去最高に達し、競馬ファンのすそ野が一気に広がっていた時期でもある。<br /> これをきっかけに「日本馬でも勝てる」「今度は日本生産馬で勝つ」という機運が一気に盛り上がったが、02年マンハッタンカフェ、04年タップダンスシチーは惨敗。<br /> 「日本生産馬ではまだ足りない」と現実を叩きつけられていた頃に現れたのが<span class="red">ディープインパクト</span>だった。</p> <p>圧倒的な強さで三冠を制し、その強さは欧州だけでなく世界でも高く評価されていた。騎手は天才・武豊。これほど華のある組み合わせは無く、私もその1人であったが日本の競馬ファンも勝利を信じて疑わなかった人が多かったのではないか。<br /> JRAは自身の主催するレースでもないのに、ディープインパクトのCMを作り、宣伝した。更にこの時の凱旋門賞はNHKで生放送され、高視聴率を記録した。</p> <p>しかし、結果は善戦虚しく3着。レース後、禁止薬物まで検出されて、世間的に盛り上がりを見せていた競馬熱は一気に冷めた。</p> <p>その後はナカヤマフェスタの2着が目立つだけで、日本勢は劣勢に立たされている。</p> <p>ナカヤマフェスタの2着も同馬自身の日本での成績がいま一つなせいか、なかなか評価されていないのは非常に残念だが、今もなお、日本競馬にとって、日本の競馬ファンにとって凱旋門賞と言うのは非常に特別な存在であることに間違いは無い。</p> <p>今回のオルフェーヴル遠征はディープインパクト以来の期待値だと個人的に感じている。目の肥えたたくさんの競馬ファンが私と同じ<span class="big-s">「凱旋門賞を勝つかも」</span>と感じているのではないだろうか。</p> <p>三冠を制した事はもちろんだが、贔屓目に見ても近年稀にみるハイレベルなオルフェーヴルの一つ上の世代に完勝しているし、レースを見ても1頭だけ次元が違う走りをしている。</p> <p>それだけにこの春の阪神大賞典や天皇賞の結果は、競馬ファンをかなり不安にさせてしまった事も事実だ。オルフェーヴルのオーナー陣営もこれら件が起因しているように思えてならない。 それに加えて今回の乗り替わりは率直な事を言えば仕方ない部分もあるのではないだろうか。</p> <p>武豊騎手と違い、池添騎手は海外経験も乏しい。 日本でも屈指の勝負強い騎手である事は間違いない池添騎手ではあるが、やはりロンシャンを知りつくしている騎手に任せたいというオルフェーヴル陣営の思いも分からなくはない。</p> <p>こういった競馬にかかわらず海外遠征時には、必ず日本VS世界の構図で語られるが、島国・日本にあって「海の外」を多分に意識するのは日本だけではないだろうか。 世界から見れば小さな国・日本が大きな国を相手に互角以上の闘いを繰り広げる事に喜びや必要以上の大義を感じるのは日本独特なものかもしれない。</p> <p>昨年、ヴィクトワールピサが<span class="b">ドバイWC</span>を制した。<br /> 震災直後という事も重なったが、今一つ世間的に大きなニュースにならなかった。</p> <p>ドバイWCは歴史はまだ浅いものの、近年は競馬の祭典として各国で認知され始めており、開催初年から毎年のように日本から遠征していたが結果が出なかった。</p> <p>競馬ファンにとては「なでしこジャパン」が世界一になったのと等しいかそれ以上の勝利であり、日本馬のヴィクトワールピサとトランセンドがワン・ツーフィニッシュを決めた事は<span class="b red">感動以上の歴史的な出来事</span>でもあった。</p> <p>この時ヴィクトワールピサに跨っていたのは、M・デムーロ騎手。<br /> 競馬ファンにも人気があり、親日家としても有名な彼はヴィクトワールピサの父:ネオユニヴァースにも騎乗していた。外国人騎手としては史上初めて同馬で日本ダービーを制覇した。</p> <p>少し話がそれたが、今までオルフェーヴルに乗っていた池添騎手からスミヨン騎手に乗り替わる。<br /> デビュー以来、池添騎手が手綱を取り、年明けから凱旋門賞制覇を夢見た池添騎手の気持ちは気の毒だが「凱旋門賞を勝ちたい」という陣営の思いも分からなくない。</p> <p><span class="b u">競馬ファンの目線から見ても、オルフェーヴルは長く日本に根付いた様々な想いが内包されている</span>のではないだろうか。</p> <p>オルフェーヴルの父:ステイゴールドは日本馬初の海外G1勝利馬だし、その母ゴールデンサッシュは快速馬サッカーボーイの全妹。母系に目をやれば、メジロマックイーンは昭和から日本競馬を支えてきた血統。</p> <p>競馬ファンの多くが慣れ親しんだ血統や期待を一身に背負う騎手がロンシャンを走る事に非常にロマンがある。<br /> ただ「勝つ」という結果だけ追求する事は、競馬の大前提である事に異論は無い。</p> <p>しかし、競走馬が走るという事実から与えられる感動は、様々な人の思いを乗せているからこそ、絶大なものがある。</p> <p>この感動の積み重ねの<span class="b red">結果の終着点が「凱旋門賞に勝つ」</span>ということであるならば、オルフェーヴルの騎手にスミヨンが乗ると言う選択は間違っていないだろう。果たしてそうだろうか・・・とも思ってしまう私は非常に日本人的だろうか。</p> <p>日本人の心情的には割り切れない何かを残したのも今回の陣営の決断であるように思う。この騒動は最強馬オルフェーヴルの海外遠征という壮大な物語に水を差した事は間違いない。</p> <p>しかし、陣営の判断は批判されるべきでは無い。出走する以上、勝たなければ意味がない。</p> <p>騎手が誰であっても、ディープインパクトが悲しそうに3着で駆け抜けた時のような残念な気持ちを誰も感じたくはないだろう。</p> <p>池添騎手も気の毒ではあるが、競走馬のレベルはどんどん上がっているし、福永騎手や川田騎手は今、世界相手に単身で戦っている。<br /> 馬だけでなく人のレベルも世界レベルにならないといけないのだということも個人的に改めて感じた。</p> <p>今週末<span class="b">ディープブリランテが欧州上半期の最強馬を決めるキングジョージ</span>に出走する。オルフェーヴルほどの話題にはなっていないのは非常に残念だが、良い結果を残してくれると信じている。</p> <p>イギリスのアスコット競馬場に父:ディープインパクトの掲げられなかった日の丸の旗をディープブリランテと岩田康誠騎手が掲げてくれる事を夢見て、週末を迎えたいと思う。</p>

このコラムを書いた予想家

江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。

また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!

予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など

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11/16(土)は東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G2)
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