2012-09-26
高速馬場について。
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<span class="red big-s">京成杯AHが行われた9月9日。<br />
同レースでレオアクティブが世界レコードとなる1分30秒7を叩き出しました。</span>
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<span class="b u">個人的には予想をする上でタイムはそこまで重要視しません。</span><br />
マイルでレオアクティブが世界一速いタイムを出したから、<br />
レオアクティブは世界一強いとはならないからです。
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競馬においてタイムとは気象条件・レース展開など様々な要因が絡み合って<br />
構成されるものであって、それが全てでは無いと私は思っています。
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あくまで参考程度と私は見ていますが、<br />
そんな私でも<span class="red b">近年の競馬のレースタイムがどんどん速くなっている事はわかります。</span>
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レオアクティブが世界レコードとなる1分30秒7を叩き出した瞬間、<br />
現地観戦していた私の近くにいた見知らぬ競馬ファンのグループが<br />
「ダビスタじゃねんだぞ」と語気を強めていた事を思い出します。
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たしかに中山競馬場の2歳のレコードタイムが<span class="b">マイネルレコルト</span>の<span class="b">1分33秒4</span>。
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3歳のレオアクティブとは年齢的に9ヶ月の誤差がありますが、<br />
9カ月でタイムが約3秒も縮まるとは思えませんし、<br />
同じ中山競馬場の他の競走距離を見ても2歳レコードと3歳以上の<br />
レコードのタイム差は約1.5秒以内で収まっていることから考えても、<br />
マイル戦だけは非常に際立ったタイム差と言えます。
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<span class="red big-s">近年、日本の馬場が堅くなり高速化が進んだと言われています。</span>
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「<span class="b">タイムが速くなっている。そのせいで競走馬に過重な負担がかかり故障が増えている</span>」<br />
という論調も別に珍しくありませんし、実際馬主の方や現役騎手からも<br />
高速馬場に対する懸念が出ています。
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たしかに私が競馬を見始めた頃は、芝だと、上がり3F35とか36秒台が普通で、<br />
34秒台が出ると相当なキレ味を持っている馬だと評価されていたように思います。
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ダートなんかは38秒とか40秒とかもザラに見れた時代で、<br />
今考えるとたしかに「高速馬場だ」と言われても納得せざるを得ません。
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競走馬や調教レベル向上も当然あるとは思いますが、<br />
サクラバクシンオーがスプリンターズSで記録した当時の日本レコード1分07秒1よりも<br />
速いタイムが条件戦で出るようになりました。
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記録は破られるものですから、ある程度は仕方がないのかも知れませんが、<br />
<span class="b u">少しでも競走馬に負担のないようにお願いしたいです。</span>
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話は少し変わりますが、この「高速馬場論争が是か非か」ではなく<br />
競馬新聞の馬柱欄にある上がり3Fの数字を見る度にいつも思い出す馬が1頭います。
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<span class="b">ニホンピロプリンス</span>という馬をご存じでしょうか。<br />
当時、上がり3F35〜36秒台が当たり前の時代に見た<br />
上がり3F33秒台の数字を連発していた馬で、<br />
小学生だった私には1頭だけ別次元の競馬をしているように見えました。
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ニホンピロプリンスは89年生まれの競走馬で父は伝説の<span class="b">マイラー・ニホンピロウイナー</span><br />
母は<span class="b">ニホンピロクリア</span>で、弟に南部杯を勝った<span class="b">ニホンピロジュピタ</span>や<br />
甥に小倉記念勝ち馬の<span class="b">ニホンピロレガーロ</span>がいる小林百太郎オーナー自慢の血統の馬です。
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92年2月にデビュー。<br />
長らく条件馬として競走生活を送りますが、<br />
驚異的な末脚を武器に94年の当時G2だったCBC賞で武豊騎手を乗せ初重賞制覇。<br />
当時としては異例の上がり3F33.8秒を記録します。
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また晩年には小林徹弥騎手を乗せG2のマイラーズCを制し、<br />
小林徹弥騎手に初重賞制覇をもたらすなど長期間活躍しますが、<br />
その反面、小林徹弥騎手を2度落馬させるなど気性難が目立ち、<br />
かなり個性派として鳴らしました。
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中でも、当時まだオープン戦だったシルクロードSでは<br />
<span class="b red">後方から一気に33.0秒の末脚を繰り出し3着に入線。</span><br />
この時の馬柱を見てかなり興奮した小学生の頃の記憶があります。
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この馬柱を見た時に「ダービー勝ったタヤスツヨシよりも強い」とか<br />
全くワケのわからない比べ用の無い事を言っていた記憶もあります。<br />
それくらい、当時の上がり3F33秒なんていう数字は脅威でした。
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ニホンピロプリンスは96年の愛知杯を最後に引退、97年に種牡馬入りします。
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父のニホンピロウイナーは「皇帝」と言われたシンボリルドルフですら、<br />
マイル以下では叶わないと言われていた存在だけに、<br />
その快速ぶりを伝える後継馬の1頭として期待されていましたが、活躍馬は出せず、<br />
地方競馬で勝ち馬を出すのが精一杯でした。
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ニホンピロウイナーの後、短距離戦線で活躍した種牡馬と言えば<br />
<span class="b">サクラバクシンオー</span>が有名です。<br />
サクラバクシンオーはニホンピロプリンスと同い年で、<br />
引退後は、種牡馬入りし、数々の活躍馬を輩出しました。
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日本競馬の革命児・サンデーサイレンスは、芝・ダート問わずあらゆる分野で<br />
競馬界を席巻しましたが、短距離だけはサクラバクシンオー産駒の牙城を崩せないまま<br />
引退しました。
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未だに中山1200mのレースがあると、競馬新聞を見て最初に行う作業は<br />
「<span class="b">サクラバクシンオー産駒がいるかどうか</span>」です。
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今週、その中山・芝1200mでスプリンターズSが開催されます。<br />
今年はどんな伝説が生まれるのでしょうか。
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高速馬場の話題が出る度に、私はニホンピロプリンスの雄姿を思い出すのです。
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このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。
また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!
予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など
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