2013-06-20
かつて砂のディープインパクトと呼ばれた馬−後篇−
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2005年6月4日、東京競馬場。
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ディープインパクトがダービーを制した直後の競馬開催で、<br />
その「ディープインパクト旋風」の余波が<br />
まだ色濃く残る開催でした。
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この日のメインも「金子馬」で「武豊」騎手騎乗の<br />
フジキセキ産駒・<span class="b">カネヒキリ</span>が圧倒的1番人気。
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2番人気に推されたのが5戦5勝。<br />
兵庫チャンピオンシップを無敗で制したジェニュイン産駒<span class="b">ドンクール</span>でした。
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<span class="red b">何度も書いていますが「ジェニュイン好き」の私にとって、<br />
ドンクールは悲願の大物産駒。</span>
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なかなか種牡馬として結果が出ず、<br />
02年にサンデーサイレンスが死んで、<br />
その後継種牡馬争いから<br />
脱落しかかっていたサンデーサイレンス初年度産駒・ジェニュインは<br />
私の競馬人生で最初に好きになった馬でした。
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黒い馬体に白いシャドーロール。<br />
粘り強いレースぶりは、<br />
「<span class="b">圧勝が本当の強さでは無い</span>」<br />
という、競馬の面白さを教えてもらった馬でもあります。
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今もなお、<br />
「フジキセキがいればクラシックを勝てなかった馬」という<br />
評価をされがちですが、そういう評価があるからこそ、<br />
<span class="b u">ドンクールには圧倒的人気のカネヒキリだけには<br />
負けて欲しくありませんでした。</span>
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ドンクールは派手さは無いものの<span class="red b">5戦5勝</span>という負けなしの成績。<br />
そのユニコーンS発走前まで、<br />
5戦5勝は同世代にディープインパクトしかいませんでした。
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「<span class="big-s">砂のディープインパクト</span>」<br />
友人達にそう吹聴してまわりました。
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カネヒキリ以外にも交流重賞で活躍した<span class="b">アグネスジェダイ</span>や<br />
2歳ダートチャンピオンの<span class="b">プライドキム</span>など<br />
なかなかのメンバーが揃ったレース。
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ここで勝てば、メイプルロード以来の重賞勝ち、<br />
さらには念願のG1勝ちも十分、視野に入ってきます。
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武豊騎手騎乗のカネヒキリは番手につけ、好位置をキープ。<br />
ドンクールも中団からレースを進めます。
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4コーナーを回って、レースは終盤。<br />
逃げるアグネスジェダイをあっさり交わしたカネヒキリ。<br />
<span class="red b">馬群の中から抜け出してくるドンクール。</span>
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「勝てる!イケる!」<br />
そう思ったのも、ほんの一瞬。
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前を走るカネヒキリとの差は一向に縮まらず、<br />
ドンクールは先行したアグネスジェダイすら捉えられず、3着。
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カネヒキリはアグネスジェダイに約2馬身の差をつけ勝利。<br />
初の重賞制覇を達成しました。
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ドンクールの単勝しか持っていなかった私は当然馬券はハズレ。
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それ以上に、ここで<span class="b u">ドンクール(ジェニュイン)が<br />
カネヒキリ(フジキセキ)に勝てなかったことの方がショックでした。</span><br />
それに前走負かしていた<br />
アグネスジェダイにも先着を許してしまったわけで、<br />
二重・・・いや三重のショックに襲われてしまったのです。
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次走のジャパンダートダービーでも、<br />
カネヒキリは圧勝し、ドンクールは5着。
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カネヒキリがどんどん出世していく中で、<br />
ドンクールは古馬相手に善戦を重ねるのが精一杯。
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06年に交流重賞・<span class="red b">名古屋大賞典</span>をなんとか勝ったのを最後に、<br />
重賞やオープン戦では2着が最高。<br />
ついに先頭でゴールを駆け抜ける事は出来ませんでした。
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長く中央で走っていたドンクールは園田競馬場に2010年移籍。
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2走して両レースとも1番人気に推されますが、<br />
<span class="b u">掲示板を確保するのが限界。</span>そのまま放牧に出されます。
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一方、あのユニコーンS以来、<br />
出世街道を歩み続けたカネヒキリはドンクールの移籍と同じ頃に現役引退。
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カネヒキリは「砂のディープインパクト」として、<br />
またフジキセキの後継種牡馬として活躍が期待されています。
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<span class="b u">「砂のディープインパクト」と呼ばれながら<br />
真逆の余生を歩むことになったドンクールとカネヒキリ。</span>
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同じサンデーサイレンス初年度産駒で<br />
種牡馬として成功したフジキセキと、失敗に終わったジェニュイン。
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あのユニコーンSから考えれば、<br />
言葉では言い表せない敗北感の漂う結末になってしまいそうでしたが、<br />
<span class="red b">物語自体はまだ終わっていませんでした。</span>
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2013年4月18日。<br />
てっきり放牧後、引退するものと思われていたドンクールは<br />
2010年9月9日以来にファンの前に姿を現し、レースに出走。
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<span class="red big-s">約3年ぶりのレースで、6番人気の低評価ながら、<br />
2006年3月の名古屋大賞典以来、<br />
約7年ぶりにドンクールは勝利を果たします。</span>
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今年で11歳ですから、あのユニコーンSから8年。
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私にとっての「<span class="b">砂のディープインパクト</span>」は<br />
もう少しの間だけ園田の地で競馬を続けてくれそうです。
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あと、何回走れるかわかりませんし、<br />
いつ引退するかもわかりません。
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しかし、優勝劣敗の過酷な競争の中で、<br />
数少なくなったジェニュインの血を引く馬が走る姿を見れるのは嬉しいもの。
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ドンクールはもうしばらくの間、<br />
ジェニュインの代表産駒として走ります。<br />
<span class="big-s">私ももう少しの間、小さかった頃の自分を思い出して<br />
ドンクールを応援しようと思います。</span>
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このコラムを書いた予想家
江戸川乱舞
競馬好きな平凡サラリーマンから、「逆走競馬予想」を引っ提げて競馬評論家の仲間入り。
また競馬予想だけでなくコラムニストとしても活動中で、
競馬スピリッツ上で「競馬はロマン」を地で行くコラムを掲載中!
予想スタンスはまさに常識から対極への「逆走」。
「勝つ馬」ではなく「負ける馬」から選んでいき、最後に残った馬をまとめ買い。
「全通り買えば当たる」が持論の逆走競馬コラムニスト。 得意な予想スタイル:単複・ワイド・三連単 など
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