2015-09-10 ​時代を感じた夜

​ 個人的な話で恐縮ですが、最近引っ越しをしました。

前の家は比較的長く住んでいたので、
荷物がかなり多くなっていて、
今回の引っ越しを期に思い切って断捨離を実行。
とにかく色んなモノを捨てまくりました。

だんだん冷えなくなった冷蔵庫や
12年戦士の電子レンジ、着なくなった服はもちろん、
この冬着る予定だった冬服やスーツやジャケットも
間違えて(？)捨ててしまいました。

かなり身軽な形で新居に入り、
最低限の家電しか無い
空虚な空間の中でしばらく過ごしています。

数少なくなった荷物を整理していたら、
出てきたのが「みどりのマキバオー」という漫画。

競馬マンガの金字塔とも言える作品で、
当コラムでも過去に扱ったことがあります。

引っ越しも落ち着いたので
久しぶりに読み返す機会に恵まれました。

wikipediaを参照すると
1994年から98年まで連載された競馬マンガで

「アクの強すぎる下ネタを連発した
下品なギャグ色が強い作品であるが
それとは裏腹にシリアスなドラマが展開され、
正統派競馬作品として根強い人気がある。」

と書かれていました。
言い得て妙です。

おそらく30歳前後、江戸川と同世代の競馬ファンなら
誰もが知っている作品でしょう。

実際アニメでも放送されていましたし、
最近も楽天のオッズパークの
イメージキャラクターになっていました。

しかし連載から既に20年。
今では死語となった言葉も数多く見受けられます。

「4歳」
当時の馬齢表記は今の0歳スタートではなく、
1歳スタートだった為、このような表記になっています。

3歳チャンピオンを決めるダービーですが、
作中では4歳チャンピオンとなっています

「外車」
外国産馬の事を当時は外車と言っていました。
<○外ダービー>と当時呼ばれたNHKマイルカップが
創設されたのもこの頃です。

「中日スポーツ賞4歳S」
今で言うファルコンSに相当するレースですね。
当時はダービー後に行われていたような気がします。

とにかく「みどりのマキバオー」には
今では懐かしくなった競馬用語がもりだくさん。

そしてレース体系はもちろん、
世界と日本競馬の距離感も全く違います。

マキバオー連載当時、
夢のまた夢だった海外競走でのG1制覇も
今では珍しくなくなりましたし、

作中でマキバオーのライバル・カスケードが
無残に散った凱旋門賞もあれから20年が経過し、
手が届きそうなところまできました。

先日、武豊騎手も雑誌のインタビューで
「ファンの方々が馬券で支えてくれるおかげで
馬のレベルも賞金も上がって日本は強くなった」
と語っていました。

毎週毎週病気のように(?)馬券を買っていますが、
巡り巡って日本馬のレベルアップに
微力ながら貢献していたと思うと胸が熱くなります。

20年前の江戸川少年がミドリマキバオーに出会っていなければ、
今、競馬スピリッツでこのような文章を書くような仕事は
していなかったかもしれません。

まだ「みどりのマキバオー」を読み返している途中。

連載から20年経ちますが、
今も昔も競馬に携わる人々の熱い気持ちに変わりはありません。

機会があれば、ぜひ、読んでみて欲しい一冊です。

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