2012-10-24
「天皇賞・秋」という名勝負の代名詞。
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今週末は遂に<span class="big-s red">天皇賞・秋</span>を迎えます。<br />
このレースを迎えると、あとは年末までまっしぐら。<br />
世界的に注目を浴びる2000mという距離のG1ですから、<br />
今年もハイレベルなメンバーが集まりそうです。<br />
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また、競馬の歴史に残るようなドラマが多いことでも<br />
非常に有名なレースでは無いでしょうか。<br />
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そう、もはや競馬ファンに言わせれば、<br />
<span class="b u">名勝負の代名詞的なレース</span>と言っても過言ではないかもしれません。<br />
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私が競馬を始める前、ニュースで見た91年の天皇賞・秋。<br />
茫然とレースを見つめる老婦人。そして悲壮な顔の武豊騎手。<br />
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当時は競馬自体「?」でしたが、<br />
今思えば、この老婦人はメジロ軍団の北野ミヤさんで、<br />
武豊騎手が悲壮な顔をしていた理由も今ならはっきりとわかります。<br />
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単勝1.9倍の圧倒的な人気で、1位入線した<span class="b">メジロマックイーン</span>。<br />
武豊騎手はウイニングランを行い、<br />
ゴーグルを観客に向けて投げるパフォーマンスをするなど、<br />
勝利を確信していましたが、スタンドに戻ってきた際に、<br />
裁決室に呼ばれ、審議の結果、降着を言い渡されます。<br />
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<span class="b u">スタート直後、第2コーナーでの混乱で、<br />
メジロマックイーンが他馬を押圧。多数の被害馬が出てしまいます。</span><br />
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<span class="red b">審議の結果、メジロマックイーンは18着に降着</span>。<br />
未だに語り継がれる大事件と言えるかもしれません。<br />
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また、94年の天皇賞ではこれまで15戦闘い全てのレースで連対。<br />
当然、ここでも単勝1.5倍の圧倒的な人気を得ますが、レース中に屈腱炎を発症。<br />
ネーハイシーザーの5着に惨敗し、引退した<span class="b">ビワハヤヒデ</span>も有名でしょう。<br />
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翌週の菊花賞で弟のナリタブライアンは7馬身差で圧勝し、<br />
皐月賞・ダービーに続いて三冠を制覇。<br />
その際に実況を担当した杉本清アナウンサーが<br />
「弟は大丈夫だ」と語った事でも有名です。<br />
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そして個人的に、いえ、多くの競馬ファンの心の中に<br />
今でも残っている「トラウマ」といっても過言ではない出来事と言えば、<br />
<span class="red b">98年のオフサイドトラップが勝った天皇賞・秋でしょう。</span><br />
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このレースの人気は単勝1.2倍を背負った武豊騎手騎乗の<span class="red b">サイレンススズカ</span>。<br />
おそらく日本競馬史上最強の「逃亡者」でしょう。<br />
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98年に入り、無傷の6連勝。<br />
宝塚記念ではメジロブライトや女傑・エアグルーヴ<br />
(アドマイヤグルーヴ・ルーラーシップの母)をおさえ、優勝。<br />
最後はオルフェーヴルの父・ステイゴールドを振り切り勝利し、初G1制覇。<br />
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また、こちらも今や伝説となっている毎日王冠では、<br />
NHKマイルCを無敗で制し、<br />
後に凱旋門賞で惜しくも2着になった際に<br />
「2頭チャンピオンが存在した」と欧州人に言わしめたエルコンドルパサーや、<br />
朝日杯3歳Sを圧勝、後に宝塚記念を制し、<br />
有馬記念も2勝するグラスワンダーなど、<br />
超のつくハイレベルなメンバーに完勝。<br />
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後の凱旋門賞2着馬に影を踏ませなかった逃走劇に、<br />
サイレンススズカファンの期待値は天皇賞制覇、<br />
そして海外遠征へと大きくなっていました。<br />
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当然、天皇賞・秋でも単勝1.2倍の圧倒的1番人気に支持され、<br />
1000m57秒4の超ハイペースで大逃げをうちます。<br />
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後方には10馬身以上の大差をつけ、快調に逃げるサイレンススズカでしたが、<br />
<span class="red b">悲劇は第4コーナー手前。粉砕骨折を発症し、減速。競走を中止します。</span><br />
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テレビ中継を見ていた私も思わず<br />
「ボキッ!!」と聴こえたような気がしましたが、レースは続行。<br />
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オフサイドトラップがゴールをしますが、<br />
観客の注目は第4コーナーにそそがれます。<br />
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苦しそうにするサイレンススズカを背に、武豊騎手が悔しそうに<br />
鞍を抱える姿が印象的でした。名手はもう分かっていたのかもしれません。<br />
この後、サイレンススズカがどうなるかを。<br />
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<span class="b">サイレンススズカの悲劇は天皇賞・秋というレースの歴史を語る上では<br />
欠かせない重要なレースとなっています。</span><br />
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主戦騎手の武豊は「ディープインパクトが最も勝ちにくい馬」<br />
だったと述懐していますし、<br />
著名な競走馬生産者も「競走馬として最強の1頭」として<br />
高い評価をしていますし、<br />
<span class="red big-s u">未だに日本競馬最強馬として競馬ファンから名前が上がる1頭です</span>。<br />
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その後も、天皇賞・秋において鬼門とされる大外18番枠。<br />
(スタート直後にコーナーがある為、外枠は非常に不利を受ける)<br />
その18番枠で、レコード勝ちした<span class="b">シンボリクリスエス</span>や、<br />
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戦後初の天覧競馬で単勝14番人気の低評価を覆し、勝利。<br />
松永幹夫騎手が馬上から天皇・皇后に最敬礼したシーンが有名な<br />
<span class="b">ヘヴンリーロマンス</span>もこの天皇賞・秋が舞台でした。<br />
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そして、未だに最強牝馬論争が止まない<span class="b">ウオッカ</span>と<span class="b">ダイワスカーレット</span>の<br />
激戦が繰り広げられたのも天皇賞・秋でした。<br />
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勝ったのはウオッカでしたが、実質的に高い評価を受けたのは<br />
前半1000mを58秒7という早いラップで駆け、<br />
終いを58秒5という更に早いラップで駆け抜けたダイワスカーレット。<br />
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苦しい展開になりながらも、後方から猛追するウオッカ・ディープスカイを<br />
差し返した瞬間も見え、近年の・・・いえ、天皇賞の中でも、<br />
歴史的な名勝負になったといえます。<br />
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昨年は<span class="b">トーセンジョーダン</span>が日本レコードの1分56秒1で勝利。<br />
トーセンジョーダンは今年も出走予定です。<br />
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天皇賞秋はただ長いだけの歴史ではありません。<br />
あらゆる時代の名馬がぶつかり合い、名勝負を生んできました。<br />
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サイレンススズカのような悲劇は起こらないようにと願いつつ、<br />
今年も名勝負が見られますように・・・と願いを込めて、<br />
週末を迎えようと思います。<br />
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このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。
また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!
予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など
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11/16(土)は東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G2)
11/17(日)は京都11R マイルチャンピオンシップ(G1)
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