2014-06-19 ​多摩川の夕日。

​ 人は誰もが郷愁感というものを持ちます。

ふるさとを懐かしく思ったり、過去のものや遠い昔などにひかれる気持ち。
きっと誰もが持つ気持ちの一つ。
かっこよく言えば、ノスタルジーってやつですね。

おそらく「夏」といえば、
誰もが懐かしい気持ちになる思い出の一つや二つは
持っているものではないでしょうか？

海、花火、ひまわりなどなど夏を思い出すキーワードが出てくれば、
自然と楽しかった思い出も連想されていくものだと思います。

競馬開催といえば、首都圏や京阪地域を中心に
各地のローカル競馬場で毎週のレースが構成されていますが、

夏競馬だけは札幌・函館の北海道シリーズを中心に、
福島、新潟、中京、小倉で開催されます。

札幌や小倉のように市内中心から近いところにある競馬場もありますが、
新潟のようにやや中心部から離れた場所にある競馬場もあります。

競馬場自体は緑の芝生にきれいなスタンドと、
景観として見た時にも非常に美しいものがありますが、

暑い夏の日に競馬中継を見た時に不意に映り込む
山々の景色や青々とした空にかかる入道雲などは「いとをかし」というもの。
趣深いということですね。

夏らしい景色は競馬に集中している瞬間にも
一時の清涼感を与えてくれるものです。

まだ梅雨入りして間もない時期で、
夏の盛りの頃の話をするのは若干気も早いかと思いますが、
来週の宝塚記念を終えれば本格的な夏競馬シーズンに突入。

７月にある七夕賞（Ｇ３）では当日の特別競走に
織姫賞や彦星賞といったレースも組まれていますし、

夏競馬の名物の一つと言っても過言ではない
直線1000ｍで行われる新潟のアイビスサマーダッシュ。

例年Ｇ１級の馬が多数出走してくる札幌記念に、
来年のクラシックを占う２歳重賞の数々。

江戸川のように体感温度と毎週のレースで四季を感じるような輩には
夏競馬は夏競馬で見どころもあれば、
レースによってはノスタルジーを感じてしまうレースもあります。

先週のエプソムＣで３着になったダークシャドウに出会ったのも、暑い夏の日。

2010年の終戦記念日の日に行われた札幌競馬の支笏湖特別で
圧倒的人気を背負ったダークシャドウ。
デビュー以来、２戦２勝でした。

当時は江戸川乱舞として世に出ていたわけでもなくただの競馬ファン。

（今も昔も変わらず）その日は外れ続けていて、

「ダークシャドウとガリレオ産駒のミッションモードとの１点でいけるだろ」と
ぶち込んだ当時の江戸川青年。

今思えば、距離適性・洋芝適性などを
考慮に入れればよかったものの、何も考えず、熱くなって勝負。

ミッションモード２着、ダークシャドウ４着と
馬券的には外れに外れた結果で、もうお金も気力も体力も無くなって、
府中競馬場の中で茫然自失。

なんとか府中本町の駅まで歩いて行って
なぜか電車に乗らず、徒歩で多摩川方面へ。

本当ならそのまま、川へ身を投げる勢いですが、
お盆の時期に何やってんだと、我に返ったのが多摩川近くの是政駅そばの橋のあたり。

なんとなく多摩川を渡って稲城方面へ。
暑い夏の日でしたが多摩川の水面に映る夕焼けを見ながら
「なんでこんな大人になってしまったんだ」と後悔の念が噴き出す江戸川。

出来るなら生まれてくるところからやり直したい。
無理なら競馬に出会わないところからやり直したい。
せめて、ダークシャドウにぶちこむ前のところからやり直したい。

もうとにかく何でもいいから
人生をやり直したい一心で多摩川の夕焼けを見ていた江戸川。

あれから４年。
今年も夏がやってきます。

夏の思い出は楽しかったり、甘酸っぱかったり、
一生の思い出に残るものだったり、かたや忘れかけているものだったり・・・

様々私も持ち合わせていますが、
多摩川の夕焼けを見ていたあの日も忘れかけていた思い出の一つ。

ダークシャドウの走りを見ながら
忘れかけていた夏の思い出を取り返した江戸川なのでした。

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