話題の競馬トピックに独自の視点で陽気に笑顔で辛口に切り込む!
江戸川乱舞コラム「Alohaな競馬」
2012-09-12 9.16、オルフェーヴルがロンシャンへ降り立つ。
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<span class="big-s">ついに日本最強馬がロンシャンの舞台に立ちます。</span><br />
そのレースは凱旋門賞のステップレースとして名高い<span class="red b">フォワ賞</span>。<br />
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現役最強馬がどの程度通用するのか、非常に気になるところ。<br />
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日本人は(競馬に限らず)海外遠征となると、<br />
異常なまでのロマンに駆られる傾向にあるように思います。<br />
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島国だから仕方ないことかもしれませんが競馬に関しては、<br />
15年前ほど前までは後進国だったし(見方によっては今もそうかもしれない)、<br />
競馬が世間的に、最も盛り上がっていた時ですら、<br />
日本の実力馬が海外に出て行って散々な負け方をして<br />
帰国するのを何度も見てきました。<br />
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98〜99年頃に、<br />
<span class="b">タイキシャトル</span>や<span class="b">エルコンドルパサー</span>らがヨーロッパの主要G1レースを制し、<br />
ようやく日本競馬もヨーロッパに追いついたと思われましたが、<br />
アジアやアメリカでの勝利はあるものの<br />
<span class="b u">ヨーロッパの主要レースを勝つ馬はここ十数年出ていません</span>。<br />
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06年に<span class="b">ディープインパクト</span>が凱旋門賞で3着に入線するも、<br />
禁止薬物が検出され、失格処分となったことがありましたが、<br />
史上最強馬の失態に必要以上の落胆をさせられた事もありました。<br />
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どこの放送局かは定かではありませんが実況アナウンサーが当時の凱旋門賞で<br />
「ディープインパクト3着!ディープインパクトは3着です・・・この馬でも無理なのか。<br />
ディープの、日本の夢はここで潰えました」と<br />
多少の言葉の違いはあるかもしれないが、こんなことを言っていたように思います。<br />
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まさにその通りで、日本最強馬の3着に加えて、<br />
禁止薬物事件のWパンチは一気に希望を見失う結果となってしまいました。<br />
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そうは言っても、2000年代中ごろからは海外で日本馬の活躍も多くなり、<br />
徐々に競馬ファンの間でも、<br />
<span class="red b">「この馬なら勝てる」とか「勝負になる」という言葉もちらほら聞くようになりました。</span><br />
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サブカルチャーも巻き込んだ90年代の競馬ブームが<br />
その下地を作ったと言っても過言ではないと思います。<br />
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それはその競馬ブームの中に競馬ファン全体が<br /><br />
「海外」をはっきり意識する内容が割と多かったのも要因だと思います。<br />
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競馬ゲームでも国内最強を極めた後は、<br />
海外遠征(=凱旋門賞)をすることが一つのゴールになっていましたし、<br />
当時大人気だった競馬マンガ「みどりのマキバオー」でも、<br />
マキバオー最大のライバル・カスケードが<br />
無敗のまま(皐月・マイルC・ダービーの変則三冠を制覇)3歳で欧州遠征し、<br />
ステップレースのニエユ賞を圧勝するも、<br />
凱旋門賞では(病気に侵されていたとはいえ)ズルズルと後退し、<br />
惨敗を喫するという展開は、<br />
当時小学生だった私にはなかなかショッキングなものでした。<br />
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しかし、今から考えればば90年代後半といえば、<br />
日本最強クラスのダート馬がドバイへ遠征したり、<br />
ブリーダーズカップへ遠征したりしていた時代で、<br />
それこそ見せ場なく負け続けていた頃。<br />
むしろカスケードが凱旋門賞を勝ってしまう方が、<br />
マンガ的な展開だったかもしれません。<br />
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そのマキバオーというマンガはストーリーが進むにつれ、<br />
同年代のライバル達との戦いから、<br />
日本馬が団結して海外の強豪と戦うという少年マンガとしては<br />
王道を歩む作品になるわけですが、今でも競馬マンガの代表格として扱われるのは、<br />
<span class="b u">サンデーサイレンス産駒の活躍や、外国産馬による海外G1制覇などで、<br />
日本の競走馬のレベルが飛躍的に上がっているのを<br />
体験していたころに連載されていた</span>ことから、<br />
現実とリンクした部分もあるのかも知れません。<br />
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それに競馬ファンの若い層ほど、海外のレース名を知っていたり、<br />
海外遠征に胸を躍らす傾向が強いように感じるのも、<br />
マンガやゲームによる影響でしょう。<br />
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日本のホースマンで、社台グループの吉田善哉氏やシンボリ牧場の和田共弘氏などは<br />
<span class="red b">早くから海外と戦うことを志向して馬づくりを行ってきました。</span><br />
それこそ、40年以上前の昔話です。<br />
そしてJRAが「世界に通用する強い馬づくり」を目指して創設した<br />
第1回ジャパンカップから約30年。<br />
そして競馬ブームに始まる日本競馬隆盛期からは15年ほど、既に経過しています。<br />
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週末、オルフェーヴルがロンシャン競馬場で闘います。<br />
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<span class="red big-s">日本を代表する社台グループと、昨年解散した老舗の名門・メジロ牧場の<br />
最高傑作の血がオルフェーヴルには流れています。</span><br />
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その血は競馬を見始めて20年足らずの私なんかが語るには<br />
恐れ多いほどの期待が込められているはずです。<br />
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そう、オルフェーヴルには<br />
<span class="b u">近代競馬150年分の期待が詰め込まれているのです。</span><br />
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それは「凱旋門賞に勝てるかもしれない」という期待値が<br />
ここ数年の遠征馬中で最も大きいからというのは明白ですが、<br />
私よりも少し上の世代の競馬ファンが感じている事は<br />
「<span class="red b">メジロマックイーンの血が日本競馬の黎明期からある日本最古の血統が、<br />
世界を相手に戦っている</span>」という事実が胸を熱くしているのだと思います。<br />
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競馬とは目の前でただレースが繰り広げられているだけではなく、<br />
その1頭1頭にドラマがあり歴史があるのだと今、深く感じています。<br />
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9.16。
ロンシャン競馬場に降り立つ、黄金色の馬の名はオルフェーヴル。<br />
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<p>
日本で「暴君」と呼ばれた馬が、<br />
世界の名馬相手に圧勝する姿が見られるかもしれません。<br />
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このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。
また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!
予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など
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