2014-12-25 ​希望あふれる2015年

​ 「2014年の競馬もいろいろありましたな。」

きっと30年後、40年後にはこう振り返るかも知れない。
（生きていればの話だけれど）江戸川老人は
若い競馬ファンにいつかこう語りかけるだろう。

ジャスタウェイが世界一になったり
ＷＩＮ５の払戻金が６億円になったり、
３歳牝馬が凱旋門賞に初挑戦したり
地方馬が中央馬を脅かすようになったり、
いろいろな競馬の流れが変わっている感じがする。

２歳Ｇ１は非社台系統の馬が勝ったし、
若手騎手の頑張りも目立っている。

たしかに時代が変わってきているようだ。

ただ、今年最後のコラムを
「希望あふれる2015年」としたのにはワケがある。

それは武さんのフェニックスぶりが最近半端ないからだ。
2010年の落馬事故以来、低迷っぷりが懸念されていたし、
自分も「もうダメだ」と何度も思った。

でも、去年のダービーをキズナで勝って以降、腕が戻ってきた。
武さん自身も「帰ってきました」って言ってたくらいだから、
あれが大きなきっかけになったことは間違いない。

馬質の割に勝ち鞍も増えていたし、
今年は100勝いけるんじゃないかと思うくらい復活していた。

この秋は何度か穴ジョッキーっぷりを発揮していて、
助けてもらったことが幾度かある。

そう思っていた矢先の再度の落馬事故。
せっかく腕が、勘が、馬が戻ってきたのに・・・心配で仕方なかった。

夏は大事をとって休養。
秋の開催には間に合わせてきた。

馬質は徐々に良くなってきたし、復帰と前後するように
旧知の仲間である元ジョッキー達がこぞって、
武さんにいい馬を回し始めた。

松永幹夫厩舎からティルナノーグのような
期待の馬も回ってきていたし、
ティルナノーグを所有するノースヒルズや
メイショウでお馴染みの松本オーナーをはじめとして、
社台系の個人馬主からも依頼が増えている。
特に一口クラブでもキャロットあたりは、
比較的、武さんに馬を回している。

武豊という一時代を築いた男に今、明らかに追い風が吹き始めている。

今週末を残してはいるものの、すでに86勝。
夏の休養がなければ、100勝していたラインに違いない。

先週も４勝を上げているわけだから、
来年もこのペースでいければ、
多少失速しても100勝というラインは余裕で越えてくる。

とにかく武豊に再び風が吹いている。
今年の凱旋門賞の中継だって、
「武豊×キズナ」が出ていれば、
「史上最強の布陣」と煽りまくっていた内容に
より真実性が加わっていたはず。

結果ももっと違っていたかもしれない。
福永祐一という騎手もわりかし花のある騎手だし、
川田・浜中あたりもイケメンで見栄えもいい。

しかし、彼らを並べても武豊という花と比べてはかわいそう。

大輪すぎる。ケタが違う。
とにかく武豊のネームバリューは凄い。

競馬とは無縁の田舎のじーちゃん、ばーちゃんでも知っているレベルだ。
よく野球のイチローや将棋の羽生名人と
同年代の天才として扱われるけれど、
世間的にマイナスのイメージが強い競馬というフィールドで
30年近く第一線で活躍してきたことを考慮すれば、
もっと評価されてもいいんじゃないかと思う。

将来は国民栄誉賞をとって欲しいレベルだ。

それに勝負師というような厳つい風貌ではなく、
飄々としたスマートな雰囲気がいい意味で
競馬とは合っていないのだろう。

有馬記念の枠順抽選でも有力馬が散々外枠引いた中で
「全馬が希望通りの枠に入れて良かった」とか、
ひと笑い取りに行ってたあたり、サービス精神も抜群。

とにかく武豊は競馬界の看板だ。
来年の競馬は武豊が目立ってくれるだろう。

それゆえに、最内枠をゲットしたトーセンラーには
妙味を感じざるを得ない。

最初からあそこを狙っていたということは、
間違いなく馬群を捌く自身があるんだろうし、
大逃げを打つ可能性だってある。

「ユタカマジック」に期待して、年越しをしたい。

東京大賞典でもワンダーアキュートで儲けさせてもらいたい。
そんな一方的な要求を突きつけておきつつも、
来年は武さんの勝利ジョッキーインタビューを
たくさん見れることを願って、締めたいと思います。


最後に・・・
今年も１年、お付き合いいただきありがとうございました。
来年も競馬をよろしくお願いします。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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