話題の競馬トピックに独自の視点で陽気に笑顔で辛口に切り込む!
江戸川乱舞コラム「Alohaな競馬」
2014-08-21 思い上がりの夏-追憶-
※ これまでの続き
江戸川の人生で初めて読書に熱中した時期に出会った作家・眉村卓。
多くの映像作品の原作を手掛ける彼との出会いは
江戸川が高校生の頃に見たドラマ。
その眉村卓の作品を見慣れない古本屋でまとめて購入した江戸川は
夢中になり、その作品を読み進めた。
その中の1冊の短編集「思い上がりの夏」に収められた
「名残の雪」に違和感を覚えたのだった。
==================================
今まで一文字一文字追いかけるように読み進めていた本を
競馬中継見たさに少々、雑に読み始めた江戸川。
「名残の雪」主人公ともいえる守衛が
<友人と幕末にタイムスリップ>しひょんなことから新選組に入隊し、
<池田屋事件>や<鳥羽・伏見の戦い>に参加し、<二度目のタイムスリップ>した。
わかった。そこまではわかった。
しかしその「名残の雪」の中にこんな文章が残っていた。
主人公である守衛が二度目のタイムスリップをした後を振り返る話の中で
----
調べてみて分かったのだが、ここは、私が暮らした幕末の、その延長線上にあった。
ただし、ここでは年号は昭和ではなく、光文になっている。
その光文三十九年に舞い込んだのだ。
----
つまり昭和の時代に生きていた守衛は、一度目のタイムスリップで幕末に。
そして二度目のタイムスリップで
光文という時代にタイムスリップしたという話のようだ。
たしかに、「名残の雪」の中の池田屋事件で桂小五郎が死んでいた。
その世界では幕末でおそらく明治維新を迎えることなく
列強の植民地になった日本があり、その守衛がタイムスリップした
光文という年代にようやく独立を取り戻したという歴史があるらしい。
つまり「パラレルワールド=平行世界」にタイムスリップしたということだ。
ほぅ・・・。なんか面白い話だなと妙に得心していたらまさに15時ジャスト。
競馬中継が始まる。
江戸川の競馬人生初の直線競馬を見れる。
テレビをつけ競馬中継にチャンネルを合わせる。
いつもの日曜午後の楽しみの時間だ。
SFという空想の世界から急激に現実に引き戻されたが、
直線競馬の中継はまさに新鮮だった。
向こう正面からコーナーを回って最後の直線---という
今までの常識を覆すような、まっすぐ走るだけのコース。
「なんか、凄い。」
見慣れぬ新潟左回りコース。しかもひたすら直線。
21世紀になったばかりのその時、新しい時代の革新性を感じることが出来た。
当時はタイキシャトルやシーキングザパールの欧州遠征や
エルコンドルパサーの凱旋門賞2着などの記憶がまだ新しかった時代。
バブル余波で海外から買ってきた馬が
続々日本調教馬として海外で結果を出し始めていたまさに進化の時代。
新潟の直線競馬は新しい時代の象徴に見えたのは事実。
ようやく見れたという感慨と、
こんなものかというあっさり感が入り混じった微妙な心境のまま、
江戸川は再び「名残の雪」の最後の部分を読み始めた。
その名残の雪のラストシーンは、
亡くなった守衛と仲の良かったもう一人の主人公が牡丹雪が降る中
<経済大国になり、成長を遂げる昭和の日本>
<植民地から独立し、なにもかもがこれからの光文の日本>
そんな対比に想いを馳せる主人公は、どこか
<国内だけの頂点・国内だけの市場に固執していた日本競馬>
<世界とも対等に戦えるようになってきた日本競馬>
という時代の移り変わりの時期に想いを馳せる江戸川と重なった。
「名残の雪」は主人公が牡丹雪の降る中、
様々な想いを抱えるラストシーンがあるけれど、こんな一節で結ばれていた。
----
雪はあとからあとから降ってくる。
街灯に照らし出されては沈みながら、ますます多くなるのだ。
天を仰ぐと、蒼茫とした空から無数のぼろぎれのように落下して来るのであった。
三月に降る、いわゆる名残の雪にしては、ひどく賑やかな感じだった。
----
二日後、再び見慣れない古本屋に江戸川は向かった。
あのとき買った7冊はもう既に読み終わってしまったからだ。
毎日通っている見慣れた高校のそばを自転車で通り過ぎ、あの商店街へ。
そしてあの古本屋の前で自転車を停めようとすると・・・無いのだ。
無くなっていた。あの古本屋が無くなっていた。
店じまいとかではなく、店舗そのものが無いのだ。
完全な駐車場になっていた。
二日程度でこんな大きな一軒家くらいの古本屋が解体され、
整地され、駐車場になるはずがない。
しばらく呆然としていた、
あの古本屋はなんだったのだろうと未だに不思議で仕方ない。
クラスの誰に聞いてもそんな古本屋は知らないというし、
その商店街の近所の人間に聞いても、古本屋の存在すら知らないという。
あの夏の日から十数年が過ぎ、未だに郷里に帰った時も、
ふとその古本屋のことを思い出す。
今では古本屋どころか商店街すら姿を消そうとしている。
時代の流れには逆らえないものかもしれないが、
未だに発売から50年近く経つ数冊の眉村作品を江戸川は大切に保管している。
この本は、あの古本屋があった事の証明だからだ。
==================================
今までお付き合いいただき、ありがとうございました。
来週からは平常運転に戻ります。
江戸川の人生で初めて読書に熱中した時期に出会った作家・眉村卓。
多くの映像作品の原作を手掛ける彼との出会いは
江戸川が高校生の頃に見たドラマ。
その眉村卓の作品を見慣れない古本屋でまとめて購入した江戸川は
夢中になり、その作品を読み進めた。
その中の1冊の短編集「思い上がりの夏」に収められた
「名残の雪」に違和感を覚えたのだった。
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今まで一文字一文字追いかけるように読み進めていた本を
競馬中継見たさに少々、雑に読み始めた江戸川。
「名残の雪」主人公ともいえる守衛が
<友人と幕末にタイムスリップ>しひょんなことから新選組に入隊し、
<池田屋事件>や<鳥羽・伏見の戦い>に参加し、<二度目のタイムスリップ>した。
わかった。そこまではわかった。
しかしその「名残の雪」の中にこんな文章が残っていた。
主人公である守衛が二度目のタイムスリップをした後を振り返る話の中で
----
調べてみて分かったのだが、ここは、私が暮らした幕末の、その延長線上にあった。
ただし、ここでは年号は昭和ではなく、光文になっている。
その光文三十九年に舞い込んだのだ。
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つまり昭和の時代に生きていた守衛は、一度目のタイムスリップで幕末に。
そして二度目のタイムスリップで
光文という時代にタイムスリップしたという話のようだ。
たしかに、「名残の雪」の中の池田屋事件で桂小五郎が死んでいた。
その世界では幕末でおそらく明治維新を迎えることなく
列強の植民地になった日本があり、その守衛がタイムスリップした
光文という年代にようやく独立を取り戻したという歴史があるらしい。
つまり「パラレルワールド=平行世界」にタイムスリップしたということだ。
ほぅ・・・。なんか面白い話だなと妙に得心していたらまさに15時ジャスト。
競馬中継が始まる。
江戸川の競馬人生初の直線競馬を見れる。
テレビをつけ競馬中継にチャンネルを合わせる。
いつもの日曜午後の楽しみの時間だ。
SFという空想の世界から急激に現実に引き戻されたが、
直線競馬の中継はまさに新鮮だった。
向こう正面からコーナーを回って最後の直線---という
今までの常識を覆すような、まっすぐ走るだけのコース。
「なんか、凄い。」
見慣れぬ新潟左回りコース。しかもひたすら直線。
21世紀になったばかりのその時、新しい時代の革新性を感じることが出来た。
当時はタイキシャトルやシーキングザパールの欧州遠征や
エルコンドルパサーの凱旋門賞2着などの記憶がまだ新しかった時代。
バブル余波で海外から買ってきた馬が
続々日本調教馬として海外で結果を出し始めていたまさに進化の時代。
新潟の直線競馬は新しい時代の象徴に見えたのは事実。
ようやく見れたという感慨と、
こんなものかというあっさり感が入り混じった微妙な心境のまま、
江戸川は再び「名残の雪」の最後の部分を読み始めた。
その名残の雪のラストシーンは、
亡くなった守衛と仲の良かったもう一人の主人公が牡丹雪が降る中
<経済大国になり、成長を遂げる昭和の日本>
<植民地から独立し、なにもかもがこれからの光文の日本>
そんな対比に想いを馳せる主人公は、どこか
<国内だけの頂点・国内だけの市場に固執していた日本競馬>
<世界とも対等に戦えるようになってきた日本競馬>
という時代の移り変わりの時期に想いを馳せる江戸川と重なった。
「名残の雪」は主人公が牡丹雪の降る中、
様々な想いを抱えるラストシーンがあるけれど、こんな一節で結ばれていた。
----
雪はあとからあとから降ってくる。
街灯に照らし出されては沈みながら、ますます多くなるのだ。
天を仰ぐと、蒼茫とした空から無数のぼろぎれのように落下して来るのであった。
三月に降る、いわゆる名残の雪にしては、ひどく賑やかな感じだった。
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二日後、再び見慣れない古本屋に江戸川は向かった。
あのとき買った7冊はもう既に読み終わってしまったからだ。
毎日通っている見慣れた高校のそばを自転車で通り過ぎ、あの商店街へ。
そしてあの古本屋の前で自転車を停めようとすると・・・無いのだ。
無くなっていた。あの古本屋が無くなっていた。
店じまいとかではなく、店舗そのものが無いのだ。
完全な駐車場になっていた。
二日程度でこんな大きな一軒家くらいの古本屋が解体され、
整地され、駐車場になるはずがない。
しばらく呆然としていた、
あの古本屋はなんだったのだろうと未だに不思議で仕方ない。
クラスの誰に聞いてもそんな古本屋は知らないというし、
その商店街の近所の人間に聞いても、古本屋の存在すら知らないという。
あの夏の日から十数年が過ぎ、未だに郷里に帰った時も、
ふとその古本屋のことを思い出す。
今では古本屋どころか商店街すら姿を消そうとしている。
時代の流れには逆らえないものかもしれないが、
未だに発売から50年近く経つ数冊の眉村作品を江戸川は大切に保管している。
この本は、あの古本屋があった事の証明だからだ。
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今までお付き合いいただき、ありがとうございました。
来週からは平常運転に戻ります。
このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。
また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!
予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など
競馬スピリッツなら
江戸川乱舞の予想が完全無料で見られる!
平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選ぶをモットーに
独自の予想を繰り広げ、高配当の的中レースを量産中!
初心者では目の届かない見落とされがちな馬を選び、的中に導く予想は見事なもの!
もちろん全て無料で見られます!
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11月16日(土) 東京11R
【五十嵐】獲得金:23,000円
【大五郎】獲得金:9,900円
合計:32,900円
11/30(土)は中山11R ステイヤーズS(G2)
12/1(日)は中京11R チャンピオンズカップ(G1)
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