2014-10-16 ​競馬の歴史がまた１ページ

​ 三連休最終日とはいえ、祝日じゃないか。
なぜこうも人が少ないのか。

台風１９号が迫る13日の祝日の朝、
東京競馬場に足を踏み入れた江戸川は思ってしまった。

台風も迫っているし、
三連休の雨の最終日ということもあってか、
府中本町の改札から西門に向う通路の中の人は
江戸川の想像よりもはるかに少なめ。

同行していた友人も「少ない」と言っていた。
１Ｒ目発走直前の時間でも指定席は楽勝でとれたし、
最終レースまで空席も目立っていた。

席に座り「多摩の横山」を向こうに見ながら、
もうすぐ訪れるであろう雨の気配を感じていた。

秋だなぁ、とか。
もう10月だもんなぁ、とか。

深まる秋の気配に想いをはせつつ馬券を買う。

レースの合間。
儲けた小銭を元手にして食料を調達を開始する江戸川さん。

もちろん１Ｒから競馬を堪能する為に
早起きして競馬場に来たもんだから朝飯を食べていない。

１Ｒで儲けたお金で何か食べようと思い立ち、
何か所かのフードコート周辺をウロウロしてみた。

世代的に若い層はネットで馬券を買うからか、
たしかに何か大きなレースが無ければ
わざわざ来る必要がないかもしれない。

まして台風が近づいている雨降りの日だ。

江戸川のように人ごみが嫌いな人間は
こういう特殊な開催の時は狙って競馬場にやってくるが、
ダービーとか有馬記念のように人が集まるときは
テレビ観戦が最高かもしれない。

しかし、競馬場に全く行かない江戸川も想像できない。

臨場感、一体感、興奮、迫力、財布のやられ具合。
どれをとってもテレビ観戦の比じゃない。

テレビにはテレビの、競馬場には競馬場の
競馬の楽しみ方の作法というのがあるのではないだろうか。

なんてことを考えながら、食糧を調達し、自分の席へ戻る。
買ってきたものをつまみながら、競馬新聞をおもむろに見始め、
どーでもいい講釈を垂れる。

とにかくいろいろひどかった。


「府中の丹内とかどうやって買うんだよ（怒）」
（丹内騎手が12番人気を３着にもってきた）

「そｗｗうｗｗだｗｗんｗｗやｗｗくｗｗｗ」
（柴田善騎手の４着が生で見れた）

「サンレイデュークとか誰だよ（呆）」
（東京ハイＪでアポロマーベリックから買ったら憤死した）

「え？川崎競馬あるんすか？台風きてるのに？（衝撃）」
（知り合いのグラビアアイドルから電話がきた）

「蛯名きた！！！ベリー来航！！！」
（メインレースを当てた）

「え？ミス東スポの候補生なの？それってなんか凄くないですか？」
（東スポ思い切ったな…川崎競馬場でイベントやるらしい）

「蛯名好調だから、最終Ｒは的場と蛯名の２頭軸でいくわー」
（的場１着、蛯名10着…）

「競馬場ってすごい！いつも以上にめっちゃ負けた＼(^o^)／」

当たったレースもあったけれど、いろいろダメだった。
いっしょに行った友人も憤死。

最終レースに近づけば近づくほど、口数が減っている。

人生は甘くない。
競馬も当然甘くない。

雨が強くなる府中本町への帰り道。
まだ夕方５時前だ。

「もう飯食いに行く気力もない。家帰って銀河英雄伝説でも見るわ」
「俺もそうする、銀河英雄伝説みるわ」

駅で別れるアラサー男子２人。

古いアニメだが最近、
競馬スピリッツのスタッフの間で流行っているらしい。

帰り道に近所のＴＳＵＴＡＹＡに寄って
銀河英雄伝説のＤＶＤをレンタルした。

「銀河の歴史がまた１ページ」という決めゼリフが有名だが、
江戸川の競馬歴史書に再び「敗戦」のページが増えてしまった。

「勝利」のページが１ページも増えないのだから、
江戸川自身がいつ銀河の深淵に消えていってもおかしくはなさそうだ。

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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