話題の競馬トピックに独自の視点で陽気に笑顔で辛口に切り込む!
江戸川乱舞コラム「Alohaな競馬」
2012-11-07 世界との壁を悟ったレース
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近年、運営方法・レーティングの表記・降着制裁などの基準・・・<br />
<span class="b">「競馬」におけるあらゆるものが世界的にルールが統一されつつあります。</span><br />
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今後、<br />
一部の競馬先進国だけのものだった凱旋門賞やBC・ドバイミーティングなどの<br />
歴史的にも・実質的な格のあるレースを中心に<br />
世界全体を見回したレース番組の再編成といったこともありえると思います。<br />
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特に競馬会だけでなくファンの中でも根強いJCの施行時期の意向とか<br />
JCダートの中京開催などということが現実味を帯びてくるかもしれません。<br />
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競馬ファンの中でも若い層は特に、「世界」を意識している部分が強いので、<br />
サンデーサイレンスの導入以降、競走馬のレベルも急速に近づいていることもあり、<br />
<span class="red b">今後の日本競馬は「世界」を意識したものにならざるを得ないかもしれません。</span><br />
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00年代は特に香港競馬への遠征が常態化した事や、<br />
凱旋門賞での好走や、ドバイのレースを制した事で「世界で勝つ」ことは<br />
もはや「夢のまた夢では無い」という所まで来ています。<br />
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特に近年は<span class="red b u">牝馬のレベルが高くなった事も要因の一つでしょう</span>。<br />
昔は牝馬は繁殖に上がることが前提で、良血馬はクラシックが終われば引退して、<br />
繁殖入りが通常だったようですが、徐々に競走年齢が長くなり、<br />
古馬牝馬戦線もヴィクトリアマイルやエリザベス女王杯を頂点に<br />
レース体系も整備されつつあり、そういった部分も牝馬のレベルアップに<br />
繋がっている理由の一つかもしれません。<br />
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<span class="b">ウオッカ</span>は64年ぶりのダービー制覇。<br />
それ以外にも府中G1を多数勝利するなど、抜群の実績と実力を見せていました。<br />
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<span class="b">ブエナビスタ</span>も二冠を制し、天皇賞秋やJCでハイレベルな古馬勢に混じって勝利。<br />
ディープインパクト以降に見られた牝馬全盛時代を支えた1頭です。<br />
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また10年の<span class="b">アパパネ</span>は阪神JFを制し、春のクラシックも二冠制覇。<br />
オークスではG1史上初の同着で、サンテミリオンとタイトルを分け合いましたが、<br />
勢いそのままに秋華賞も圧勝。<br />
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<span class="b u">史上3頭目の牝馬三冠という事で、大きな注目を集めました。</span><br />
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そのアパパネが挑んだ古馬との初対戦が今週末行われる<span class="big-s red b">エリザベス女王杯</span>でした。<br />
牝馬三冠ですし、そのアパパネに勝てそうな牝馬もG1未勝利ですが、<br />
京都適性は抜群のメイショウベルーガぐらいで、<br />
海外からの参戦の馬も信頼度に関しては疑問符が付くレベルのレース。<br />
アパパネが楽勝する姿も容易に想像できました。<br />
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それにアパパネのオーナーは金子真人さん。<br />
ディープインパクトやキングカメハメハなどのオーナーで、<br />
海外遠征にも積極的なオーナーなので、<br />
<span class="b">「古馬戦線も制して、一気に海外遠征か」</span>と目されていたのも事実です。<br />
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エリザベス女王杯は07年の<span class="b">ダイワスカーレット</span>が制して以降、<br />
強い牝馬は古馬との対戦を選択するケースが目立ち、<br />
08年のリトルアマポーラや09年のクィーンスプマンテといった実力的に「?」な馬が<br />
勝ち、競馬ファンとしても物足りないレースが続いていました。<br />
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エリザベス女王杯と言えば、昔の話をしてしまうと、<br />
89年に単勝20番人気で優勝した<span class="b">サンドピアリス</span>でしょう。<br />
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サンドピアリスが最低の20番人気、2着10番人気、3着14番人気と<br />
人気薄が立て続けにゴールして<span class="b u">単勝4万3060円の超高配当</span>。<br />
三連単の配当があったら(当時単勝・複勝・枠連まで券種しかなかった)<br />
と考えると、ゾっとするような着順。当たる人がいたのか疑いたくいなるレベルです。<br />
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ここまでの配当は別にしても、<br />
<span class="b">クィーンスプマンテ</span>が逃げ切り、大波乱を起こした09年を見ている分、<br />
「強い馬が順当に勝つところを見たい」というのも素直なファン心理。<br />
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当然、アパパネには08年09年の消化不良なモヤモヤした感情を<br />
圧勝で拭い去ってほしいと、期待していた人も多かったように思います。<br />
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事実、単勝人気は2.7倍。<br />
京都巧者の<span class="b">メイショウベルーガ</span>と人気を分け合う格好となりました。<br />
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スタート前、ゲートの所で輪乗りをしている場面でも<br />
アパパネの風格はまさに女王のソレ。<br />
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その気配に国内タイトルだけでなく、<br />
世界も視野に入れたファンは多かったのではないでしょうか。<br />
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スタンド前でスタートしたレースは大方の想定通り、テイエムプリキュアが先頭で<br />
引っ張る展開。3コーナーを下り、想定通り徐々に順位を上げていくアパパネ。<br />
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その傍には、海外から遠征してきた<span class="b">スノーフェアリー</span>と、<br />
2番人気のメイショウベルーガが様子を伺います。<br />
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4コーナーから最後の直線に入る時、<br />
外目へ持ち出すアパパネ・メイショウベルーガとは対照的に<br />
海外から遠征してきたスノーフェアリーは真逆の内を選択します。<br />
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京都外回りは内側がポッカリとスペースが空く事が多く、<br />
その間隙を突いた外国人騎手らしい騎乗でした。<br />
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しかし、驚いたのはそれだけではありません。<br />
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スノーフェアリーの驚異的な走り。<br />
内に切り込んだかと思えば、まるでゲーム画面を見ているかのような<br />
桁違いのスピードと収縮性。<br />
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アパパネとメイショウベルーガがいつも通りの強烈な末脚を見せますが、<br />
スノーフェアリーを前にすると、全くの無抵抗にすら見えてしまう戦慄の強さ。<br />
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ヨーロッパのオークス馬と言うのは、<br />
あそこまで強いのかとかなり脅威に感じましたが、<br />
<span class="b u">日本のトップ牝馬がつけられた4馬身の差は、見た目以上に遠い着差に見えました。</span><br />
世界に近づいていたという日本の競馬ファンをあざ笑うかのような完敗。<br />
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その1完歩・1完歩は日本と世界の距離のように痛感したものです。<br />
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そして、スノーフェアリーは1年後のエリザベス女王杯にも参戦。<br />
逃げるシンメイフジを早くに捕まえた<span class="b">ホエールキャプチャ</span>。<br />
更に追いすがるアパパネ!<br />
日本勢逆転か!<br />
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と、思ったのも、束の間。<br />
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馬群の間から突如現れたスノーフェアリー。<br />
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次元の違う脚で昨年完敗した2頭は成す術もなく、追い抜かれ、<br />
最後までアヴェンチュラが必死の抵抗を見せますが、そこまで。<br />
2年連続で外国馬にエリザベス女王杯のタイトルを奪われることになりました。<br />
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<span class="red b u">このスノーフェアリーの電撃的な2戦は「世界に近づいた」と<br />
大きな錯覚を起こしていた日本の競馬ファンを揺り動かす出来事といえるでしょう。</span><br />
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今年はダイヤモンドジュビリー・英国王室公認のエリザベス女王杯。<br />
エリザベス女王御本人からのメッセージもあるようです。<br />
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<span class="b">やはりまだまだ日本競馬は挑戦者の立場なんだと再確認し、<br />
女王へのお祝いに相応しいレースになることを期待します。</span><br />
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このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。
また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!
予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など
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