2016-04-07 ​3年後のフィーバーに期待して・・・

​ JRA競馬学校騎手課程35期生の入学式が先日行われました。

今年は岩田騎手の他に、美浦の斎藤誠調教師の息子さんが
新入生として競馬学校に入学していますが、

一番話題になっているのが、

藤田菜七子騎手以来3年ぶり13人目の女性新入生となる
芳賀天南（はがかな）さん。

「期待でいっぱいです。
G1をたくさん勝って、男性にも負けないトップジョッキーになりたい」

と、初々しいコメントを残してくれています。

同じ女性の藤田菜七子騎手に関しても

「同じ女性として意識します。
注目されているのに笑顔で頑張っているのはすごい。
一緒のレースに出たいです」

と、我々競馬ファンからしても嬉しいコメント。

今、菜七子フィーバーに沸いている中央競馬としても
新たな女性騎手誕生というのは歓迎すべきこと。

愛知の木之前葵騎手も先日重賞2勝目を飾りましたし、
同じく愛知で女性最多勝利記録を持つ宮下瞳騎手も
現在、復帰に向けて準備中。

近い将来、女性だけでレースを行う事も決して夢ではないでしょう。
（興行的な色彩は当然強いですが）

しかし・・・

私がひねくれ者だからそう見えるかもしれませんが、
菜七子フィーバーを見ていて、
いえ、体感していて感じるのは

競馬ファンの根底には
「将来の競馬に対する不安があるんだろうな」ということ。

競馬業界全体の売上自体は何とか踏ん張っていますが、
馬主のなり手、生産界の寡占化、
世間のギャンブルに対する評価など、

競馬そのものの未来は明るい材料ばかりではありません。

地方競馬も含めれば、
この国では毎日競馬が行われていますし、

高い賞金を維持し、世界トップレベルの血統を集めたり、
世界から注目されているのも、
馬券の売上規模が大きいからに他ありません。

戦前・戦中・戦後の長い歴史を経て、
「競馬は危険ギャンブル」という認識を
競馬界やファン自ら達が少しずつ覆してきました。

それこそハイセイコーやオグリキャップという
「純粋な馬のファン世代」から、

江戸川乱舞のようにゲームや漫画から入った
サブカル世代に徐々に競馬人気を支えるファン層の主軸が
移ってきているように感じます。

競馬歴20年です、という方と馬友を通じて
知り合う事が最近ちょくちょくありますが、

20年前といえば
競馬の売り上げが毎年毎年、右肩上がりに伸びていた時期。

あと5年10年すれば
「菜七子フィーバーの頃に競馬を始めました」という人が
続々出てきても不思議ではありません。

いえ、むしろそうなって欲しい。

長年の競馬ファンで藤田菜七子騎手を応援している人は
特にそう願っているのではないでしょうか。

菜七子フィーバーの熱狂ぶりは、
ファンの中に燻っている競馬の将来に対する不安の裏返し。

今回、競馬学校に入学した芳賀天南さんには
しっかりと頑張ってもらって、まずは無事卒業し、
騎手としてデビューできる事を心から願っています。

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