「状態はすごく良かったし、やれる手応えはあった。
(3コーナーの)あの不利は尋常ではない。
落ちると思った。
脚元が無事かどうか確認してから追い出した」
ヴィルシーナの妹で期待馬ヴィブロス(2着)に
騎乗していた福永騎手は語気を荒げていた。
あ、正確には語気を荒げていたかはわからないけれど、
3コーナーで突然前方に居たキリシマオジョウが失速。
その煽りをくらった馬が複数いたが、
福永騎手が跨っていたヴィブロスも被害馬の1頭だった。
そのお蔭で勝てるであろうはずレースが台無しに…。
レース後、そんな気持ちをにじませていた。
「1200が限界の九州産馬がトライアル出てくんなや!」
とまではもちろん言ってはいないだろうが、
あわや大惨事という場面に本人も相当焦っただろう。
前回の怪我から復帰して間もないのに、
ここでまた戦線離脱したら、意味が無い。
その怒りの矛先(?)が日曜日のビッグアーサーに
向かったのかは知らないけれど、
スタート直後から最内枠を利して、
積極的に前に出していった。
「うわwwいっくん、やらかしたwww」
と、江戸川さんも思わず思ってしまうほどの走り。
ネロやらラヴァーズポイントといった前に行くはずの馬達が
このビッグアーサーの動きにビックリして、
様子見するレベルのスタートダッシュ。
正直、人気馬に乗ってこんなに強気な
積極的な競馬をする福永騎手は非常に珍しい。
本番であるスプリンターズSが
前傾ラップになる傾向があるのを見越して積極策に出ているのか、
それとも紫苑Sのような事になりたくないのか…
とにかく今日のいっくん(福永騎手の愛称)は積極的だ。
むしろこの積極策を見て控える競馬を選択した
ネロがどうもチグハグな感じに見える。
ウチパクさんも積極的に手が動いていたし。
「(ネロは)ダメか・・・」
ビッグアーサーに勝てるとしたら、
前に行くはずのネロだけ・・・と踏んでいたが、
想定と逆の展開になっては江戸川さんの予想も苦しい。
直線を向いてじわじわネロは伸びてきているが、
脚は完全にビッグアーサーの方が上。
ビッグアーサーにベルカント・・・
ネロは生まれた時代が悪かったのかもしれない。
よほど恵まれなければG1は手に届かないだろう。
完調とは言い難いビッグアーサーとの差は歴然だ。
いや…今回ばかりは、
福永騎手の積極策が奏功したと見るべきか…。
いずれにせよ、ビッグアーサーが
スプリンターズSでも揺るぎない主役であることが
再確認できただけでも儲けもの。
今日はそう思っておこう。
馬券もラヴァーズポイントが頑張ってくれたから
プラスで終われたし・・・。
とにかく秋競馬を良い形でスタートできた江戸川さんでした。