2014-04-24 ​地方競馬も面白い。

​ この原稿を書いているのは、４月２３日の水曜日の夕暮れ時。

あと数時間で大井の羽田盃が発走します。

南関クラシック第一弾。
中央競馬で言うトコロの皐月賞ですが、
このレース、混戦だった先週の皐月賞とは打って変わって
ハッピースプリントという怪物の１強状態。

現在、単勝1.0倍。

レースの開始までにはさらに投票数は増えると思いますが、
ハッピースプリントは都合のいいように見積もっても、
1.1倍つけば御の字でしょう。私も勝つと信じています。

が、しかしこのハッピースプリント、実は生粋の南関出身馬ではありません。
もともとは門別出身の馬で、昨冬、南関に移籍。

そこまではダービーに直行するプレイアンドリアルと同じですが、
ハッピースプリントが目指すのは
日本ダービーではなく、大井で行われる東京ダービー。
南関の世代最強を決めるレースです。

「こんな話、地方競馬スピリッツでやってくれ」
という声も聞こえてきそうですが、
実は最近、馬主さんたちの間では地方競馬、
特に賞金の高い南関は身近な存在になっています。

ここ10年ほどのダート界といえば、
上手い具合にスターホースが現れて、その馬が王者として君臨し、
その王政を打倒するような新星が現れるという構図が続いています。

とくに交流重賞、とりわけそこにやってくるスターホースの存在は
各地の地方競馬場における収支を大きく左右します。

また高知競馬のようにＪＲＡの開催と自場の開催をうまく連動させて
売り上げ収支を黒字化し、賞金を上げることで馬を集め、
所属馬全体のレベルを上げることに成功している例もあります。

昨日のオグリキャップ記念（笠松重賞）で確勝級と目されていた
金沢のジャングルスマイル相手に大穴を空けたのは９番人気の高知所属馬。

11年に阪神大賞典を勝ったナムラクレセントも現在、高知で走っています。

このように地方競馬全体の底上げも顕著ですが、
近年、中央では一息になったダート馬が
南関に続々移籍しているのはご存知でしょうか。

中央はダートのレースが少なく、
適条件があっても賞金が無ければ出走できず、

交流重賞を使いたくても、
ロートルが居座り続けているので、なかなか席が空かない。

馬主としては使いたくても使えない状況が続いており、
そのことが問題となっていましたが、その問題を解消するべく、
地方競馬移籍に踏み切る馬主さんも最近増えています。

移籍してしまえば交流重賞にも
「中央馬」ではなく「地方馬」として参加することが可能です。

最近ではジョーメテオ（中央では準ＯＰクラス）が
南関の浦和に移籍し、南関重賞を勝ったり、交流重賞で３着になるなど、活躍中。

南関の場合だと、交流重賞でなくても1000万～2000万ほどの優勝賞金が見込める為、
中央の1000万クラス～ＯＰクラスのレースを勝つ金額と同じ賞金が見込めます。

レースレベルも中央よりは楽なので、
個人馬主を中心に、早くから南関に移籍させる馬主さんも増えています。

素質はありながら未勝利のまま３歳の秋に中央では走れなくなった馬も
地方競馬で２勝すれば、再度中央への移籍が可能になるため、
その精度をうまく利用して
フェデラリストやゴルトブリッツのように重賞を勝つ馬も出てきます。

今や中央競馬と地方競馬はファンだけでなく、
馬主や関係者にとっても重要な存在となっています。

注目していた馬、応援していた馬の次なるステージとして
「地方競馬」という舞台がクローズアップされてきていますし、

馬主たちの間でもラブミーチャンやプレイアンドリアルのように、
地方競馬を盛り上げる為、あえて地方競馬所属のまま戦う馬もいます。

中央競馬の華やかな舞台に慣れている
競馬スピリッツ会員の方も多いと思いますが、

その中央競馬を影から支えているのが地方競馬。

その事実を競馬スピリッツを通じて知った江戸川は
地方競馬も愛さずにはいられないのです。

 

平凡サラリーマンから、独自の「逆走競馬予想」で競馬評論家に転身した江戸川乱舞。
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