2015-02-12 ​ この冬の向こう側

​ センター試験も終わり、高校や大学の受験シーズン真っ盛り。
江戸川の住む街の近所の大学でも
たまに「試験会場はコチラです」的なアナウンスをやっている。

シーズンだな、と感じる。

３月になれば卒業シーズンもやってくる。
春はもうそこまで来ている。

もう少し寒い日が続くが少々の辛抱だ。

当然、競馬も春に向けて今、熱戦が繰り広げられている。
特に３歳馬は今、勝てなければ桜花賞・皐月賞に間に合わない。

どの陣営も 必至だ。

一生に一度の晴れ舞台であるクラシックに、
馬関係者なら愛馬を出走させたいだろう。

たとえ、勝ち目がなくとも出ることにも意味があるわけだし、
競馬はやってみなければわからない。
そのドラマがあるから人は熱くなれるだろう。

思い出すのは大学入学を直前に控えたこの時期のこと。
偏差値の高い高校で凌ぎを削るのを嫌い、
自分の偏差値よりもワンランクツーランク落として
優等生ぶることを選んだ高校生活だったため、
当然（？）成績は優秀。

大学にも楽々推薦で行けてしまったので、
割と暇を持て余していた。

今思えば、かわいげのない選択をした学生だったと思う。
同級生は受験 勉強に励む中、政治思想書を読んだり、
歴史文献を読み漁ったりしていた。

大学時代よりもこの時の方が本を読んだかもしれない。
本を読みながら来るべき大学生活にウキウキしていた。

田舎の高校生が春になれば上京する・・・
誰もが経験してそうな、ありがちな話。

しかも田舎の男子高校生なら誰もが思ったであろう
東京に行ったら…

「東京タワーを見てみたい」
「新宿・渋谷・原宿で買い物したい」
「スケベなお店に行ってみたい」

というありきたりな願望を持っていたが、

同時に「競馬場に行ってみたい」という気持ちも持っていた。
春になり、大学生になって、

いろんなものに一生懸命になって、
思い出したように土日は競馬中継を見ていた。

いうほど、競馬に一生懸命になっていなかったかもしれない。
とにかく刺激の多い学生時代を過ごしていた。

「競馬場に行ってみたい」という願望は、
自分が東京に出たにも関わらず、まだ達成されていなかった。

達成されたのは大学４年になる前の春休み。

弟が関西の大学に進学が決まった。
なんでも阪神競馬場近くの大学という。
これは競馬場に行くチャンスと思い、
たまたま田舎に帰っていたので、
弟の部屋探しに同行し、仁川へ。

部屋探しの途中で弟らと別れ、一人、阪神競馬場へ。

東京にいるのに、府中にも中山にも大井にも足を踏み入れず、
阪神競馬場が初の競馬場体験というのも、割と間抜けな話だ。
と、我ながらアホらしいやっちゃと思いながら
大負けして帰ったのを覚えている。

恥ずかしながら、就職活動する過程の中で
府中競馬場や中山競馬場の所在地を知り、
大学卒業までに府中には何度か通った。
（主戦場は大学近くの後楽園ＷＩＮＳだった）

これも間抜けな話だが、
府中競馬場と下宿していたアパートは
自転車で３０分くらいの距離だった。

今、振り返れば学生時代、
もっと府中に通えていただろうし、
もっと負けていたかもしれない（笑）

このコラムを読んでいる人の中に、
現役受験生はさすがにいないと思うが、
江戸川なりのエールを送りたい。

受験生に「がんばりなさい」と言える立場にはないけれど、
必死で参考書と睨めっこする学生の中に、
将来の競馬仲間・競馬ファンがいると思うと、
応援せずにはいられない。

受験や学歴で人生が決まるとは思っていないけれど、
自分の可能性が広がるのは確か。

競馬は死ぬまでやることができるけれど、
青春時代の勉強や受験は今しかできない。

とにかく後悔の無いように頑張ってほしい。
そして大人になったら一緒に競馬を楽しみましょう。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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