2017-04-27 ​1番人気が勝った最後の天皇賞・春

​ 今週のレース考察のところでもチラッと書いたけれど、
「天皇賞・春」は2007年以降、
1番人気になった馬の最高着順は3着。

最後に1番人気の馬が勝った天皇賞はいつだっけか・・・
と思って、調べようと思ったら、
調べる必要なんてそもそも無かった事に気づいた。

なぜならそれは江戸川さんの競馬史の中で、
最も衝撃を受けた「天皇賞・春」だったからだ。



その「天皇賞・春」は2006年の「天皇賞・春」。

あのディープインパクトが
三冠を制した翌年にチャレンジした「天皇賞・春」だ。

ディープインパクトは単勝1.1倍の圧倒的な支持率。

圧巻だったのはそのレース内容だろう。

スタートで少し煽るような仕草を見せて、
後方からの競馬を強いられたディープインパクト。

距離も3200mあるし、
ディープインパクトの末脚を考えたら、
全然気にしなくて平気だ・・・と思ってレースを見ていたら、
ラスト1000mを過ぎたあたりで、
後方にいたディープインパクトがガンガンと順位を上げていく。

「おいおいいくらなんでも仕掛けが早いだろ!!」

歓声とも悲鳴とも判断のつかない大観衆の声が、
京都競馬場を包んでいた。

「仕掛け早くないか・・・?」

今までは卓越した瞬発力を活かす競馬ばかりしていた
追い込みタイプのディープインパクトが、
まさかの4角先頭で直線に向く。

リンカーンの横山典弘騎手は
今までにないディープインパクトの走りを見て、
「勝てる!!!」と思ったようだが、
直線半ばを過ぎてもディープインパクトとリンカーンの差は詰まらない。

ディープインパクトは堂々と先頭でゴール板を駆け抜けた。

「ハーツクライよ、ハリケーンランよ、待っていろ」
関西テレビの馬場アナウンサーの名調子は今でも心に残っているけど、
ディープインパクトのあまりの強さに
「世界一」の可能性を感じなかった人はいないはずだ。



その「天皇賞・春」から10年以上が経過した。

あの頃には考えられなかった苦境に立っている
「平成の盾男」と呼ばれた武さんが、
今年もキタサンブラックでレースに挑戦する。

強さで言えば、
キタサンブラックはサトノダイヤモンドに譲るかもしれないが、
京都3200mなら武さんはルメールさんには譲らない。

キタサンブラックに逆転の目があるとすれば、
それは「騎手の腕」かもしれない。

2006年のディープインパクトが勝った天皇賞・春は
まるでゲームみたいに常識とはかけ離れたレースぶりだった。

今年も武さんの腕を信じて、馬券を買う事になるだろうか。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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