いそいそと東京競馬場に出かけていった。
天候は決して良かったとは言い難いものの、
重賞競走が組まれていなかったこともあってか、
混み過ぎる事もなく快適に過ごすことが出来た。
一人で行くときは指定席をとって、
パソコンとにらめっこしながら競馬をやっているが、
今回は馬友らと一緒。
彼らが持参したブルーシートの上で
わいわいと競馬を楽しんだ。
彼らは競馬場に来慣れているので、
レースが始まるまでの過ごし方や
快適にくつろぐ術を持っている。
しかし、ふと思ったのが、
今の競馬場は初心者が快適に過ごすには
少々ハードルが高いような気もする。
消防法の関係や
府中のようなビッグレースが行われる競馬場では
なかなか難しいのかもしれないが、
圧倒的に座る場所が少ない。
仮に初心者同士のカップルが競馬場に
初めてやってきたとする。
朝からまたはお昼過ぎに来たとしても
最終レースが終わるまで立ちっぱなしというのは
非常に辛いものがあるのではないかと思う。
メインレースまで保たない可能性だってある。
好きなアーティストのライブ会場じゃあるまいし、
レースも30分に一回だけ。
当たらなければ精神的に落ち込む。
どんなに仲がいいカップルでも
間延びして仕方ないように思う。
しかも帰りは満員の電車。
江戸川さんは競馬ファンだから多少は我慢もするが、
初めて行った他のギャンブルで
こんな経験をしたら二度と行きたいとは思わないだろう。
なんとか席を探して座ろうにも
ベテラン競馬ファンが新聞紙やマークシートで席取りしている。
自由席なのに指定席のような空気感を出されても、
初心者はどう立ち回っていいかわからないはず。
この状況は新規の競馬ファンを増やすことの
大きな妨げになりはしないだろうか。
「ちゃんと指定席を買えばいい」
という意見も当然出てくるだろうが、
競馬初心者で指定席を買うほど熱意のある人はいるだろうか。
当然ネットで馬券を買う時代になったとはいえ、
主催者としては競馬場に人を呼ばないわけにはいかないはず。
馬券はネットでたくさん売れても
無観客な競馬は絶対的に味気ないし、
レース中に大声援があるのも、観客がいればこそ。
芸能人のプレゼンターに
女性ファン獲得のための「UMAJO」の取り組みなど、
新規競馬ファン開拓のために主催者は
数々の施策は打っているものの、
呼んだあとのケアまでは手が回っていないのではないだろうか。
地方競馬にはない豪華さが中央競馬のウリ。
あらゆる競馬ファンが
少しでも快適に過ごすための取り組みで
(難しいかもしれないが)椅子を増やしたり、
女性専用シート的なモノを導入するのもアリだろう。
競馬を盛り上げるために人を呼ぶだけでなく、
どうもてなすかも考える段階に来たように思う。
そんな3日開催最終日だった。