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江戸川乱舞コラム「Alohaな競馬」
2012-12-12 史上最強の2歳馬を見た!
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先週のコラムで阪神JFの思い出馬としてアインブライドのことを書きました。<br />
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<span class="u">競馬スピリッツの「今週のお題」でも、アインブライドは集計の結果、<br />
かなり上位に来ていたと聞きました。</span><br />
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アインブライドは当時の阪神3歳牝馬S以降、勝ち鞍もなく、<br />
活躍した産駒を出せず、この世を去りましたが、<br />
その鮮やかな勝ちっぷりは今でも多くの競馬ファンの中に、<br />
残っているのかもしれません。<br />
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<span class="b">そのアインブライドが勝った阪神3歳牝馬Sの1週間後、<br />
中山競馬場で行われた<span class="big-s red">朝日杯3歳S</span>も私の思い出に残っているレースです。</span><br />
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この世代は今でも伝説的な扱いになっている<span class="red b">「最強世代」</span>と呼ばれた年で、<br />
凱旋門賞2着の<span class="b">エルコンドルパサー</span>、<span class="b">スペシャルウィーク</span>や<span class="b">セイウンスカイ</span>など、<br />
彼らの繰り広げた数々のレースは多くの競馬ファンの脳裏に未だに焼き付いていて、<br />
その証拠にJRAも最高売り上げをこの時期に記録しますし、彼らの熱戦を見て、<br />
競馬ファンになったという人も、多くいるのではないでしょうか?<br />
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個人的にもスペシャルウィークは好きな馬の1頭ですし、<br />
この頃の競馬は個性的な馬も多く、彼ら世代と、<br />
古馬(エアグルーヴやサイレンススズカなど)との闘いも胸躍らせて見ていたものです。<br />
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しかし、この最強世代の中でも最も印象に残っていると言ってもいいくらいのレースが、<br />
<span class="b u">栗毛の外国産馬グラスワンダーが勝った97年の朝日杯3歳Sです</span>。<br />
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前週のアインブライドの勝利の感動もさめきらないまま迎えた97年12月。<br />
3連勝の勢いでG1制覇を目論むグラスワンダーに、かなり注目が集まっているレースでした。<br />
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グラスワンダーは単勝1.3倍の圧倒的な1番人気。<br />
このレースでは後にスプリンターズSを優勝する<span class="b">マイネルラヴ</span>や、<br />
欧州短距離G1を2勝もする歴史的なスプリンター・<span class="b">アグネスワールド</span>も出走しており、<br />
今見てもかなり豪華なメンバー編成となっていましたが、<br />
そんな中でも、グラスワンダーは単勝1.3倍の圧倒的な1番人気。<br />
<span class="b">2歳G1とはいえ、かなり評価されていた事がはっきりわかります。</span><br />
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レースぶりも圧巻で、中団に位置したまま徐々に前方へ進出。<br />
4コーナーを回ろうとするときのスピードは他馬とは桁違いのスピードで、<br />
直線でも難なく先頭に並びかけ、馬体を合わせてきたマイネルラヴを歯牙にもかけず、<br />
その持ち前の前脚の回転力で突き放します。<br />
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その時の回転力は今でも私の脳裏に焼き付いていて、<br />
栗毛のキレイな馬体に白いバンテージをつけた前脚の回転が、<br />
他馬のそれとは全く違う走りをしていた事を思い出します。<br />
もうそこだけ、車のエンジンのような動力で動いてるんじゃないかと錯覚するような走り。<br />
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物凄い力で大地を叩きつけるキック力・<br />
そしてそれを細かく回転させる力が織りなすスピードが<br />
<span class="red b">前人未到の1分33秒6のレースレコードで優勝の原動力となったのでしょう。</span><br />
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実況アナウンサーの方も<span class="b">「マルゼンスキーの再来」</span>と語るほどの圧勝ぶりでした。<br />
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しかし、この勝利の感動の後、我に返った時に寂しい想いが私を襲います。<br />
当時、外国産馬にはクラシックの出走権が与えられておらず、<br />
NHKマイルCしか、同世代と走れるビッグタイトルはありませんでした。<br />
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<span class="b">「これだけの馬をダービーで見れないのか」</span><br />
当時のレース体系をかなり恨めしく思った記憶があります。<br />
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あの勝利から15年程が経って、最近ではクラシックをにらんで、<br />
<span class="u">有力馬はラジオNIKKEI杯2歳Sを選択するケースが増えてきています</span>。<br />
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ここ最近の馬で、朝日杯を勝った馬でクラシックでも活躍した馬を思い出すことは、<br />
かなり困難になってきている方も多いように思います。<br />
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グラスワンダーが勝つ以前は、<span class="b">ミホノブルボン</span>や<span class="b">ナリタブライアン</span>などの名馬が勝ち、<br />
翌年のクラシックでも主役を張るのが、当たり前だったように思います。<br />
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育成方法・レース選択の幅が広がったことなど、様々な要因がありますが、<br />
コースを改修して出走馬がその実力を如何なく発揮できるようになった阪神JFのように、<br />
<span class="b u">朝日杯FSにも、クラシック登竜門としての性格を<br />
もう一度見直すべき時に来ているのかもしれません。</span><br />
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G1勝った馬よりも、2000mのG3を勝った方が<br />
クラシック候補としてもてはやされる現状は<br />
なかなか受け入れづらいモノがあります。<br />
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その改善案は様々あるかとは思いますが、<br />
現在施行されているG1の中で、<br />
もっとも、その権威があやふやなG1と言われている現状が<br />
このレースにはあります。<br />
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<span class="b"><span class="red">「朝日杯を勝つ馬に強い馬はいない」</span>と言われる度に、<br />
私はグラスワンダーのあの激走を思い出し、<br />
「どうにかならぬか」と思ってしまうのです。</span><br />
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このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。
また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!
予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など
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